インド人労働者受け入れ巡り署名1万人超 台湾労働部が3項目の対応方針

2026-04-16 18:27
労働部長・洪申翰氏は9日、早ければ年内にも第1陣となるインド人労働者を受け入れると表明し、産業界や市民の間に懸念が広がっている。(資料写真、顔麟宇撮影)
労働部長・洪申翰氏は9日、早ければ年内にも第1陣となるインド人労働者を受け入れると表明し、産業界や市民の間に懸念が広がっている。(資料写真、顔麟宇撮影)

台湾とインドは2024年、「台湾・インド労働協力覚書(MOU)」を締結し、第1陣として製造業向けに1,000人のインド人労働者を受け入れることで合意したが、現時点で実際に導入された例はない。これに対し、洪申翰(こう・しんかん)労働部長が9日、立法院(国会)の質疑において「早ければ年内にも第1陣を導入できる」との見通しを示した。この発言を受け、治安悪化や労務管理への懸念が広がり、ネット上でも激しい議論が巻き起こっている。

こうした社会的な動揺に対し、労働部は10日、3項目の声明を発表した。インド人労働者の導入に際しては、「産業界の人材需要」「国民の関心」「関連制度の網羅性」という3つの側面から、十分な評価と厳格な審査を行う方針を示し、国民に理解を求めた。

過去には「性犯罪の島」化を危惧する過激な声も

インド人労働者の導入計画が初めて浮上した2023年当時も、ネット上では議論が紛糾した。一部のネットユーザーからは、導入によって台湾が「性犯罪の島」と化すのではないかという極端な危惧も上がっていた。市民の間では不満が募り、署名活動のみならず、総統府前のケタガラン大道において抗議デモが行われる事態にまで発展していた。

ネット署名プラットフォームで1万人超が賛同 4つの具体的要求

インド人労働者の導入を巡る議論は一時沈静化していたが、今月3日、公共政策ネット参加プラットフォーム「提点子(Join)」において新たな提案がなされた。提案名は「行政院および労働部に対し、インド人労働者導入計画の即時中止と、国民の治安および男女平等の環境確保の優先を求める」というもので、以下の4項目を要求している。

この提案は4月8日に審査を通過し、翌9日に附議段階に入ると、10日夜10時時点で既に1万人を超える賛同者が集まった。

【提案の具体的訴求】

  1. 無期限の導入延期: 労働部に対し、「無犯罪証明書(通称:良民証)」以外に有効な治安リスク管理策が提示されるまで、受け入れを無期限で停止すること。
  2. 専門的な影響評価:警政署(警察庁に相当)および法務部に対し、インドにおける性犯罪の現状と台湾の治安への影響を調査する特別評価を行い、その報告書を完全公開すること。
  3. 厳格な審査メカニズム: 導入を強行する場合、台湾当局主導の心理テストやジェンダー平等意識の考査、在外公館による現地での信用調査を含む、現行の良民証を上回る審査体制を構築すること。
  4. 連帯責任と「サーキットブレーカー」: 送り出し国政府、仲介業者、雇用主の連帯責任を明確化し、導入された労働者が重大な性犯罪を引き起こした場合には、直ちに当該国からの全労働者の受け入れを停止する「熔断(サーキットブレーカー)メカニズム」を設けること。

労働部が3項目の声明で回答「国民は安心してほしい」

こうした国民の懸念を受け、労働部は10日、公式フェイスブック上で3項目の回答を提示し、引き続き国民の意見に耳を傾け、厳格な審査を継続すると表明した。

【労働部の回答要旨】

  • 長期的な目標の堅持: 労働者の権利の充実と、産業界の増大する労働力需要に応えることは、労働部の長期的な職務目標であり、本件もその文脈において慎重に検討・評価されている。
  • 3つの側面からの管理: インド人労働者の導入に際しては、「産業界の人材需要」「国民の懸念」「関連制度の網羅性」という3点から十分な評価と厳格な管理を行う。国民には安心していただきたい。
  • 性急な導入は行わず:具体的なスケジュールについては、上記の評価や管理体制の整備状況に基づいて決定し、決して性急に進めることはない。

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