台湾では全土の外国人労働者の数が86万人を突破する中、早ければ今年中にも第1陣となるインド人労働者の受け入れが実現する見通しとなる一方で、議論が活発化している。
労働部は13日に声明を出し、インド人労働者の受け入れが実現するか否かは「企業のニーズ」と「インド側の実施能力」という2つの大前提に基づくと強調。これらの原則が満たされない限り、具体的なタイムテーブルは存在しないと説明した。
一方、最大野党・国民党の呉宗憲(ご・そうけん)立法委員(国会議員に相当)は15日、自身のフェイスブックで「外国人労働者の10人に1人が行方をくらましているにもかかわらず、民進党政権はインド人労働者の受け入れを強行するのか」と題する文章を投稿。今年2月末時点で失踪した外国人労働者は9万人を突破したと指摘し、現状の管理体制すら不十分なままで(インド人労働者を)大量導入すれば、制度の不備や管理能力の不足の「ツケ」を国民全体で背負うことになると警鐘を鳴らした。
インド人労働者の導入時期と優先産業
台湾とインドは2024年に労働協力覚書(MOU)を締結し、産業界の人手不足を補うための労働力確保を目指している。初期段階では伝統的な製造業への導入が優先される見込みだ。
議論が再燃したきっかけは、今年4月9日、洪申翰(こう・しんかん)労働部長(労働相に相当)が立法院の質疑において「今年中に受け入れる可能性がある」と発言したことで、波紋が広がった。一方、一般市民から公共政策に関するアイデアを募るインターネットプラットフォーム「公共政策網路参与平台」に4月3日、「行政院および労働部に対し、インド人労働者受け入れ計画の即時中止と、国民の治安およびジェンダー平等環境の確保優先を求める」提案が行われ、現在までに4万人以上の賛同を集めている。

外国人労働者の10人に1人が所在不明 監察院が指摘する「5つの欠陥」
呉・立法委員は15日、立法院司法委員会で監察院の職員に質疑を行った後、フェイスブックに「政府の外国人労働者管理は制御不能に陥っている」と批判した。同氏によれば、2023年の時点で監察院は、外国人労働者の失踪は「構造的問題」であると警告を発していたという。
労働部の統計によれば、2026年2月末時点での所在不明(失踪)者数は9万3,305人に達し、その割合は10.20%に及ぶ。これは、「外国人労働者の10人に1人が失踪している」という異常事態を意味する。
また監察院は、日本や韓国、シンガポールが外国人労働者に対して「語学検定」のハードルを設けているのに対し、台湾には基本的な語学力の要件すらないことが管理上のリスクとなっていると指摘している。在宅介護に従事する外国人労働者ですら、言葉が通じないことによる衝突が繰り返され、最終的に逃亡するしかない状況に追い込まれるのが実態だという。 (関連記事: インド人労働者受け入れ巡り署名1万人超 台湾労働部が3項目の対応方針 | 関連記事をもっと読む )
海外では中央政府のハイレベルな部門による一元管理が行われているのに対し、台湾では失踪者の摘発や不法残留などの重圧を、移民署(出入国管理機関)のチームに押し付けていると批判されている。これに加え、監察院は制度上の「5大欠陥」として以下を挙げている。


















































