【深層分析】トランプはなぜイラン戦争を終えられないのか ミアシャイマー氏が見るイスラエル・ロビーの影

2026年3月13日、インドネシアのジャカルタにある米国大使館前で行われた「アル・クドゥスの日(エルサレムの日)」の集会。米国とイスラエルの国旗、米大統領・トランプ氏およびイスラエル首相・ネタニヤフ氏の写真を踏みつける抗議者ら。(写真/AP通信提供)
2026年3月13日、インドネシアのジャカルタにある米国大使館前で行われた「アル・クドゥスの日(エルサレムの日)」の集会。米国とイスラエルの国旗、米大統領・トランプ氏およびイスラエル首相・ネタニヤフ氏の写真を踏みつける抗議者ら。(写真/AP通信提供)

米国とイスラエルが今年2月末、共同でイランへの軍事攻撃に踏み切ってから、すでに2カ月余りが過ぎた。当初は「96時間で終わる」とまで語られた斬首作戦だったが、現実には米国を深い地政学的泥沼へと引きずり込んでいる。トランプ米大統領が期待した政権交代も、決定的勝利も、いまのところ本人の発信の中にしか見当たらない。停戦合意は崩壊寸前にあり、和平交渉は行き詰まり、ホルムズ海峡の封鎖解除も進まない。共和党内やMAGA支持層の一部からさえ、この戦争そのものへの疑問が出始めている。

こうした状況について、国際関係論の現実主義で知られるシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、トランプ政権がここまで追い込まれたのは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に引きずられ、戦争の主導権を失ったからだとみている。教授の比喩は印象的だ。いまのトランプ氏は、氷山へ向かって進むタイタニック号の船長のようなものだという。本来なら直ちに針路を切り、危険から離脱しなければならない。だが、イスラエルとワシントンのロビー勢力が、それを容易に許さない。これがミアシャイマー氏の見立てである。

イスラマバード交渉に落ちていた「イスラエルの影」

​4月中旬、パキスタンの首都イスラマバードでは、米国とイランの停戦交渉が国際的な注目を集めた。表向きには、戦火拡大を食い止めるための外交努力に見えた。しかしミアシャイマー氏は、先日出演したポッドキャスト番組の中で、この交渉自体が最初からイスラエルの影に覆われていたと語っている。

同氏が名指ししたのは、J・D・バンス米副大統領の背後にいたジャレッド・クシュナー氏とスティーブン・ウィトコフ氏だ。ミアシャイマー氏は、この2人を「熱烈なシオニズム支持者」と位置づけ、実質的にイスラエルの意向を強く反映する人物だとみなしている。教授によれば、彼らがその場にいたのは、バンス氏を事実上「見張る」ためだった。

しかも、2028年大統領選を見据えるバンス氏やマルコ・ルビオ氏は、米政界で有力候補として残るには、イスラエル・ロビーの意向を無視できないことを十分理解している。そうであれば、交渉の場に入ったバンス氏は、自らの裁量で妥協を探る立場ではなく、イスラエルが支持する最大限の要求を伝える「伝達役」になりやすい。ミアシャイマー氏は、そこに交渉が最初から行き詰まる構造を見ている。

実際、ネタニヤフ首相自身も、米副大統領が機中から電話をかけ、交渉の進展を詳細に報告してきたと公言している。ミアシャイマー氏の見方をそのまま受け取るかどうかは別としても、少なくともイスラエル側が米国の対イラン交渉に極めて密接に関与していたことを示す場面ではあった。

「10項目案」から「15項目案」へ、米国の急旋回

ミアシャイマー氏によれば、トランプ氏は当初、泥沼化する戦況と、世界経済が被りかねない深刻な打撃を前に、比較的現実的な対応を取ろうとしていた。イラン側が示した「10項目案」を交渉の土台として受け入れる方向だったという。

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