ゼレンスキー大統領、20項目の新和平案を公表 ロシアと不可侵条約、南北朝鮮型の「非武装地帯」構想も

ドネツク前線は戦闘の長期化で深刻な被害を受けている。(AP通信)
ドネツク前線は戦闘の長期化で深刻な被害を受けている。(AP通信)
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ウクライナのゼレンスキー大統領はこのほど、米国と共同で策定した修正版の和平計画草案を公表した。ロシアとの戦争終結に向け、キーウがこれまで示してきた中で「最大の努力」だと位置づける内容で、計20項目から成る包括的な構成となっている。草案には、将来のロシア再侵攻を防ぐための安全保障の枠組みから、戦後復興に向けた国際的な関与までが盛り込まれた。

もっとも、ゼレンスキー氏は記者会見で、ウクライナと米国の間では依然として「領土問題」をめぐる完全な合意には至っていないと率直に認めた。和平交渉における最大の難題は、依然としてこの点にあるという。新たな草案は今後、米国からロシア側に提示される予定だが、ウクライナが示した妥協案が、どのような形でモスクワに伝えられるのかは現時点では明らかになっていない。

以下はゼレンスキー氏の20項目の要点である。

草案の中で特に重視するのが、安全保障をめぐる米国との認識の一致だという。キーウとワシントンは、「ロシアが再びウクライナを侵攻しないこと」を共通の目標として掲げ、西側諸国の資金支援のもと、平時でも約80万人規模の正規軍を維持する構想を盛り込んだ。あわせて、ウクライナの欧州連合(EU)加盟への道筋を明確にすることも、重要な柱とされている。​

前往歐盟訪問和演說的烏克蘭總統澤倫斯基。(美聯社)
EUを訪問し、演説するウクライナのゼレンスキー大統領。(AP通信)
駐紮在烏克蘭前線的俄羅斯士兵。(美聯社)
ウクライナ前線に展開するロシア兵。(AP通信)

さらに、米議会の承認を前提とする「米ウクライナ二国間安全保障協定」の締結や、欧州諸国による陸・海・空での防衛支援の継続も明記された。一部の欧州諸国は、こうした安全保障枠組みが発効した場合、ウクライナに平和維持部隊を派遣する用意があると表明しているが、これはロシアが強く反発している項目でもある。

草案には、戦火の再燃を防ぐための具体策も盛り込まれた。ウクライナと米国は、国際的な監視メカニズムの構築や、ロシアとウクライナが相互に不可侵条約を締結することに合意している。停戦が成立した後には、すべての戦争捕虜および拘束された民間人を解放・帰還させることを約束し、協定発効後、ウクライナ国内で民主的な選挙を速やかに再開する方針も示された。

では、どの部分に分岐が集中しているのか?和平交渉で最も難航しているのが、ウクライナ東部4州の将来像だ。

俄烏戰爭前線的頓內茨克,因為長年交戰而遭到嚴重破壞。(美聯社)
ドネツク前線は戦闘の長期化で深刻な被害を受けている。(AP通信)

これまでロシアと米国が起草した別の和平案では、ウクライナ軍が現在保持しているドネツク州の一部地域から全面撤退し、南北朝鮮の38度線に類似した非武装地帯(DMZ)を設ける構想が示されていた。しかし、キーウは「ロシア軍が占領していない自国領土を、一方的に差し出すことはできない」として、この案を即座に拒否している。

今回の修正版では、ウクライナ側が一定の譲歩を示した。ドネツク州に非武装地帯を設けること自体には同意する一方で、ウクライナ軍だけでなく、ロシア軍も同時に撤退することを条件とし、当該地域を国際部隊の管理下に置く緩衝地帯とする構想を提示した。これは、南北朝鮮間で国際連合(UN)が関与している現在の枠組みに近いモデルだとされる。

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