トップ ニュース 米イラン交渉が決裂 トランプ氏、ホルムズ海峡封鎖を表明 原油高と世界経済への影響
米イラン交渉が決裂 トランプ氏、ホルムズ海峡封鎖を表明 原油高と世界経済への影響 2026年3月23日、アラビア湾を航行し、ホルムズ海峡へと向かう船舶。(写真/AP通信提供)
バンス米副大統領が21時間に及ぶマラソン交渉を終え、合意に至らなかったと発表した。1979年のイラン革命以来、最高レベルの直接対決となった今回の会談は、結局のところ平行線に終わり、市場の期待は完全に裏切られた。これを受け、トランプ米大統領は米東部時間13日午前10時より、米海軍がイランの港湾および海岸線を全面的に封鎖すると宣言。世界経済は再び、底知れぬ恐怖と不透明感に包まれている。
交わらぬ主張、米イラン交渉の決裂 双方が妥協不可能な「台本」を持ち寄ったパキスタンでの交渉は、行き止まりに終わる運命だった。米『フォックス・ニュース』によると、米代表団を率いたバンス氏は、これを「最終かつ最善の条件」と自称し、以下の6つのレッドラインを提示した。
ウラン濃縮活動の全面停止 すべての主要核施設の解体 高濃縮ウランの引き渡し 地域の同盟国を含む広範な平和および緊張緩和枠組みの受け入れ ハマス、ヘズボラ、フーシ派などの代理組織への資金援助停止 ホルムズ海峡の全面開放と通行料徴収の禁止 しかし、これらの条件はイラン側が提示した10項目の要求とは、完全に「噛み合わない」ものだった。モハンマド・バーゲル・カリバフ国会議長とアッバス・アラグチ外相率いるイラン代表団は、会談開始前に4つの「交渉不可能な」先決条件を突きつけていた。それは、ホルムズ海峡の完全な主権、米国による戦争賠償の全額支払い、凍結された海外資産の無条件解除、そして西アジア全域での恒久的停戦であり、双方に歩み寄りの余地は皆無だった。
激しさを増す非難合戦 パキスタンでの交渉が決裂した後、双方は直ちに非難合戦を展開した。イランのアラグチ外相は、米国を「極限の圧力をかけ、恣意的にゴールポストを動かしている」と猛烈に批判。47年ぶりとなる最高レベルの集中交渉にイランは善意を持って臨み、「イスラマバード覚書」の締結まであと一歩のところまで迫っていたにもかかわらず、米側の不当な要求に阻まれたと主張した。カリバフ議長は、米国がイラン代表団の信頼を得ることは不可能だと述べ、「近いうちに、ガソリンが1ガロン4〜5ドルだった時代を懐かしむことになるだろう」と挑発的な警告を発した。
一方、バンス氏はイスラマバードを離れる直前の記者会見で、米側はレッドラインを明確に示しており、条件を拒絶したのはイラン側だと強調。「交渉の決裂は、米国にとってよりもイランにとって、間違いなく最悪のニュースになるだろう」と断言した。『フォックス・ニュース』によると、バンス氏に続き、スティーブ・ウィトコフ特使やジャレッド・クシュナー氏ら米交渉チームの全員が、12日までにイスラマバードを撤収した。
トランプ氏による強硬手段 ホルムズ海峡の全面封鎖を宣言 交渉決裂を受け、トランプ大統領は「ちゃぶ台返し」とも言える直接的な強硬手段に転じた。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿および『フォックス・ニュース』の独占インタビューを通じ、ホルムズ海峡を通過してイランへ出入りしようとするすべての船舶を封鎖し、イラン側に通行料を支払う船舶に対しては「臨検および拿捕」を行うと発表した。トランプ氏の語気は極めて激しく、米軍や商船に発砲するイラン部隊があれば「地獄へ吹き飛ばす(BLOWN TO HELL)」と警告した。
米中央軍が公式声明、司法省も制裁違反の訴追を強化 米中央軍(CENTCOM)も公式声明を発表し、米東部時間4月13日午前10時より、イランの港湾および海岸線に接するすべての海上交通に対して封鎖を実施することを確認した。『ニューヨーク・タイムズ 』紙は、中央軍がトランプ氏の「全面封鎖」という表現を微妙に調整し、米軍は「イラン以外の港湾へ向かう船舶の航行の自由は妨げない」と強調したと報じている。封鎖の対象は国籍を問わず、イランの港に出入りする船舶に厳格に限定される見通しだ。また、トッド・ブランシュ司法副長官代行は、制裁対象であるイラン産原油を売買する者に対し、司法省が全力で訴追を行う方針を強調した。
実効性への懸念、軍事・戦略面での課題 しかし、『ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ)』紙 は、この狭隘かつ戦略的に極めて重要な水道において長期的な封鎖を維持することは、SNSへの投稿ほど容易ではないと指摘している。米シンクタンク、ヘリテージ財団の上級研究員で退役海軍少佐のブライアン・クラーク氏は、現地に展開する米艦隊に封鎖を遂行する能力はあるものの、イラン側が米軍やシステムの運用人員に対して攻撃を開始すれば、任務の難易度は急上昇し、米軍は設備の防衛にリソースを割かざるを得なくなると分析した。
民主主義防衛基金(FDD)の上級研究員で退役海軍少将のマーク・モンゴメリー氏は『ウォール・ストリート・ジャーナル』 に対し、軍事的なコントロールは可能であるとの見解を示した。米軍はすべての船を止める必要はなく、一定数の船舶を拿捕することで「羊の群れを追い散らす」ような威嚇効果を与え、イランの石油を運ぶ「影の艦隊」を撤退させれば、イランへの経済的圧力は大幅に高まるという。一方で同氏は、「米国が単独でこれを完遂できるとは思えない」とも付け加えた。
揺らぐ有志連合の枠組み、英国の消極的姿勢 トランプ氏は「多くの国」が封鎖に協力すると主張し、『フォックス・ニュース』に対しては英国が掃海艇を派遣中であると明かしたが、連合軍の具体的な全容は依然として不透明だ。ブルームバーグ通信が関係者の話として報じたところによれば、英国は「封鎖」自体には参加しない方針だという。英国は同海域に自律型掃海ドローンを配備しているが、これはあくまで「海峡を再開放するための実行可能な計画」を同盟国と策定した後に運用されるものであり、トランプ氏の掲げる「海峡封鎖」とは目的が異なる。
トランプ氏はなぜホルムズ海峡を 「封鎖」に踏み切ったのか 当初、ホルムズ海峡を封鎖したのはイラン側であり、これは米国およびイスラエルによる攻撃への報復措置であった。国際社会はテヘランに対し直ちに封鎖を解除するよう求めたが、イランは特定の貨物船やタンカーのみを散発的に通過させ、4月7日の停火合意時には「2週間の海峡開放」に一度は同意していた。しかし、イスラエルが停火に応じず、米国側も「和平合意には至らない」と不満を募らせた結果、今度は米国側が「ホルムズ海峡の徹底封鎖」を宣言する事態となった。トランプ氏はさらに、「イランに通行料を支払った船舶は、公海上で安全に航行することはできない」とまで警告している。
トランプ氏、常軌を逸した「最大限の圧力」 今回のトランプ氏による「最大限の圧力」は常軌を逸しており、国際社会全体を巻き込む形となっている。『ブルームバーグ 』は、これが世界的な石油および燃料不足をさらに悪化させる可能性があると報じている。
トランプ氏がこの措置を強行する理由は何か。本人の説明によれば、この封鎖措置こそが最終的にホルムズ海峡の自由な航行を回復させる手段だという。『フォックス・ニュース』の独占インタビューで、トランプ氏 は「これは『オール・イン、オール・アウト』と呼ばれるものだ」と説明。「将来、いつかすべての国が入り、すべての国が出るようになる。だが、パーセンテージで分けたり、同盟国か友人かで区別したりすることはない。」と持論を展開した。
「ハルグ島奪取」より低リスクな選択 トランプ氏は、この手法がイランの経済的生命線を完全に断つことができると主張する。米国の元外交官で中東特使を務めたデニス・ロス氏は『ブルームバーグ』 に対し、海峡封鎖はイランの重要な石油輸出拠点であるハルグ島の奪取よりもリスクが低いとの見解を示した。「イランにとってハルグ島は死守すべき場所だ。我々がそこを奪うことは可能だが、米軍部隊が極めて脆弱な状態に置かれることになる。それよりも海峡封鎖の方がはるかに賢明な策だ」。
また、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員クレイトン・セイグル氏は、拿捕された石油貨物は商品取引会社を通じて国際市場で売却でき、テヘラン側が利益を得られないような仕組みを確保できると述べた。
迷走する米国のエネルギー政策 米国政府は先月、石油供給への懸念を和らげるため、イラン産原油の一部販売を認める制裁免除措置を発表したばかりだった。しかし、トランプ氏は今回、それとは正反対の決断を下した。ブルームバーグは、制裁免除が期限を迎える4月19日より前に封鎖が実施されたとしても、供給減少は避けられないと指摘する。
オブシディアン・リスク・アドバイザーズのブレット・エリクソンCEOは、「世界各国が深刻なエネルギー危機に直面する中、ワシントンの対応は完全に現実と乖離している」と批判。「トランプ政権は自らを袋小路に追い込んでしまった。残された道は、アジアの同盟国に損害を与えるか、さもなくばイランが世界のエネルギー市場を略奪するのを傍観するかのどちらかしかない」と述べた。
機雷、高速艇、そしてイランの切り札 この封鎖作戦において最大の不確定要素となっているのが、イランが長年構築してきた「非対称戦能力」だ。『ウォール・ストリート・ジャーナル』 は、ホルムズ海峡がイランの海岸線に完全にさらされている点を指摘。米軍の行動は、機雷、ドローン、そして高速攻撃艇による深刻な脅威に直面することになる。
トランプ氏は「イランの戦力は破壊した。海軍も空軍も防空レーダーももはや機能していない」と豪語し続けているが、ワシントン近東政策研究所のファルズィン・ナディミ研究員は、海峡の制御を担う革命防衛隊の高速艇艦隊のうち、依然として60%以上の戦力が健在であるとの分析を示した。
深刻化する機雷問題:最新鋭掃海艦の投入と高いリスク さらに事態を複雑にしているのが機雷の問題だ。複数の米政府当局者が『フォックス・ニュース』に対し、イランがすでにホルムズ海峡に機雷を敷設したことを認めた。トランプ氏も同局のインタビューで、米国はすでに最新鋭の掃海艦を配備しており、数日以内に大規模な掃海作業を開始する準備が整っていると明かした。
しかし、元海軍爆発物処理班(EOD)のトム・サウアー氏は同局に対し、機雷の除去は極めてリスクの高い任務であり、完了までに数日を要する可能性があると指摘。これに対しイランの革命防衛隊は、海峡に接近を試みるいかなる軍艦も停戦合意への違反と見なし、厳格かつ断固とした処置を取ると警告している。
政権の末路か、舞台裏の指揮か 揺れる最高指導者の情報 ピート・ヘグセス米国防長官(戦争部長)は、イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師が重傷を負っており、イラン政権には「もはや選択肢はなく、時間は尽きた」と繰り返し強調している。しかし、『ロイター』 が関係者の話として報じたところによれば、新最高指導者は負傷しているものの依然として「頭脳は明晰」であり、パキスタンでの交渉を舞台裏で指揮し続けているという。
最高指導者の顧問を務めるアリ・アクバル・ヴェラヤティ氏は、「海峡の鍵は我々の手がしっかりと握っている」と強硬な姿勢を崩していない。また、別の顧問も、イランには海上封鎖に対抗するための「膨大かつ手つかずのレバレッジ(対抗手段)」があると言及。「(トランプ氏の)ツイートや架空の計画」によって屈服することはないと強調し、米側への牽制を強めている。
再び「ひき肉機」へ投げ込まれる世界経済 ホルムズ海峡を巡る事態の悪化を受け、ワシントンのシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」のレイチェル・ジエンバ氏は、「世界経済の緩和の窓 は、仮に存在したとしても、今や閉ざされた。イランは米国や世界経済よりも長く持ちこたえられるという持久戦に賭けている」と分析。「他地域がこの消耗戦の現実に備えているとは思えない。すでに多大な苦痛と破壊を目にしている」と述べた。『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、米イラン紛争勃発以来、同海峡の航行量は急縮小しており、直近24時間で通過した船舶はわずか4隻。戦前の1日平均138隻から激減を見せている。
(関連記事:
【米イラン戦争の教訓】ミアシャイマー氏「アメリカと距離を置け」 トランプ氏の誤算に警鐘
|
関連記事をもっと読む
)
エネルギー危機、アジアの工場減産と燃費制限 石油市場研究者のローリー・ジョンストン氏 は『ウォール・ストリート・ジャーナル』 に対し、紛争によってペルシャ湾から供給される日量約1,300万バレルの原油(世界市場の約12%に相当)が遮断されていると指摘。米国がイランの石油輸出を完全に封鎖すれば、市場はさらに日量約200万バレルの供給を失うことになる。
紛争開始後、世界の原油価格はすでに50%以上急騰した。『ウォール・ストリート・ジャーナル』 は、エネルギー節約のためにアジアの工場が減産を余儀なくされ、一部のガソリンスタンドでは燃費配給制が実施、一部の空港では航空燃料が底をつく窮地に立たされていると報じている。
湾岸諸国の経済的打撃、コロナ禍を上回る損失か 封鎖の衝撃はペルシャ湾岸諸国を直撃している。キャピタル・エコノミクス の分析によると、今年の国内総生産(GDP)成長率は、カタールでマイナス13%、アラブ首長国連邦(UAE)でマイナス8%、サウジアラビアでマイナス6.6%と予測。経済損失の規模は新型コロナウイルス流行期を上回る恐れがある。トランプ大統領も『フォックス・ニュース』のインタビューで、エネルギー価格が短期的には下がらず、秋にはさらに高騰する可能性を認めた。
原油価格の下落見通しを問われたトランプ氏は、「そう願っている。そうなると思う。あるいは……もう少し高くなるかもしれない。大体同じくらいだろう。長くは続かないと思う」と答えるにとどまった。
米国内での責任転嫁と100ドル突破の市場 高騰する油価を巡り、米国内では激しい非難合戦が起きている。米石油協会(API)のマイク・ソマーズ会長は、民主党のロー・カンナ下院議員を猛烈に批判。高油価の責任を「トランプの戦争」に帰すべきではなく、米国内での石油・ガス生産停止を強いた民主党の圧力、州政府の高税率、炭素排出取引、および製油制限こそが主因だと主張した。
責任の所在はともかく、米イ交渉の決裂とホルムズ海峡封鎖の宣言を受け、国際油価は1バレル=100ドルの大台を突破した。グリニッジ標準時(GMT)12日23時10分時点で、北海ブレント原油先物は前日比7.60ドル(7.98%)高の102.80ドル。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は同8.31ドル(8.61%)高の104.88ドルを記録した。MSTマーキーのエネルギー研究主任、ソール・カヴォニック氏は『ロイター 』に対し、「市場は実質的に停戦前の状態に逆戻りした。さらに現在は、米国が日量最大200万バレルのイラン関連原油の通過を阻止しようとしている状態だ」と述べた。
唯一の明るい兆しは、サウジアラビアが12日、東西パイプラインの輸送能力が完全に復旧したと発表したことだ。これにより、紅海経由で日量約700万バレルの原油輸送が可能となる。
激化する軍事作戦と人道危機 米イラン交渉が平行線をたどる一方で、イスラエル国防軍(IDF)はレバノン南部での軍事作戦を継続している。ネタニヤフ首相は先週末、前線部隊を視察し、士気を鼓舞した。IDFは声明で、レバノン南部のビント・ジュベイルにある病院内でヒズボラの武器庫を摘発したと発表。「ヒズボラが病院を軍事利用しているのは深刻な国際法違反だ」と非難した。イスラエルのダニー・ダノン国連大使は、交渉決裂を受け、イランは「現実という名の試練」に直面すべきだと強調した。
模索される外交ルートと停戦への促し レバノンのナワフ・サラム首相はテレビ演説を行い、交渉による終戦とイスラエル軍のレバノン領土からの完全撤退を改めて求めた。来週にはワシントンでイスラエルとレバノンの駐米大使による直接交渉が予定されている。一方、調停役を担ってきたパキスタン外務省は、米イラン双方に対し停戦の合意を維持するよう強く促し、今後も仲介支援を継続する姿勢を示した。
膨れ上がる人命の代償 戦争 がもたらした犠牲者の数は、見るに耐えない規模に達している。『ニューヨーク・タイムズ』 によると、イラン国内では先週水曜日までに少なくとも1701人の民間人が死亡し、そのうち254人が子供であった。レバノン保健省は土曜日、一連の衝突によるレバノン側の死者が2020人に達したと発表した。また、湾岸諸国で少なくとも32人、イスラエル側で22人の民間人が犠牲となったほか、レバノンでの作戦中にイスラエル兵12人、中東全域で米兵13人が戦死している。
ローマ教皇の悲痛な訴え「これ以上の戦争は愚かだ」 死傷 が拡大する中、ローマ・カトリック教会の 教皇レオ14世は11日、聖ペトロ大聖堂での平和のための祈りの集いにて訴えた。
「戦争は分断し、希望は一致させる。少しの信仰、ほんのわずかな信仰さえあれば、人類として、人類と共に、この歴史の激動の時に共に立ち向かうことができる」とし、「自己崇拝と金銭崇拝を止めよ。力の誇示を止めよ。戦争を止めよ。真の強さは、いのちへの奉仕において示される」と強く呼びかけた。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
トランプ米大統領によるホルムズ海峡封鎖宣言、イランへ通行料支払う全船舶を拿捕へ 米国とイランの和平協議が決裂したことを受け、米大統領のドナルド・トランプ氏は12日、「ホルムズ海峡の封鎖を直ちに開始する」と強硬姿勢を示した。さらに、公海上で「過去にイランへ通行料を支払った全船舶を拿捕(だほ)する」と表明し、波紋を広げている。一方、イラン国営メディアは、軍事侵攻に備えて同国南部の沿岸地域に特殊部隊を配備したと報じた。トランプ大統領は、パキス......
【杜宗熹コラム】鄭習会談が示すもの 中台「平和統一」への布石か、中国の対台湾メッセージを読む 台湾の最大野党である国民党の鄭麗文(てい・れいぶん)主席(党首)と中国共産党の習近平総書記による「党対党」の会談、いわゆる「鄭習会談」が金曜日実現した。中台関係の取材に10年以上携わってきた「ベテラン記者」であり、前回、南京で行われた国民党・洪秀柱主席(当時)の訪中も現地で取材した筆者の目から見ると、今回の「鄭習会談」は、かつての元国民党主席・連戦氏、朱立倫......
参政党・神谷宗幣代表、日本外国特派員協会で会見 独立自尊の国防と日本人保護を強調 参政党の神谷宗幣代表は2026年4月9日、日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を行った。会見では、同年2月8日に投開票された衆議院議員総選挙の結果を受けた党の指針や、国防、外交、労働政策に関する見解が詳述された。参政党は今回の総選挙で、公示前の3議席から15議席へと躍進し、所属する国会議員数は計30名に達している。神谷氏は、当初目標とした議席数には届かな......
中東紛争とトランプ政権の地政学リスク エネルギー危機と市場の不確実性を専門家が分析 2026年4月9日、日本外国特派員協会(FCCJ)において、中東情勢の緊迫化とトランプ大統領の政策が世界経済に及ぼす影響を議論するパネルディスカッション「トランプの戦争、エネルギー危機、そして来たるべき市場の崩壊」が開催された。討論会には、経済学者のポール・シェアード氏、アトランティック・カウンシルのハン・トラン氏、マネックスグループのジェスパー・コール氏が......
小野田AI戦略担当相、自身のAI利用は「業務で必要性感じず」 人材育成の重要性は強調 日本の人工知能(AI)戦略を担当大臣である小野田紀美氏は10日の記者会見で、自身のAI利用状況について問われ、「私自身は今のところ、自分の業務の中では必要性を感じていないので、必要な時には使おうと思う」と明言した。この発言は、国家のAI発展を推進する閣僚が実務でAIをほぼ利用していないと公に認めたことで、各界に波紋を広げている。多岐にわたるテック政策の司令塔......
台湾北部に新交通網、台北・新北・桃園と台湾鉄道を結ぶ路線の開通時期 台湾の新北市と桃園市政府は、自治体間の交通インフラ協力を一段と深めている。桃園市長の張善政氏と新北市長の侯友宜氏は10日、「新桃林線」の接続予定地を視察し、桃園長庚線と新北林口ライトレール(軽軌)の建設計画を統合し、2039年の完工・開業を目指すと発表した。新桃林線の建設計画 全長約26キロ、新北・桃園にまたがる32駅の整備新桃林線は全長25.99キロメート......
プーチン氏に数千億円の「臨時収入」 EU、イラン戦火でロシア産ガス依存から脱却できず 中東情勢の緊迫化により世界のエネルギー・サプライチェーンが逼迫する中、石油や天然ガスの高い需要に直面する欧州諸国は、再び苦渋の選択を迫られている。中東からの供給に支障が生じる中、欧州は果たしてロシア産エネルギーへの依存から脱却できるのだろうか。英紙『フィナンシャル・タイムズ』はエネルギーデータ企業ケプラー(Kpler)の最新報告書を引用し、欧州連合(EU)が......
欧米人が熱狂する日本の空き家投資、その後に待つ「想定外」の現実 日本の「空き家」を購入すること自体は、決して難しくない。しかし、その家に再び息を吹き込み、実際に生活できる状態にするまでには、想像を超える困難が待ち受けている。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』は今年、あるアメリカ人とカナダ人が日本の農村で古民家を共同購入し、民泊として再生させた物語を報じた。この記事のSNSでの拡散数は、同時期に報じられた他......
六本木ヒルズ展望台が『チ。』の世界に 数百万の星空と哲学が交差する「星空シアター」も登場 森ビル株式会社が運営する六本木ヒルズ展望台「東京シティビュー」にて、2026年4月10日(金)から6月8日(月)までの期間限定で、人気漫画『チ。 ―地球の運動について―』とのコラボレーションイベントが開催される。累計発行部数550万部を突破した同作の壮大な世界観と、海抜250メートルの展望台から望むリアルな都市風景が融合。「世界の見方が変わる」唯一無二の体験......
【MLB】8球団が「シティコネクト」新デザインを発表 公式ショップで販売開始 世界最大級のデジタルスポーツプラットフォームを展開するファナティクス・ジャパン合同会社は、2026年4月10日(金)正午より、MLB公式オンラインショップ「MLB SHOP」にて、MLB 8球団の「シティコネクトシリーズ」新デザインユニフォームの販売を開始した。本拠地のアイデンティティを反映した特別シリーズシティコネクトシリーズは、2021年から公式ユニフォ......
三菱地所、「DX注目企業2026」に選定 生成AI活用と組織的なDX推進力が評価 三菱地所株式会社は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション注目企業(DX注目企業)2026」に選出された。経済産業省と東京証券取引所は、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化を目指し、デジタル技術を前提としたビジネスモデルの変革や経営改革に取り組む企業を継続的に選定している。三菱地所が「攻めのIT経営銘柄」を含め、これら......
ユニクロ、平野歩夢のスペシャルトークイベントを4月15日に開催 大怪我からの復帰と未来を語る 株式会社ユニクロは2026年4月15日、グローバルブランドアンバサダーを務めるプロスノーボーダー・平野歩夢選手をゲストに迎えた「平野歩夢スペシャルトークイベント supported by UNIQLO」を、丸の内ピカデリー(東京都千代田区)で開催する。絶望的な状況からの復帰、その舞台裏を語る本イベントでは、今年2月の大舞台直前に負った大怪我と、絶望的とも言......
「技人国」ビザの審査厳格化、入管庁が4月15日より対人業務にN2要件を正式導入 出入国在留管理庁は、専門的な知識や技能を必要とする外国人向けの在留資格「技術・人文知識・国際業務」(通称・技人国)について、審査基準を厳格化する新指針を正式に発表した。令和8年(2026年)4月15日以降の申請分から、カテゴリー3または4に該当する機関に所属し、言語能力を用いた対人業務に従事する外国人に対し、原則として語学力の国際標準規格「CEFR」のB2相......
2026年版外交青書が閣議報告 中国「重要な隣国」に表現後退、国際秩序の動揺を強調 茂木敏充外相は10日の閣議で、2026年版の「外交青書」を報告した。今回の青書では、現在の国際情勢について「ポスト冷戦期」と呼ばれた比較的安定した時代は既に終焉(しゅうえん)を迎えたと記し、自由で開かれた国際秩序が大きく動揺しているとの認識を示した。2022年から続くロシアによるウクライナ侵略や緊迫する中東情勢を念頭に、現在は「歴史の大きな転換期」にあると位......
中国軍上将40人中36人が公の場に姿見せず 習近平氏の粛清が台海情勢に影落とすか 1月の張又俠(ちょう・ゆうきょう)中央軍事委員会副主席および劉振立(りゅう・しんりつ)軍事委員の失脚に続き、3月に開催された中国の「両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)」では、公に姿を現した人民解放軍の上将(大将に相当)はわずか4人にとどまった。これは、約40人とされる上将の定員を大きく下回る異例の事態である。さらに、両会に参加した解放軍代表団も大......
【寄稿】原油価格はなぜ再び高騰したのか?二つの戦争から読み解く異なる経済ロジック 本稿では、2022年のロシア・ウクライナ戦争と2026年の米イラン衝突を対比させ、原油高の背後にある二つの異なるメカニズムを解説する。前者は制裁に伴う供給先の再編(ロシア産石油の中印へのシフト)であり、市場調整を経て価格は段階的に沈静化した。対して後者は、ペルシャ湾における輸送リスクに起因しており、価格を高止まりさせている。理論上、油価は将来への不確実性を反......
【張瀞文コラム】インテルとTSMCに大差がある中、なぜマスクは「テラファブ」を進めるのか 4月7日、トランプ大統領とイランが激しい舌戦を繰り広げ、世界の耳目は世界経済の生命線である石油を握る中東・ホルムズ海峡に注がれていた。しかし、地球の反対側でも、さほど注目はされなかったが重大な出来事が起きていた。インテルが、テスラCEOのイーロン・マスク氏が主導する巨大ウェハファブ計画「Terafab(テラファブ)」への参画を表明したのだ。このプロジェクトは......
【米イラン戦争の教訓】ミアシャイマー氏「アメリカと距離を置け」 トランプ氏の誤算に警鐘 トランプ大統領が今年2月28日、「エピック・フューリ(壮絶な怒り)作戦」の発動を命じた際、彼の頭にはベネズエラでの勝利をイランで容易に再現できるという目算があったに違いない。しかし、米軍はテヘラン政権の打倒も革命防衛隊(IRGC)の撃破も果たせず、ホルムズ海峡の封鎖解除すらままならないのが現実だ。トランプ氏が同盟国に加勢を求めても、日本や欧州諸国までもが公然......
【10年ぶりの国共トップ会談】習近平氏は「統一」に直接言及せず、鄭麗文氏は「運命共同体」提唱 台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(てい・れいぶん)主席は10日、中国共産党の習近平(しゅう・きんぺい)総書記と会談した。習氏は今回の会談の目的について、「我々の共通の郷土の平和と安寧を守り、中台関係の平和的発展を推進するためだ」と述べ、発言の中で「統一」という言葉には直接言及しなかった。一方、鄭氏は、中台の人民が異なる制度の下で生活している現状を指摘した上で、......
ホルムズ海峡、通航を「1日15隻」に制限 イランが石油航路を掌握、世界経済に新たな衝撃 米国とイランが暫定的な停戦合意に達した一方、ホルムズ海峡の航行を巡る問題はなお不透明なままだ。ロシアのタス通信(TASS)が伝えた最新の情報によると、イラン高官はモスクワ側に対し、停戦合意の一環として、ホルムズ海峡を通過する船舶数を即日、「1日15隻以下」に厳格に制限すると説明したという。このイラン高官は、すべての船舶の通航可否はテヘラン当局の判断に委ねられ......
台湾はなぜ重要なのか 豪シンクタンク報告が示す西側諸国にとっての戦略的価値 台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(てい・れいぶん)主席(党首)による訪中と、習近平総書記との「鄭・習会談」が目前に迫る中、オーストラリアの有力シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」は今週、最新の報告書を発表した。報告書は、台湾が現代において最も影響力のある戦略的課題の中核に位置しており、その現状がいかに維持されるかがインド太平洋地域の平和と繁......
国民党・鄭麗文主席が訪中、習近平氏と会談へ 国民党の両岸政策と同行メンバーを解説 台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(てい・れいぶん)主席は4月7日、6日間の日程で中国を訪問する「2026年平和への旅」に出発した。滞在中の10日には、習近平国家主席との会談が予定されている。鄭氏は出発に際し、「国際情勢が不安定で戦火が広がる中、台湾海峡は世界で最も危険な場所の一つと見なされている。そのため、平和への信念を抱いて台北を出発する」と語った。しかし、......
国民党・鄭麗文主席が習近平氏と会談 人民大会堂「東大庁」で異例の外賓待遇 国民党主席の鄭麗文氏は10日午前11時、中国共産党総書記の習近平氏と北京の人民大会堂で会談した。中国側が会場として手配したのは「東大庁」だった。「福建庁」や「台湾庁」などの「内庁」とは異なり、「東大庁」は中国国家主席が外国元首と会談する際によく使われるほか、北京で重要な外交行事や重要会議が開かれる場でもあり、「外庁」に属する。今回の手配は、鄭氏一行を外賓とし......
HY結成25周年記念ライブの東京ガーデンシアター公演、U-NEXTで4月12日に独占配信決定 動画配信サービス「U-NEXT」を運営する株式会社U-NEXTは、沖縄出身のミクスチャーロックバンド・HYの結成25周年を記念したライブ「HY 25th Anniversary BEST!! Special TIME TRIP」の模様を、4月12日に独占ライブ配信することを発表した。対象となるのは、2月23日に東京ガーデンシアターで開催された公演。U-NEX......