台湾、インド人労働者の受け入れへ 労働部長「第1陣は年内の可能性」

9日、立法院での質疑応答でインド人労働者問題について語る洪申翰労働部長。(顔麟宇撮影)
9日、立法院での質疑応答でインド人労働者問題について語る洪申翰労働部長。(顔麟宇撮影)

台湾における外国人労働者の総数が80万人を突破する中、台湾とインドは2024年に労働協力に関する覚書(MOU)を締結。産業界の人手不足を補うため、インド人労働者の受け入れを目指すこの動きは、発表当時に波紋を呼んだ。これを受け、台湾労働部は今年(2026年)1月上旬に担当官をインドへ派遣し、現地進出の台湾企業によるインド人雇用の実態や労働市場の状況について調査を行った。

MOU締結からすでに2年以上が経過する中、洪申翰・労働部長(労働相に相当)は9日、立法院(国会)の答弁でインド人労働者の台湾受け入れ時期について「今年中に第1陣を受け入れる可能性がある」との見通しを示した。

電子製造業でインド人労働者の受け入れ望む声

インド人労働者の受け入れを巡り、台湾とインドは2024年2月16日にMOUを締結し、同年11月には第1回「台湾・インド労働協力実務レベル会議」を開催した。同会議では、第1陣として1000人を受け入れること、うち5%を直接雇用枠とするなど、複数の項目で合意に達した。

初期段階では従来型製造業での採用を優先し、インド側と直接雇用に特化した専門窓口を設置する方針だ。一方、インドに進出する台湾企業からは「電子製造業」での受け入れを望む声が上がっている。台湾で働いた人材がインドに帰国する際、そのまま自社幹部として採用したいとの考えが背景にある。ただ、今後の実務会議を定期開催することで両国は合意していたものの、2025年2月末までに予定されていた第2回会議が未だ開かれていない点は、注意する必要がある。

労働部による1月のインド視察と受け入れ時期の展望

今年1月、労働部の陳明仁次長が代表団を率いてインド北東部を訪問し、インド人労働者の海外就労制度に関する調査を行った。台湾の国営通信社、中央通信社(CNA)の報道によると、現地ではすでに台湾での就労を希望する若者300人以上が申請手続きを行っており、製造業への従事が見込まれている。

しかし、実際の受け入れ時期について、労働部は当時「制度や作業プロセス、管理体制に関する双方のさらなる綿密な協議が必要だ」とコメントするにとどめた。こうした中、立法院社会福祉・衛生環境委員会は9日、労働部、経済部(経済産業省に相当)、農業部を集め、「強制労働の防止と公正な採用:台湾の外国人労働者制度と国際人権およびサプライチェーン・ガバナンスへの適合」と題した特別報告および質疑応答を実施した。この場で洪氏が最新の見通しを示した。

インド人300人が台湾での就労に意欲

最大野党・国民党の邱鎮軍立法委員が質疑応答の中で、労働部による1月のインド北東部での直接雇用協議に言及した。邱氏は、現地ではインド人300人が台湾への就労意欲を示しており、インド側も保証金や登録手続きの免除といった優遇措置を提示しているとした上で、「現在の進捗はどうなっているのか。今年中にインド人労働者を受け入れる可能性はあるのか」とただした。

これに対し洪氏は、労働部の視察団がインドで今後の行政手続きなどの詳細について協議したことを認め、実際に300人以上が台湾就労の意向を示していると明言した。ただし、健康診断や書類審査といった具体的な受け入れ手続きにはまだ入っていないという。「年内の受け入れの可能性」については、洪氏は「その可能性はある」と述べ、年内の実現に向け前向きな姿勢を示した。あわせて、当初合意した「直接雇用比率5%以上」の達成を目指す考えを示した。

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