米連邦最高裁判所が米大統領・トランプ氏による追加関税政策を違法と判断したことを受け、米税関・国境警備局(CBP)はこのほど、早ければ4月20日にも関税返還システム「CAPE」を本格稼働させると発表した。影響を受けた輸入業者に対し、最大1660億ドルに上る関税が返還される見通しだ。
英ロイター通信の報道によると、このかつてない規模の返還は、最高裁が2月に下した判決に起因している。最高裁の判事らは、トランプ氏と政権幹部らが1977年制定の「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を乱用したと認定した。同法は本来、国家が緊急事態に直面した際に適用されるものであり、大統領に大規模かつ世界的な関税引き上げの権限を与えるものではないと指摘している。
CBP幹部のブランドン・ロード氏は、米国際貿易裁判所(CIT)に提出した文書の中で、返還システムの第1段階がすでに開発完了していることを明らかにした。統計によると、今回の返還手続きは輸入業者33万社以上、さらに5300万件に及ぶ海上輸送および貨物通関記録が対象となる。

新システム「CAPE」導入へ:一括返還、利子付与の可能性も
膨大な事務的負担に対応するため、CBPは「CAPE」と呼ばれる返還システムを新たに開発した。従来のような1件ごとの煩雑な処理とは異なり、CAPEでは同一輸入業者の名義にあるすべての返還金を統合し、1回の電子送金で支給を完了させる。さらに、適用要件を満たす場合は、利子を上乗せして支払われる可能性もあるという。
公式データによると、4月9日時点で輸入業者5万6497社がすでに電子返還を受け取るための準備手続きを終えており、対象金額は1270億ドルに達している。
一方で、関税返還を申請したすべての企業が、電子システムを通じて円滑に資金を回収できるわけではない。ロード氏は裁判所への提出文書で、約29億ドルに相当する「特定の通関項目」については、依然として手作業による処理が必要となる可能性があると指摘している。

この手作業による対応は税関側の業務負担を大幅に増加させ、返還スケジュールの遅延を招く恐れがある。
こうした事態を受け、多くの中小規模の輸入業者の間では、返還申請に伴う法的・事務的コストが、最終的に実質として受け取る返還額をはるかに上回るのではないかとの懸念が広がっている。長期にわたる法廷闘争や事務手続きに対応するため、一部の企業は返還を待つ間の資金枯渇をしのぐべく、追加の資金調達を余儀なくされる事態に追い込まれている。
トランプ氏、新たな「世界的暫定関税」を発動へ
司法からの痛手を受けたものの、トランプ氏は依然として関税戦略を放棄する構えを見せていない。最高裁の判決後、トランプ氏は司法制度を公然と批判する一方で、側近を通じて速やかに新たな法的根拠を見出し、「新型の世界的暫定関税」を宣言した。しかし、この新たな関税政策を巡り、先の解放日関税と同様に多方面からの法的措置による異議申し立てに直面している。
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編集:佐野華美













































