トランプ氏、オマーンに「爆撃する」と警告 イランとのホルムズ海峡協議に不満

ニューヨークで開かれた共和党の選挙集会に出席したトランプ大統領。(AP通信)
ニューヨークで開かれた共和党の選挙集会に出席したトランプ大統領。(AP通信)

60日間にわたる米国とイランの停戦は期限を迎えたが、双方は現在も外交上の突破口を見出していない。米国の元駐オマーン大使、マーク・シーバース氏は18日、米経済専門チャンネル、CNBCのインタビューに応じ、米国とイランの外交交渉はすでに暗礁に乗り上げていると指摘。さらに、ドナルド・トランプ米大統領がこれまで追求してきた外交的解決策について、同氏は外交の専門家として「実現の可能性は全くない」と切り捨てた。

交渉期限の到来に伴い、中東海域における緊張が再び高まっている。英海軍の英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は、先ごろホルムズ海峡を航行していた貨物船の機関室にミサイルが命中し、乗組員に死傷者が出たことを確認。残りの乗組員は現在、オマーン沿岸警備隊の支援を受けて避難中だという。

交渉決裂を受け、トランプ氏は停戦協定の延長を明確に拒否した。同氏はホワイトハウスの大統領執務室で、「イランには、私が必要と考える合意に達しようとする意思が全くない」と述べた。さらにトランプ氏は突如、同盟国にも矛先を向け、ホルムズ海峡の航行再開に向けた米国の取り組みを妨害するのであれば、オマーンへの爆撃も辞さないと警告を発した。

海運システムがホルムズ海峡における船舶の運航状況をリアルタイムで監視している。(AP通信)
海運システムがホルムズ海峡における船舶の運航状況をリアルタイムで監視している。(AP通信)

この強硬な発言の裏には、先日、外電が報じた情報が大きく関係している。イランのアッバース・アラグチ外相は、ホルムズ海峡の出口に位置するオマーンと、同海峡における新たな航路の開設に向けて積極的に協議していることを認めた。この事実が表面化したことで、米国政府はオマーンが水面下でイランと結託しているとみなし、強い不満を抱いている。

世界の船舶情報を提供するケプラー(Kpler)社のデータによると、ホルムズ海峡における商業航行は事実上、まひ状態にあり、リスクを冒して同海峡を通過する船舶は1日わずか3隻にとどまっている。紛争前、世界の原油・天然ガス輸送量の約5分の1を担っていたこの重要航路は、今年2月以降、米イラン対立の主戦場と化し、世界のエネルギー輸送を極めて困難な状況に陥らせている。

2016年から2019年まで米国の駐オマーン米大使を務めたシーバース氏は、トランプ氏によるオマーンへのミサイル攻撃や爆撃を示唆する発言は、世間の関心を引きつけるためのパフォーマンス的側面が強いものの、同時にオマーン側がホワイトハウスに対する信頼をすでに喪失している現状を如実に反映していると指摘した。

2026年6月16日、ホルムズ海峡とアラビア海を結ぶ航路上のオマーン湾に停泊するタンカーや貨物船。(AP通信)
2026年6月16日、ホルムズ海峡とアラビア海を結ぶ航路上のオマーン湾に停泊するタンカーや貨物船。(AP通信)

また、シーバース氏は「米中央軍(CENTCOM)とオマーンは長期にわたる協力関係を築いており、同国は自国の港湾を米軍艦艇の寄港地として提供し続けてきた。米国防総省(ペンタゴン)がオマーンに空爆を仕掛けるとは考えにくいが、オマーンが独断でイランとの交渉ルートを構築したことに対し、ホワイトハウスが極度の苛立ちと怒りを感じているのは明らかだ」と語った。

交渉決裂や海峡での襲撃事件の影響を受け、国際原油価格は上昇を続けており、北海ブレント原油は1バレル当たり91.12ドル、ニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTI原油も1バレル当たり85.02ドルまで高騰している。

編集:平松靖史

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