TSMC、3ナノを日米台で増産へ 次世代A14は28年量産

3ナノプロセスの世界規模での増産を発表したTSMC。写真は南科(台南)のFab 18で生産された3ナノチップ。(写真/柯承恵撮影)
3ナノプロセスの世界規模での増産を発表したTSMC。写真は南科(台南)のFab 18で生産された3ナノチップ。(写真/柯承恵撮影)

AI(人工知能)関連の需要が加速するなか、台湾積体電路製造(TSMC)は16日、決算説明会にて先端プロセスの最新増産ロードマップを公表した。なかでも注目を集めたのは、3nm(ナノメートル)プロセスの世界規模での増産計画だ。

魏哲家(シーシー・ウェイ)会長 兼 CEOは、同社の従来の基本方針として、特定のノードで目標キャパシティに達した後にさらなる増産を行うことは原則としていないと言及。しかし、「プロフェッショナル・ファウンドリとして、顧客のイノベーションを支援するために最先端技術と必要な生産能力を提供することが最優先の責務である」とし、AIアプリの強靭な需要に基づき、資本投資を拡大して3nmの供給能力を引き上げる決断を下したと語った。

台湾、米国、日本で3nmの供給体制を構築

TSMCの計画によれば、各拠点での展開は以下の通りとなる。

  • 台湾(台南):台南科学園区(南科)のクラスターに3nmの新工場を1棟追加する。2027年上期の量産開始を予定。
  • 米国(アリゾナ): 第2工場に3nmプロセスを導入する。建屋の建設はすでに完了しており、2027年下期の量產開始を計画している。
  • 日本(熊本): 第2工場において3nmプロセスを採用する。量産時期は2028年となる見通しだ。

新工場の建設に加え、既存の供給能力の底上げも図る。台湾内の既存の5nm設備を3nm対応へと順次転換するほか、7nm、5nm、3nm間のノードを跨いだ生産能力の最適化(Cross-node optimization)を推進。これにより、全体的な供給能力を最大限に拡大する方針だ。

3nmは「AI時代の汎用コアプロセス」へ

今回の3nm増産は、もはや単一の製品ラインに向けたものではない。TSMCによれば、今後数年間の3nm需要は、スマートフォン、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)、AIアプリに加え、HBM(高帯域メモリ)のロジック・ベース・ダイ、さらには車載用やIoT(モノのインターネット)など多岐にわたる。

つまり、3nmは初期の「フラッグシップ・スマホ向けチップ」という位置づけから、AI時代における複数プラットフォーム共用の核心的プロセスへと進化したといえる。

2nmファミリーの順調な立ち上がり

​2nmプロセス(N2)についても、着実な進展が報告された。N2は2025年第4四半期に良好な歩留まりで量産を開始。現在は新竹および高雄の複数フェーズの工場で順調に生産能力を拡大しており、スマートフォン、HPC、AIアプリからの強い需要がそれを支えている。

同社は、後続のN2PやA16を含めた「2nmファミリー」が、次なる大規模かつ長期的なライフサイクルを持つ主要プラットフォームになると期待を寄せている。
(関連記事: TSMC、魏CEO「ファウンドリーに近道なし」 インテルを強敵視、増産には年単位 関連記事をもっと読む

次世代技術「A14」の詳細公開、2028年量産へ

​今回の説明会では、次世代技術「A14」の進捗についても詳細な説明がなされた。第2世代ナノシート・トランジスタ構造を採用するA14は、N2と比較して、同一消費電力で10〜15%の速度向上、または同一速度で25〜30%の消費電力削減を実現する。また、ロジック密度は約20%向上する見込みだ。

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