フランス・パリを代表する観光名所のエッフェル塔(Eiffel Tower)が、職員のストライキにより一時閉鎖された。BBCなど海外メディアによると、ストライキの原因は賃金や労働時間ではなく、インドの宗教団体「BAPS」(Bochasanwasi Akshar Purushottam Swaminarayan Sanstha)の一行によるエッフェル塔訪問をめぐる対応だった。運営側が同団体の要望を受け入れ、女性職員を持ち場から外し、一部の職務を男性職員に交代させたことが明らかになり、労働組合や従業員から強い反発を招いた。
エッフェル塔運営会社(SETE)の労組代表ディアーヌ・ダヴォワーヌ(Diane Davoine)氏がメディアに明らかにしたところによると、同団体が現地に到着した際、それまで勤務していた女性職員は「直ちに持ち場を離れるよう告げられ」、男性職員と交代させられたという。
ダヴォワーヌ氏はこれに強い怒りを示し、「これは女性従業員にとって、働く権利を踏みにじられるだけでなく、屈辱でもある。到底受け入れられることではない」と述べた。
これを受け、労組は直ちにストライキに入り、経営陣に対して公の場での説明と対話を求めるとともに、今後同様の差別が二度と起きないことを保証するよう要求した。
運営会社側はその後、同団体から「女性との接触を制限する」よう求められ、その条件を受け入れていたことを認めた。その上で、こうした対応は会社の価値観や男女平等の原則に完全に反するものであり、受け入れるべきではなかったとの認識を示した。
SETEのアリエル・ヴェイユ(Ariel Weil)会長も、こうした対応は容認できないと改めて強調し、エッフェル塔はフランス共和国の価値観と男女平等の原則を堅持すると述べた。
政界でも党派超えて批判「文化が男女平等に優先してはならない」
この問題はSNSでも急速に拡散し、単なる労使問題からフランス国内で広く議論される問題へと発展した。
パリのエマニュエル・グレゴワール(Emmanuel Grégoire)市長はX(旧ツイッター)で職員への支持を表明し、「男女平等は史跡の入り口で立ち止まってはならない。この街のどんな場所でも同じだ」と投稿した。

この問題をめぐっては、フランス政界でも党派を超えて批判の声が相次いだ。前首相のガブリエル・アタル(Gabriel Attal)氏は、「フランスにおいて、いかなる文化や信仰、いかなる人物であっても、女性がどこに立つべきかを決めることはできない」と強調した。
国民議会議長のヤエル・ブラウン=ピヴェ(Yaël Braun-Pivet)氏も、外国からの訪問者の要望に応じるため、女性に身を引くよう求めることは受け入れられないと明言した。
自らの訪問をきっかけに大きな波紋が広がったことを受け、BAPS側はXで正式な声明を発表した。同団体によると、今回の訪問はエッフェル塔側と事前に調整しており、他の観光客への影響を避けるため、開館直後の時間帯を選んだものだったという。
その上で、「ご迷惑とご不快をおかけしたことを深くお詫びする」と謝罪した。同団体はまた、自らが「相互の尊重と奉仕」という普遍的な価値を信条としていると説明し、今回の問題については「誤解があった」との認識を示した。
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編集:梅木奈実













































