李逸洋駐日代表、「頻発する演習は中国軍腐敗隠しの『虚勢』か」 日米連携の重要性訴え

李逸洋駐日代表。(写真/黄信維撮影)
李逸洋駐日代表。(写真/黄信維撮影)

台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表は自身のフェイスブックで、中国が再び台湾周辺で軍事演習を実施したことについて言及し、台湾市民にとってはすでに回数を数え切れないほど繰り返されていると指摘した。中国側は今回の演習について「外部勢力への厳重な警告」と位置づけており、李氏はその「外部勢力」とは米国および日本を指すものだと述べている。

李氏は、米国のトランプ大統領が最近「台湾保証履行法」に署名し、台湾への高官派遣や軍事訓練支援を進める方針を示したこと、また2025年版米国国家安全保障戦略において、日本、韓国、オーストラリアなど同盟国と連携し、中国による台湾侵攻を容認しない姿勢を明確にした点に言及した。さらに、米国が過去最高額となる111億5000万ドル規模の対台武器売却を承認し、中国による侵攻に高い代償を負わせる構えを示していることも指摘した。

加えて、2026会計年度の米国国防権限法では、台湾との共同武器生産体制の構築が盛り込まれ、無人システムおよび対無人システム分野が重視されていると述べた。

日本については、高市早苗首相が国会答弁で「台湾有事は日本の存立危機事態になり得る」と発言したことに中国側が反発していると指摘。米国、日本のみならず、英国、フランス、オランダ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど民主主義国が相次いで台湾海峡の航行の自由を主張し、中国の「台湾内海化」の試みに反対している現状を挙げた。

一方で李氏は、中国軍内部の深刻な腐敗問題にも言及。習近平国家主席が自ら登用した高級将官が相次いで失脚し、何衛東氏、苗華氏といった軍上層部が汚職で摘発されたこと、定員40名の「上将(大将級)」ポストのうち現役がわずか6名しかいない異常な状況にあると述べた。こうした背景から、頻繁な軍事演習は内部問題を覆い隠すための「虚勢」であるとの見方があると指摘した。

李氏は最後に、台湾の将来を他国の支援のみに委ねるのではなく、自らの防衛力強化が不可欠であるとし、国防予算の増額や先進兵器の整備を急ぐ必要があると訴えた。

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