2026年の「5大注目点」:高市早苗首相、大谷翔平選手、そして60年ぶり「丙午」の呪い

東京の老舗人形店が、2025年の特別仕様の「羽子板(はごいた)」を展示した。羽子板には高市早苗首相(左)の肖像が描かれている。(AP通信)
東京の老舗人形店が、2025年の特別仕様の「羽子板(はごいた)」を展示した。羽子板には高市早苗首相(左)の肖像が描かれている。(AP通信)

京都・清水寺の森清範貫主が、2025年を象徴する「今年の漢字」として「熊」の一字を揮毫した。これは日本各地でクマによる襲撃事件が多発したことを直観的に反映したものだろう。しかし、ブルームバーグの東京支社前副社長であるギアロイド・レイディ氏は、この選択を「保守的すぎて核心を外している」と指摘する。同氏によれば、今この瞬間の日本の鼓動をより正確に捉えているのは「高」という文字だという。

それは、日本が憲政史上初の女性宰相である高市早苗氏を迎えたからだけではない。2025年の日本は、まさに「高」の字が貫く一年だった。日経平均株価は史上初めて5万円の大台を突破し、日本銀行は長きにわたったマイナス金利時代に終止符を打って金利が30年ぶりの「高水準」に到達した。また、国民が最も痛感している「物価高」や、トランプ氏のホワイトハウス復帰がもたらす「高関税」の脅威も含まれる。レイディ氏はこの最新の専欄記事において、2026年の日本が直面する5つの展望を深く分析している。

一、「話題の女王」高市早苗氏の長期政権の可能性

高市首相の登板は、日本政界における最大のサプライズであった。米フォーブス誌で「世界で最も影響力のある女性」第3位に選出された新首相は、核武装に関する強硬なスタンスから移民政策への保守的な態度、さらには愛用のハンドバッグや睡眠習慣に至るまで、あらゆる言動がメディアの標的となっている。高市氏にとって2026年の任務は唯一つ、このメディアからの関心を、強固な「政治資本」へと変換することだ。

高市早苗。(首相官邸)
高市早苗首相。(首相官邸)

石破茂氏が短期間で退陣したことで、脆弱な政治基盤のまま自民党総裁の座が残された。高市氏が日本の首相の宿命である「短命」の呪縛を打ち破ろうとするならば、2026年に「衆議院解散・総選挙」という政治的大博打に打って出る可能性は極めて高い。しかしレイディ氏の分析では、高市氏の支持率が高止まりしているとはいえ、有権者は早期の解散には消極的だという。そのため、高市氏にはインフレに苦しむ庶民が「恩恵を実感できる」強力な政策、あるいは解散に足る大義名分が必要となる。

現状を見る限り、高市政権によるガソリン価格抑制策は奏功しているが、一方で「米券(お米の引換券)」配布という昭和の遺物のような補助金政策は失敗に終わった。もし高市氏がこの賭けに勝ち、新たな民意の負託を得ることができれば、党内派閥やトランプ氏ら国際的リーダーとの交渉において強力な後ろ盾を得ることになる。「日本版・鉄の女」としての歴史的評価は、この解散のタイミングにかかっている。

二、「サムライ」の進撃:大谷翔平選手からブルーサムライまで

政治が妥協の芸術であるならば、スポーツは絶対的な実力の証明の場である。2026年、日本は競技場における「侍精神」をさらに加速させようとしている。 (関連記事: 台湾・台北に「ちいかわ」常設店オープン!ここでしか買えない「垂れ耳」限定グッズも登場 華山ではちいかわベビーの期間限定ショップも同時開催 関連記事をもっと読む

2025年を振り返れば、大谷翔平選手がMLBのナ・リーグ優勝決定シリーズで「史上最高」と称されるパフォーマンスを見せ、山本由伸選手がその右腕でロサンゼルス・ドジャースにワールドシリーズ制覇をもたらした。この二人の日本人スーパースターは現在、2026年3月に開催される「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」へと照準を合わせている。

ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ2連覇を達成、大谷翔平と山本由伸の喜び。(美聯社)
ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ2連覇を達成、大谷翔平選手と山本由伸選手の喜び。(AP通信)
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