トップ ニュース 頼清徳総統、河野太郎元外相らと会談 防衛費「2030年までにGDP比5%」目標掲げる
頼清徳総統、河野太郎元外相らと会談 防衛費「2030年までにGDP比5%」目標掲げる 台湾の頼清徳総統は26日、河野太郎元外相らと会談し、2030年までに国防予算をGDP比5%へ引き上げる目標を表明するとともに、日台EPA締結およびCPTPP加盟への支持を要請した。（写真/総統府提供）
台湾の頼清徳総統は26日午前、総統府で河野太郎衆議院議員（元外相）率いる訪問団と会談した。頼氏は、地域の平和と安定に対する日本の長年の支持に感謝を述べるとともに、台湾の自己防衛力を大幅に強化する方針を説明。また、日台間の経済連携協定（EPA）締結やCPTPPへの加盟に向け、日本のさらなる協力を求めた。
頼総統は挨拶の中で、「平和は侵略者の善意に頼ることはできず、実力こそが平和の保証だ」と強調した。国家を守る決意を示すため、来年度（2026年度）の国防予算をNATO（北大西洋条約機構）基準でGDP比3%超とし、さらに「2030年までにGDP比5%」へ引き上げる目標を明らかにした。加えて、今後8年間で1兆2500億台湾ドル（約6.2兆円）規模の国防特別予算を投入し、「台湾の盾（Taiwan Shield）」を構築して防衛靭性を全面的に高める計画を示した。
経済分野については、今月初めに署名された「日台デジタル貿易協定」に触れ、今後AI（人工知能）や半導体分野での交流拡大に意欲を示した。頼氏は「台湾のAI・半導体産業と、日本の素材・装置・精密製造の強みを合わせれば、ウィンウィンの関係を築ける」と述べ、河野氏らに対し、日台EPAの締結および環太平洋パートナーシップ協定（CPTPP）への台湾加盟への後押しを要請した。
これに対し河野氏は、11年ぶりの訪台を喜び、1980年代から90年代にかけて台湾の工場を度々訪れた思い出を回顧した。観光交流については、2024年の訪日台湾人数が600万人（台湾人口の約4人に1人）を超えた一方、訪台日本人数は100万人余りにとどまっている現状を指摘し、成長の余地が大きいとの認識を示した。
また河野氏は、TSMC（台湾積体電路製造）の日本進出などが順調に進んでおり、昨年の台湾による対日投資額が過去最高となる50億米ドルを超えたことに言及。「今後も台湾企業による対日投資は続くだろう」と期待を寄せたほか、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会への台湾の参加を呼びかけた。
会談には、田中和徳、井上信治、牧島かれん各衆議院議員、浅尾慶一郎、藤川政人各参議院議員らが同席した。
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