中央気象署によると、台湾時間の12月27日午後11時5分ごろ、台湾東部沖を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生した。震源の深さは約72.8キロで、最大震度は4を観測。深夜にもかかわらず、台湾全域で強い揺れが感じられ、多くの市民が睡眠中に目を覚ました。
頼清徳総統は同日深夜、SNSを通じて国民に向けてメッセージを発信した。頼総統は、「先ほどの地震で、皆さんの無事を願っている。夜も遅い時間だが、身の安全を最優先にし、まだ起きている人は家族や友人に連絡を取り合って安否を確認してほしい」と呼びかけた。その上で、「関係機関はすでに各地の状況を把握しており、政府として国民の安全を確保する」とし、余震への警戒も呼びかけた。
また、卓栄泰行政院長も同様にコメントを発表し、「23時05分に発生した強い地震について、各地の状況を詳細に確認した結果、大きな被害は確認されていない」と説明した。停電が発生した地域についてもすでに復旧しており、鉄道および捷運は安全確認のため一時的に運行を停止したものの、安全性に問題はないとしている。
さらに、桃園国際空港第2ターミナルでは天井の一部が落下したが、人的被害はなかったほか、花蓮県の馬太鞍渓における堰塞湖にも異常は確認されていないという。
行政院は28日未明、前日27日午後11時ごろに宜蘭県沖で発生したマグニチュード7.0の地震について、現時点で重大な被害は確認されていないと発表した。行政院の李慧芝報道官によると、花蓮県の馬太鞍渓で懸念されていた天然ダム(堰塞湖)については、現時点で異常は確認されていないという。また、鉄道・道路などの交通インフラについても、台湾鉄道(台鉄)の蘇澳変電所で一時的に安全装置が作動し停電が発生したものの、その他の路線では大きな被害は報告されていない。
このほか、宜蘭県東澳地区では一時的に停電が発生したが、その後復旧。台湾電力公司(台電)の各発電所も通常通り運転しているという。李報道官は、地震が深夜に発生したことを踏まえ、国民に対し引き続き警戒を呼びかけるとともに、周囲の住民同士で安全を確認し合うよう呼びかけた。また、卓栄泰行政院長の指示により、行政院災害防救弁公室、交通部中央気象署、内政部消防署など関係機関が連携し、震災後の状況把握を継続していると説明。あわせて、鉄道および道路交通への影響についても引き続き確認を進めているとしている。

台北捷運公司(台北MRT)は、同日午後11時6分に地震を感知したことを受け、直ちに標準作業手順(SOP)に基づき、列車の減速運転および線路・設備の安全確認を実施したと発表した。現時点で異常は確認されておらず、各駅では構内放送や電光掲示による案内を強化しているという。
震源は宜蘭県政府の東方約32.3キロの海域で、宜蘭県、台北市、新北市、花蓮県、桃園市、台中市、南投県、苗栗県、彰化県、雲林県、嘉義県、台南市など広範囲で震度4を記録。高雄市と屏東県では震度3、連江県と澎湖県では震度2、金門県では震度1が観測された。
地震発生直後から、PTT、Threads、FacebookなどのSNSには体感を共有する投稿が殺到。「最初は小さいと思ったらどんどん揺れが大きくなった」「上下に揺れたあと左右にも振られた」「壁がミシミシ音を立てていた」といった声が相次いだ。
また、1999年の台湾大地震(921大地震)を想起したという投稿も多く、「921以来一番はっきり感じた揺れ」「あの独特な揺れ方に心臓が止まりそうになった」と恐怖を語る声も見られた。
今回の地震では、ほぼ全域で緊急地震速報(国家級警報)が作動。「警報が鳴った直後に揺れ始めた」「今回はかなり正確だった」と評価する声がある一方、突然の警報音に驚いたという投稿も相次いだ。
ネット上では不安の中でも互いを気遣う動きが広がり、「みんな大丈夫?」「まずは玄関を開けて避難経路を確保して」など、安否確認や注意喚起の書き込みが多数見られた。
現時点で大きな被害報告は入っていないが、中央気象署は今後も余震に注意するよう呼びかけている。
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編集:梅木奈実

















































