アラブ首長国連邦(UAE)のドバイからイスラエルのテルアビブに向かって飛行していたフライドバイ機の操縦室内で刺傷事件が発生したもようだ。今回の事件で操縦士2人が負傷し、旅客機はわずか数分間で上空から約2万フィート(約6096メートル)も急降下した。同機はその後、サウジアラビアに緊急着陸しており、イスラエル当局は現在、テロ攻撃の可能性も視野に調査を進めている。
航空機追跡サイト「フライトレーダー24」のデータによると、150人余りの乗客を乗せたフライドバイ機は、激しい急降下を経験した後、徐々に安定を取り戻した。制御不能の危機に陥る中、乗務員は極めて異例のトランスポンダコード「7500」を発信した。国際民間航空機関(ICAO)の規定によると、このコードは「不法妨害行為」や「ハイジャック」が発生した際に使用されるものだ。
英ロイター通信の最新報道によれば、事件の発端は操縦室内部での暴力行為にあり、副操縦士が突如ナイフで機長を襲撃し、機長が負傷して一時的に操縦不能に陥ったという。また、イスラエルメディアが目撃した乗客の話として伝えたところによると、機内に悲鳴が響き渡り、異変に気づいた複数の乗客が操縦室に突入して容疑者の取り押さえに協力したことで、大惨事の発生を防ぐことができたとされている。
関係者によれば、同便には約100人のイスラエル人が搭乗していた。現在、捜査当局は副操縦士が故意に機体を墜落させようとした「テロ攻撃」の疑いで調査を進めている。UAEとイスラエルを結ぶ路線であり、さらにサウジアラビア領空を通過するという敏感な地政学的背景があることから、イスラエルの国家安全保障当局および軍は警戒を強めている。

機長負傷で上空から2万フィート急降下
着陸したサウジアラビアの空港の運営会社、クラスター2は、同機が最終的にサウジアラビア北西部の都市、タブーク(Tabuk)にある同空港に緊急着陸したことを認めた。公式声明によると、機長と副操縦士の2人はいずれも重傷を負っており、着陸後直ちに現地の病院へ搬送され、治療を受けているという。
「当時の状況は非常に緊迫しており、機内には悲鳴が響いていた。乗客たちが大惨事になると感じた直後、機体全体が激しく左右に揺れ始めた。後に機長が刺され、一時的に操縦不能に陥っていたことを知った。現場にいた一部の乗客のシャツには鮮血がべったりと付着していた」
飛行軌跡データによると、同便は離陸から2時間が経過し、サウジアラビア領空を飛行していた際、わずか数分間で高度3万4000フィートから1万5000フィートへと急降下し、さらに激しい急上昇と急降下を繰り返した。乗務員は当初、機材トラブルや医療上の緊急事態を示すコード「7700」を発信したが、その後速やかにハイジャックの危機を示す「7500」に切り替えたという。

フライドバイの広報担当者も海外メディアに対し、ドバイ国際空港からテルアビブのベン・グリオン国際空港に向かう予定だった同便が、「飛行中に突発的な事態に遭遇した」と認めた。
イスラエル軍機が緊急発進で警戒態勢
今回のハイジャックの可能性を示唆する報告は、イスラエルの安全保障および政府機関に衝撃を与えている。イスラエル国防軍(IDF)のエヤル・ザミル参謀総長は政府高官らと緊急会議を開き、空中における潜在的な脅威を排除するため、直ちに複数の戦闘機を緊急発進(スクランブル)させ、警戒に当たらせた。イスラエル首相府は、同国のベンヤミン・ネタニヤフ首相が事態の推移を注視していると明らかにした上で、「事態はすでに収束しており、当局はすべてのイスラエル人乗客が安全に帰国できるよう、あらゆる必要な措置を講じている」とコメントした。
タブーク空港に降り立った乗客らによると、イスラエルとサウジアラビア間に正式な国交はないものの、現地当局から適切な保護を受けており、現在退避の手配を待っている状態だという。一方で、イスラエル右派の閣僚は強硬な姿勢を示しており、イスラエルのイタマル・ベングビール国家安全保障相は、国家の安全保障政策を「次の段階」へと引き上げるよう要求している。
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編集:平松靖史















































