ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席は、国家主席再任からわずか1週間後の4月14日から17日にかけて中国を公式訪問し、北京で中国の習近平国家主席と首脳会談を行った。今回の訪中は、ラム氏にとって国家主席再任後初の外遊に当たり、ベトナム指導部が対中関係を重視している姿勢を内外に示す形となった。
首脳会談で「一方主義」と保護主義への反対を確認
海外メディアの分析によると、今回の会談で両者は、米国のトランプ大統領が相互関税を推進し、世界的に貿易面に対する懸念が高まる状況を踏まえ、一国主義や保護貿易主義に反対する立場を強調。グローバルなサプライチェーンの安定維持に向けて協力する意向を示した。
協力の方向性については、双方が重視した項目は以下の通り:
- 習氏:インフラの相互接続を深め、人工知能(AI)、半導体、モノのインターネット(IoT)といった新興分野での協力拡大を提案。
- ラム氏:二国間の経済・貿易関係を単なる貿易の往来から、より深い次元の経済統合へと発展させるべきだと主張。
- 双方:社会主義体制と共産党による政権を維持することで一致し、これを双方にとって最大の共通利益と位置づけた。
また両首脳は、社会主義体制と共産党による統治の維持を双方にとって最大の共通利益と位置づけた。習氏は、こうした体制の共有こそが両国を結ぶ制度面で最も根本的な共通基盤だと強調。ラム氏も、ベトナムは対中関係を外交戦略上の優先事項とみなしていると改めて表明し、「一つの中国」政策を堅持する姿勢を示した。

複数分野で協力文書に署名 「中越観光協力年」も開始へ
会談後、両国は幅広い分野にまたがる協力文書に署名した。対象には、党務交流、公安・司法分野の協力、産業サプライチェーンの連携などが含まれる。
あわせて両国は、「中越観光協力年」の開始も発表した。今後、観光を含む人的往来が一段と促進されることが予想される。
貿易面では、ベトナムは長年にわたり、中国にとって東南アジア諸国連合(ASEAN)内で最大の貿易相手国となっている。一方、中国はベトナムにとって最大の輸入先だ。ただ、2026年第1四半期のベトナムの対中貿易赤字は333億ドルに拡大しており、両国の経済関係における構造的な不均衡はなお解消されていない。
越境鉄道の相互接続を計画
今回の訪問では、インフラの相互接続も大きなテーマとなった。ラム氏は滞在中、中国の高速鉄道に2度乗車しており、中国の鉄道技術を実地に視察する狙いがあったとの見方が出ている。
中越双方は、越境鉄道の相互接続計画を加速させる方針について協議した。対象には、ラオカイ―ハイフォン線を含む3本の越境鉄道計画が含まれ、人材育成に関する覚書も交わされた。
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注目すべきは、ベトナムが最近始動させたハノイ―クアンニン間の高速鉄道計画では、中国案ではなくドイツ企業の参画を選択した。この判断は中国国内でも一定の関心を呼び、議論の対象となっている。



















































