円相場の上昇基調が続く中、来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が強まっており、通常の0.25ポイント(25bp)幅にとどまらず、「一気に0.5ポイント(50bp)の利上げ」も排除できないとの見方が浮上している。円は8日の取引で一時1ドル=152円台まで上昇し、今年2月以来の高値を更新した。今月に入ってからの対ドル上昇率は4%を超え、G10通貨で最大の上昇率となっている。
市場関係者は、円キャリートレードの巻き戻しがさらに進めば、変動が株式、債券、新興国市場にも波及し、日本が世界的な市場混乱の震源地になりかねないとみている。
片山さつき財務相は8日、日本政府の為替に対する立場に変化はなく、ベッセント米財務長官と緊密に連携しながら、外国為替市場の秩序維持に努めると述べた。
市場は25bp利上げを中心に織り込む 50bpの可能性も議論に
日銀は9月17、18日に金融政策決定会合を開く。市場の中心的な予想は依然として0.25ポイント(25bp)の利上げで、政策金利を現行の1%から1.25%に引き上げるというものだ。しかし今問われているのは、日銀が一気に0.5ポイント(50bp)の利上げに踏み切る可能性があるかどうかだ。
日銀が一度に0.5ポイントの利上げに踏み切ったのは、1989年の資産バブル絶頂期にまでさかのぼる。あれから37年が経ち、日本経済は当時の高インフレや資産価格の過熱を伴う環境とは大きく異なる。それでも市場で「50bp利上げ」が話題に上るのは、日銀がインフレリスクへの対応をより急ぐ必要があると判断し始めたかどうかを見極めようとしているためだ。
ロイターは事情に詳しい関係者の話として、日銀は現時点で、9月に通常より大幅な0.5ポイントの利上げに踏み切る意欲は乏しいと報じた。主な理由は、足元で価格上昇圧力は高まっているものの、急いで金融引き締めを加速させるほどの水準には至っていないこと、そして一気に50bpの利上げに踏み切れば、長らく超低金利環境に置かれてきた企業や家計に大きな衝撃を与えかねないことにある。
日銀は2024年に利上げ局面に入って以降、基本的に1回当たり0.25ポイントの緩やかなペースで調整を続け、これまでに5回の利上げを実施した。市場では、利上げの頻度が四半期に1回程度まで高まるとの見方も出ているが、これは日銀が一度に50bpの利上げを選ぶことを意味するわけではない。
インフレ・賃金・円相場 三つの要因が利上げ圧力を強める
日本政府が8日に発表した今年4~6月期のGDP改定値は、速報値から上方修正された。一方、7月の名目賃金の伸びは約30年ぶりの高水準となり、労働市場の逼迫が続いていることを示した。加えて、これまでの円安が輸入コストを押し上げてきたことや、中東情勢によるエネルギー価格の上昇も、国内のインフレ圧力をさらに強める可能性がある。 (関連記事: 円急伸、キャリートレード巻き戻し加速 日銀「3会合連続利上げ」の極端シナリオも | 関連記事をもっと読む )
とりわけ原油価格が最近再び上昇しており、エネルギー価格の上昇は日本の輸入コストを押し上げるだけでなく、世界各国の中央銀行にとってもインフレ圧力の増大要因となっている。こうした要因が重なり、市場では日銀が利上げ局面を容易には終えないとの見方が一段と強まっている。













































