米政府高官は9月7日、ホルムズ海峡は現在「完全に開放され、米海軍の管理下にある」と述べ、テヘランがペルシャ湾に新たな航行禁止区域を設けると威嚇し、この戦略的水路への影響力を取り戻そうとする動きに真っ向から対抗する姿勢を示した。
この高官はアルジャジーラに対し、この評価は、米海軍が数カ月にわたり実施した、イランが敷設した機雷の除去作戦を終えた後に導き出されたものだと説明した。ワシントンは今後、同水路の航行量がさらに増加すると見込んでおり、現在ホルムズ海峡を通過する石油・天然ガスの量にも満足しているという。
イラン、新たな航行禁止区域の設置を表明
この声明が発表される前日の9月6日、イラン最高国家安全保障会議のモフセン・レザイ書記は、テヘランがいわゆる新たな航行禁止区域を設けると発表した。同氏によると、この区域は米海軍の封鎖線から始まり、ホルムズ海峡を含み、ペルシャ湾の反対側まで及ぶという。
レザイ氏は「今後数日から数週間のうちに、ホルムズ海峡の外側に航行制限区域を設けると発表する。範囲は米海軍の封鎖線から始まり、ホルムズ海峡を含み、ペルシャ湾の反対側まで及ぶ」と述べた。
また、ホルムズ海峡を通過してこの区域に入ろうとする船舶はすべてイランの制裁リストに加えられると指摘したが、テヘランがこうした制限をどのように実行するのかについては詳細を説明しなかった。
9月7日、レザイ氏はさらに威嚇を強め、計画中の航行禁止区域をワシントンによる経済的圧力への報復と明確に位置付けた。
同氏はXに「ここ数日、ワシントンはイランの新型ミサイルによる明確な警告を受け取った。経済戦争には、ペルシャ湾全域から封鎖周辺に及ぶ海上の航行禁止区域をもって応じる」と投稿した。
さらに、「米軍艦と基地に対する作戦態勢は根本的に見直された」と述べた。
イランが威嚇を強める一方、米国はイラン周辺の海上交通に対する統制を強化し続けると同時に、ホルムズ海峡を通過する商船の保護にもあたっている。
米高官「封鎖作戦に米軍艦約20隻」
米中央軍(CENTCOM)は9月7日、ワシントンが7月中旬にイラン港湾に対する海上封鎖を再開して以来、米軍はこれまでに商船94隻に進路変更を指示し、3隻を航行不能にし、2隻に乗船して検査を実施したと明らかにした。進路変更を指示した船舶数は前日から2隻増えた。
米政府高官によると、現在、この封鎖作戦には米軍艦約20隻が参加している。
同氏は、制裁と海上封鎖の強化を組み合わせたワシントンのより広範な経済的圧力によって、イラン経済は「徹底的に」打撃を受けていると述べた。また、この封鎖を「史上最も成功した封鎖」と表現した。
英紙フィナンシャル・タイムズが9月6日に報じたところによると、米海軍特殊部隊SEALsと潜水員は約4カ月をかけ、主に夜間にこの任務を遂行した。
無人艇、水中航走体、ソナー技術を使って機雷の位置を特定し、破壊したという。国際海事機関(IMO)の推計では、この水路には一時、約80個の機雷が敷設されていた。
この報道は、米中央軍司令官のブラッド・クーパー大将が先月末に発表した成果について、さらに詳細を伝えるものだ。
クーパー大将は当時、イラン革命防衛隊が数カ月前に敷設した機雷がホルムズ海峡の国際航路から除去されたと述べ、これを「重要な節目」と表現していた。
湾岸地域からのエネルギー輸送、ホルムズ海峡で回復
クーパー大将は、この作業は海軍の潜水員、SEALs、米軍の航空戦力によって数カ月にわたり「緻密かつ静かに」進められたと説明した。
「状況は極めて困難で危険だったが、我々は任務を完遂した」と述べ、「今日、国際航路は開放され、動きが加速している」と強調した。
トランプ米大統領は数日前、海軍がホルムズ海峡の国際水域にあったすべての機雷を除去または爆破処理したと発表し、再び機雷を敷設しようとするイランの船舶については「即座かつ組織的に破壊する」と警告した。
その後、米当局者らはこの成果を「大きな転換点」と表現し、テヘランが世界のエネルギー市場に対して持っていた主要な交渉材料の一つを失ったとの見方を示した。
当時、ある米当局者は「イラン側は海峡に対する統制力を失った。今やそれを掌握しているのは米国だ」と述べた。
イランが船舶への攻撃や威嚇を続けているにもかかわらず、米国の保護下で、湾岸地域からの石油・天然ガス輸送は相当程度回復している。
クリス・ライト米エネルギー長官は9月6日、現在ホルムズ海峡を通過する石油は1日当たり約900万バレルに上ると述べた。
域内のパイプラインで輸送される分を加えると、全体の流通量は紛争前の水準の「3分の2か、それ以上」にまで回復しているとの見方を示した。
これに対し、イラン当局者は米国の軍事的・経済的権益を標的とする、より明確な威嚇で応じている。
イラン、オマーンとのホルムズ海峡共同管理を模索
イランのマジド・イブン・レザ国防相代行は9月7日、テヘランは封鎖に参加する米軍艦を攻撃する技術を保有しているとして、イランには米海軍を脅かす能力がないとの見方を否定した。
同氏はイラン国営テレビに対し、「米国人は、我が国の人々に対する経済封鎖に参加している軍艦を攻撃する能力も技術も我々にはないと考えている。アッラーの思し召しがあれば、結果を目にすることになるだろう」と語った。
同氏は9月7日、「話は単純だ。この地域の石油・天然ガス生産網は巨大で、近づきやすく、露出している。これらの海域や施設で操業する米国の石油・天然ガス企業も同様に危険にさらされている。我々の資産を攻撃すれば、反撃を受けることになる」と投稿した。
イランは同時に、オマーンとの間でホルムズ海峡の航行を共同管理する新たな枠組みの構築も模索している。
両国が共同管理回廊の実現に向けて前進していると繰り返し主張し、この水路の通航をめぐる意思決定に自国の関与を残そうとしている。
ワシントン「ホルムズ海峡は米海軍の管理下」
しかし、米紙ニューヨーク・ポストが先週報じたところによると、オマーンは商船から共同でサービス料を徴収するというイラン側の提案を水面下で拒否したという。
これにより、両国が海峡の収益分配で合意に達したとするテヘランの先の主張は説得力を弱めた。
現時点で、テヘランによる新たな海上の航行禁止区域設置という威嚇は、ますます不利な現実に直面している。
国際的に認められた航路からはイランの機雷がすでに除去され、米国の保護下でホルムズ海峡を通過する湾岸地域からのエネルギー輸送は増加を続けている。一方、イラン自身の海上貿易に対する米国の封鎖はさらに強化されている。
ワシントンが9月7日に発したメッセージは極めて明確だった。ホルムズ海峡は「完全に開放され、米海軍の管理下にある」。