米国のトランプ政権が「米国第一(アメリカ・ファースト)」政策を推進し、世界各国への経済・貿易面での圧力を強める中、アジアの主要同盟国で米国に対する信頼が大きく低下している。
北大西洋条約機構(NATO)でも米国の戦略的な関与に対する懸念が生じる中、東アジアの主要同盟国である韓国と日本でも、二国間協力を支えてきた市民レベルの信頼が大きく揺らいでいる。
米国は長年、米韓同盟と日米同盟をそれぞれ北東アジアの安全保障における「要(リンチピン)」と「礎(コーナーストーン)」と位置づけてきた。しかし、トランプ政権が従来の同盟関係の価値を重視しなくなる中、日韓両国の最新の世論調査では、米国に対する信頼の低下が鮮明になっている。
韓国、対米不信が初めて「信頼」を上回る
韓国紙『中央日報』と東アジア研究院(EAI)が共同で発表した最新の世論調査によると、韓国の回答者の46.4%が米国を「信頼できないパートナー」と回答し、「信頼できる」とした45.4%をわずかに上回った。標本誤差は±2.5ポイント。
EAIが2017年に追跡調査を始めて以来、韓国で米国を「信頼できない」とする割合が「信頼できる」を上回ったのは初めてとなる。2025年の調査では、米国を信頼すると回答した割合は66.3%で、信頼しないとした割合は30.2%だった。

日本でも同様の傾向がみられる。
公益財団法人国際文化会館(IHJ)が日本人を対象に実施した調査では、47%が米国を「信頼していない」と回答し、「信頼している」とした34.7%を大きく上回った。数値上では、米国を信頼しないとする割合は韓国をやや上回った。
また、ドナルド・トランプ米大統領個人に否定的な印象を持つ韓国の回答者は77.4%に上昇した。米国という国そのものに対する好感度も、2025年の72.8%から47.5%へ大幅に低下した。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領はトランプ氏と首脳会談を行い、二国間の関税合意に加え、原子力潜水艦や原子力分野での権限拡大を取り付けたが、世論の低下傾向に歯止めをかけるには至っていない。
現在、米韓関係を「良好」とみる韓国の回答者は17.8%にとどまり、韓中関係を良好とみる14.5%との差は小さい。日本でも、トランプ氏に否定的な印象を持つ人の割合は70.9%に達しており、外交努力だけでは国民の懸念を払拭できていない状況が示されている。
安全保障では同盟維持求める声
対米信頼の低下は東アジアだけに限らない。欧州外交評議会(ECFR)が5月に実施した調査では、米国を同盟国とみなす欧州の回答者は10人に1人にとどまった。
また、米ピュー・リサーチ・センターが36カ国を対象に実施した調査では、米国への好感度が中国への好感度を上回った国は6カ国のみだった。日本と韓国はいずれもこの6カ国に含まれており、今回の対米信頼低下がより目立つ結果となっている。

こうした世論の変化については、トランプ政権が自動車や鉄鋼などの主要産業に高い関税を課していることが大きく影響しているとの分析がある。
一方、調査からは、安全保障を巡って現実的な判断を重視する姿勢も浮かび上がった。韓国では62.3%が、米韓同盟を維持するか、適度に強化すべきだと回答した。
北朝鮮の核・ミサイルを巡る脅威が深刻化する中、韓国では米国の姿勢の変化に不安が広がる一方、安全保障面では依然として米韓同盟を「最も不可欠」な防衛上の支えとみる意識が根強いことが示されている。
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編集:梅木奈実


















































