豪首相、高市首相が贈った「メロン」巡る言動が波紋 野党は謝罪要求、日本側は静観

オーストラリアを訪問した際、アルバニージー首相との自撮り撮影に応じるた高市早苗首相。(AP通信)
オーストラリアを訪問した際、アルバニージー首相との自撮り撮影に応じるた高市早苗首相。(AP通信)

高市早苗首相はこのほど、ロケットの打ち上げ、太陽光発電の展開、熊本地震からの復興など、複数の重要課題について見解を相次いで表明した。しかし、南太平洋で浮上した「メロン」発言を巡る問題については一切の言及を避け、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相に対する批判や謝罪の要求も行っていない。実のところ、首相本人だけでなく日本政府全体が、アルバニージー氏のメロン発言、あるいは直接的にセクシャルハラスメントとも受け取れる言動に対し、一貫して沈黙と静観の姿勢を保っている。

オーストラリア公共放送協会(ABC)は、今回の騒動はアルバニージー氏が人気ポッドキャスト番組「Bush Deep」に出演したことに端を発していると伝えた。司会者から「海外で受け取った最悪の贈り物は何か」と問われた際、同氏は高市氏から以前、2個のメロンを贈られたと述べ、胸の前で両手でボールを抱えるようなジェスチャーを交えながら、「彼女は2つ持ってきた」と冗談交じりに語った。これに対し、司会者も「まるで(著名なセクシー女優の)パメラ・アンダーソン氏のようだ」と即座に応じた。

こうした性的な含みを持つ発言は当初、SNSや政界で注目を集めることはなかった。しかし、元外交官がSNS上で批判を展開し、さらにオーストラリア連邦議会で野党がこの問題を巡り相次いで追及を始めたことで、事態は一気に表面化した。

ポッドキャスト番組に出演し、これまで受け取った最も奇妙な贈り物について語るオーストラリアのアルバニージー首相。(YouTube映像より)
ポッドキャスト番組に出演し、これまで受け取った奇妙な贈り物について語るオーストラリアのアルバニージー首相。(YouTube映像より)

アルバニージー氏が議会で野党議員から厳しく追及されている最中、日本ではお盆連休と重なり、首相官邸での正式な記者会見は開かれなかった。海外メディアによる報道が過熱する中、事態の悪化を防ぐため、鈴木量博・駐オーストラリア日本大使が沈黙を破り、日本政府を代表して声明を発表。「オーストラリア政府からは、アルバニージー氏の発言はメディアの報道が伝えるような意図ではないとの説明を受けている。いずれにせよ、今年5月に高市氏がオーストラリアを訪問した際、アルバニージー首相主催の晩餐会は非常に和やかな雰囲気に包まれ、両首脳間の個人的な信頼関係構築に寄与するものとなった」と強調した。

豪紙オーストラリアンが暴露した外交公電によると、日本の外交当局は7月の段階で豪政府に対し、日本政府としてアルバニージー氏の発言に「悪意はない」と受け止めており、抗議等の措置は講じず、豪メディアの関心が薄れるのを待つ方針だと非公式に伝達していたことが明らかになった。しかし、オーストラリアの野党がこの公電漏洩問題を連邦警察の捜査に委ねる決定を下したことに加え、元駐豪日本大使がメディアへの寄稿で「こうした動きは両国関係を損なう恐れがある」と警告したことで、事態を穏便に収拾しようとした日本の思惑は崩れ去ることとなった。

無用な政治的混乱を避けたい日本政府

日本文化において、「お土産」を贈ることは細やかな配慮を要する厳粛な社会的儀礼だ。外交上の贈答品を公の場で冗談のネタにし、あろうことか性的なニュアンスと結びつける行為は、極めて品格を欠く非礼な振る舞いと見なされる。オーストラリアの政権与党はアルバニージー氏を擁護し、逆にメディアや外部が発言とジェスチャーを歪曲していると非難している。一方で、日本国内のメディアやSNSでも批判の声が高まり始めており、今後、高市氏または首相官邸は正面からの対応を迫られる可能性が高い。

2026年5月4日、「日豪共同宣言」に署名する日本の高市早苗首相とオーストラリアのアルバニージー首相。(日本首相官邸)
5月4日、「日豪共同宣言」に署名した日本の高市早苗首相とオーストラリアのアルバニージー首相。(日本首相官邸)

複数の海外メディアによる分析では、日本政府がこの論争を全力で抑え込もうとしている最大の理由は、現在の高市内閣がオーストラリアとの緊密な国防・軍事同盟を極めて重視しており、両国が結束した姿勢を示す必要に迫られているためだと指摘している。さらに、高市氏は現在、国内における支持率の低下、物価高騰、そして北朝鮮による度重なるミサイル発射など、多重の政策課題とプレッシャーに直面している。そのため、これ以上の無用な政治的混乱を避け、新たな懸念材料を増やしたくないのが本音とみられている。

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp

最新ニュース
東京スカパラダイスオーケストラの37年をアートで紐解く展覧会が開幕
高市首相、終戦の日の靖国参拝見送りへ 靖国神社、軍服・軍事装具など「軍装」の着用禁止を要請
台湾・士林夜市、かつての賑わいはどこへ 空き店舗相次ぎ、韓国人YouTuberが現状を探る
【北京観察】台湾スタバVS中国スタバ なぜ台湾のコーヒー市場では中国式「価格戦争」が起きないのか
ONE N' ONLY初のアリーナツアーファイナル、代々木第一体育館公演をU-NEXTで独占生配信
渋谷上空で夢を育む秋祭り「天空夢祭」開催へ 盆踊りや短冊企画で街と人をつなぐ
コロンビア西部でM7.4地震 死者265人、3770人超負傷 約500人不明、捜索・救助続く
GREEN×EXPO 2027公式ライセンス商品に横浜FC「フリ丸」コラボが登場 8月16日より発売開始
エキュート品川、夏の疲労回復に向けた「辛味と旨味の夏グルメ」フェアを8月17日から初開催
ファミリーマートと「東京ばな奈」がコラボ5周年 限定商品を台湾でも同時発売へ
アコー、有料会員プログラム「ALL Accor+ Explorer」を日本国内で本格展開
ソニーとTSMC、熊本合弁で最終契約 ソニーが単独の支配株主に
頼清徳総統、長島昭久衆院議員と会談 防衛・半導体などで日台連携深化に期待
【台湾世論調査】民進党が好感度トップ維持 国民党・民衆党は回復、民衆党への反感は50.5%で3党最高
東京ゲームショウ2026 インディーゲーム企画の最新情報発表 アンバサダーにポッキー氏が就任
大人は「資産を育てる」、子どもは「売る・買う」 8月末に資産運用EXPO 関西開催へ
寺田倉庫、Tokyo Gendaiと連携し天王洲で回遊型アートイベント「TENNOZ ART WEEK 2026」を開催
U-NEXTが「モナキ」初の全国ツアー千秋楽を独占生配信へ 純烈の武道館公演なども順次公開
東京・八重洲の新たな結節点「TOFROM YAESU TOWER」が9月開業へ、岩井俊二作品が彩る新名所
全国の自治体が映像でPR 第15回観光映像大賞のファイナリスト5作品が決定
中国・インドネシア、台湾東部沖で合同軍事演習へ 台湾「主権と海域権益を侵害」
TSMC、4~6月期純利益7065億台湾ドル 1株7台湾ドル配当、外国人株主は米ドル受取も
外国人と企業向けの専門相談会開催へ 滋賀・大津で9月に無料実施
成田空港の第二の開港を見据え「NARITA TIME」が成田病院院長との特別インタビューを公開へ
「モットーbyヒルトン」日本初進出 京都・四条烏丸に2029年度開業へ
【独自】初音ミク「マジカルミライ 2026」初のバラードをテーマソングに 担当者が語る新演出と創作文化
雅叙園東京が宿泊予約を開始、今秋からベストブライダルがウエディング事業を受託
U-NEXT、山形交響楽団のファミリーコンサート「オーケストラの日2026」を8月28日に独占配信
日本最大級の都市型ダンスフェス「ULTRA JAPAN 2026」全出演アーティスト発表 豪華ラインナップ出揃う
陽岱鋼が現役引退を発表 稲葉監督のサプライズ登場に涙、21年間のプロ生活を振り返る
日韓で対米不信広がる トランプ氏への否定的評価、韓国77.4%・日本70.9%
オイシックス新潟、陽岱鋼の引退セレモニーを9月26日に開催へ 千葉ロッテ戦後に実施
TSMCとソニー、熊本に合弁会社設立へ 総額7470億円、2029年に次世代イメージセンサー量産
Jリーグが秋春制移行の新シーズン開幕へ!ポケモン30周年とコラボ、全国60クラブで特別企画
横浜赤レンガ倉庫でディスコイベント「Disco Brick YOKOHAMA」初開催
Cygames、MLBドジャースの大谷翔平選手モデルリング配布試合を協賛開催へ
東京ゲームショウ2026にTOKYO MX出展!野田クリスタル番組発の新作ゲームが初公開へ
三菱地所、2027年3月期第1四半期決算を発表 営業利益・純利益ともに過去最高を大幅に更新
ロブロックスが夏休みの学びと安全機能を強化 16歳未満向け新アカウント導入で何が変わる?
JT、赤川花火大会に「Ploom LOUNGE」出展 屋外テラスや冷房完備スペースを設置
東京都が「令和8年度 第1回復興応援ふるさと市」開催へ 東日本大震災・能登半島地震の被災地支援
TGS2026で新型XRヘッドセット2機種を披露 WALKER INDUSTRIES、独自OS「XRUIOS」も公開へ
『Pokémon GO』WCS2026記念イベント開催へ 新ピカチュウや限定アイテム登場、開催期間も発表
ヒルトン東京ベイ、ハロウィーンビュッフェ「Gothic Palace」を9月5日より開催
西日本最大級の建築・土木・不動産先端技術展「第10回 JAPAN BUILD OSAKA」が8月26日から開催へ