【揭仲コラム】米イラン交渉への介入を図る中国、その背後にある戦略的思惑

米イラン交渉に介入する中国独自の思惑。写真は昨年、韓国・釜山で会談した米大統領・トランプ氏(左)と中国国家主席・習近平氏(写真/AP通信提供)
米イラン交渉に介入する中国独自の思惑。写真は昨年、韓国・釜山で会談した米大統領・トランプ氏(左)と中国国家主席・習近平氏(写真/AP通信提供)

2月28日に勃発したイラン紛争は、すでに約50日が経過した。米国とイスラエルによる合同軍事作戦は、50人を超えるイラン政府高官の殺害に成功し、イランの軍事力に大打撃を与えた。しかし、米国が開戦の核心的目標として掲げる「イランの核兵器取得の永久的放棄」および「ホルムズ海峡の海上輸送妨害の停止」は依然として達成されていない。さらに、イラン側の度重なる攻撃によって同海峡は事実上の封鎖状態に陥り、世界経済に極めて深刻な打撃を与えている。

米国のトランプ政権が膠着状態に陥る中、これまで事態を静観するとみられていた中国が、各国の予想を裏切る異例の外交的仲介に乗り出した。中国はパキスタンと連携してイラン側から米国との対話への合意を取り付けた。米大統領・トランプ氏も「中国がイランにこの決定的な一歩を踏み出させた」と公に称賛している。さらに米ホワイトハウス高官によれば、米中両政府の「最高レベル」で停戦案に向けた協議が行われたことが明らかになった。

中国が米イラン交渉を仲介した背景には、ホルムズ海峡の長期的封鎖が自国のサプライチェーンやハイテク産業に悪影響を及ぼすことへの懸念がある。同時に、決定的な局面で調停者を演じることで、国際社会、特に欧米諸国における自国のイメージを再構築する狙いが透けて見える。さらに、5月14日から15日にかけて予定されているトランプ氏の北京国賓訪問を前に、米中関係を効果的に緩和し、自らの外交カードを増やす思惑もある。一連の動きは全体的な外交戦略の観点だけでなく、国際的な「反台湾独立」の枠組みを構築・強化し、米前大統領・バイデン氏の政権下で直面した国際社会における反台湾独立闘争での劣勢を挽回することにも寄与している。

ホルムズ海峡の長期的封鎖は中国の不利益に

中国は2026年の初頭時点で、14億バレル(約1億9000万トン)の石油備蓄を確保しており、輸入が完全に途絶えた場合でも6〜7カ月は持ちこたえることが可能だ。開戦後もイランから日量約180万バレルの石油を継続的に輸入している。さらに一部の報道では、米国が4月13日以降にホルムズ海峡の封鎖を開始したとしても、イランはペルシャ湾外の海域にすでに船積みされた約1億6000万バレルの石油を保有しているため、7月中旬までは顧客への供給を維持できると指摘している。その大半は中国のバイヤーへ引き渡される予定である。

一見すると、中国はホルムズ海峡の海上封鎖による影響を過度に懸念する必要はないように思えるが、実態は異なる。とりわけ、中国のハイテク産業の発展に不可欠なヘリウムガスの供給において深刻なリスクを抱えている。 (関連記事: イランがホルムズ海峡を再開放 原油価格急落、米株先物は上昇 関連記事をもっと読む

ヘリウムガスは半導体、工業製造、医療画像診断における重要な原材料であり、中国を含むアジア諸国は中東からの輸入に大きく依存している。中でも半導体産業に不可欠な高純度ヘリウム(6N)への依存度は高い。現在、中国は世界第2位のヘリウム消費国となっており、量子コンピューターや半導体チップ、レーザー光源などの開発にヘリウムは欠かせない。

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