ネット上で近ごろ、中国が建設する「金厦大橋」が開通すれば両岸(中台)が直結するとの動画が拡散し、「中国の厦門から車でわずか数十分で台湾の金門に到着できる」とする内容が大きな関心を集めている。
これについて台湾ファクトチェックセンターが検証したところ、「金厦大橋」の開通とは「厦門段」の開通を指し、その役割は厦門の二つの島を結び、国際空港へアクセスするためのもので、金門へ直接つながるものではないことが分かった。
動画で伝えられている「両岸がまもなく直結する」「厦門から金門まで数十分」といった主張はいずれも中国側の一方的な構想であり、実現していない。
厦門から車で金門へ直行? 同じ台詞を使った複数の動画が拡散
近ごろSNS上では、中国が海上に建設中の「金厦大橋」によって両岸がまもなく直結し、厦門から車でわずか数十分で金門に到着できるとする動画が拡散している。
動画には複数のバージョンがあり、語り手は異なるものの、いずれも同じ台詞が使われている。例えば冒頭では、「米国もこれには黙っていられず、慌てふためいている。台湾はまもなく大陸と直結する」といった内容が語られ、「厦門から車で金門へ直行するのは、もはや遠い夢ではない」との表現も共通して登場し、ネット上で話題となった。
これについて台湾ファクトチェックセンターは、金門と厦門の間に橋を架ける構想自体は以前から存在していると説明する。
金門県は2006年に評価報告書をまとめ、金門県の五龍山から中国・厦門の大嶝島へ接続する案を示し、3つのルートを提示していた。ただし、この計画は構想にとどまり、その後は具体的に進められなかった。
一方、近ごろ話題になっている「金厦大橋」は中国側が提起した計画で、2019年に初期案が発表され、2023年に着工した。

金門段は未着工 衛星画像で確認できるのは厦門側の橋梁のみ
台湾ファクトチェックセンターによると、「金厦大橋」は二つの区間に分けて計画されている。
一つは厦門本島から大嶝島までを結ぶ「厦門段」、もう一つは大嶝島から金門県までを結ぶ「金門段」だ。
しかし台湾政府は、金厦大橋には統一戦線工作(統戦)の狙いがあるとみて計画に同意しておらず、金門県側と接続する「金門段」も着工されていない。
台湾ファクトチェックセンターは、中国が建設している「金厦大橋」は「厦門段」に限られ、その主な役割は大嶝島にある翔安国際空港へのアクセスを担うことにあると指摘する。
最近伝えられている「2026年に本線が開通する」との情報も、厦門島から大嶝島までの橋を指すもので、金門への接続を意味するものではない。
オープンソースの衛星画像サービス「Copernicus」で8月5日の衛星写真を確認すると、「厦門段」の橋梁はすでに形になっている一方、大嶝島と金門県の間では海上工事を確認することはできない。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
編集:佐藤 (関連記事: 『進撃の巨人』の「壁」から読み解く戦争の歴史 台湾・金門と馬祖の軍事要塞はなぜ造られたか | 関連記事をもっと読む )

















































