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【10年ぶりの国共トップ会談】習近平氏は「統一」に直接言及せず、鄭麗文氏は「運命共同体」提唱 北京の人民大会堂で中国共産党の習近平総書記と会談する国民黨の鄭麗文主席。2026年4月10日。(写真/楊騰凱撮影)
台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(てい・れいぶん)主席は10日、中国共産党の習近平(しゅう・きんぺい)総書記と会談した。習氏は今回の会談の目的について、「我々の共通の郷土 の平和と安寧を守り、中台関係の平和的発展を推進するためだ」と述べ、発言の中で「統一」という言葉には直接言及しなかった。一方、鄭氏は、中台の人民が異なる制度の下で生活している現状を指摘した上で、「中台双方がウィンウィンで繁栄する運命共同体」を構築し、戦争を防止するための制度的な解決策を模索したいとの意向を表明した。
本日の会談は、午前11時より北京の人民大会堂「東大庁」で行われた。 開始時間は午前11時。中国側が通常、内部的な会合に使用する「福建庁」や「台湾庁」とは異なり、「東大庁」は国家主席が外国元首との会談や重要な外交行事、会議に使用する「外庁(外部向け会場)」である。鄭氏一行を「国賓級」の賓客として扱い、最大限の礼遇を示した形だ。
冒頭、習氏と鄭氏は14秒間にわたって握手を交わした。その後、会議机を挟んで双方が談話を発表し、メディアが退室した後に非公開の会談へと移った。
国民党側からは、蕭旭岑(しょう・きょくしん)副主席、李乾龍(り・けんりゅう)氏、張栄恭(ちょう・えいきょう)氏、党シンクタンク副董事長の李鴻源(り・こうげん)氏らが同席。中国側は、共産党最高指導部メンバーである蔡奇(さい・き)氏と王滬寧(おう・こねい)氏のほか、国家発展改革委員会の鄭柵潔(てい・さくけつ)主任、国務院台湾事務弁公室(国台弁)の宋濤(そう・とう)主任が習氏の脇を固めた。
会談の冒頭、習氏は「両党の指導者が再び会うのは10年ぶりだ。10年はあっという間だった」と感慨深げに語った。続けて、習氏が国民党の代表団に対し「前回の会談時に同席していた者はいるか」と問いかけると、鄭氏は、かつて洪秀柱(こう・しゅうじゅう)元主席が習氏と会談した際にも同席していた張栄恭氏を指さし、これに応じた。
習近平主席、平和の維持と関係発展に向けた、両党指導者による対話の意義 習氏は続けて、「両岸の同胞は等しく中華民族に属している。中華民族は5000年の文明史を持つ偉大な民族であり、台湾同胞を含む各民族の人民が共に祖国の広大な領域を開拓し、統一された多民族国家を築き上げた」と強調。「共に輝かしい中国の歴史と燦爛たる中華文明を創造し、偉大な民族精神を育んできた。これらが『国土は不可分であり、国家は乱れず、民族は散逸せず、文明は途絶えない』という共通の信念を鋳造し、中華民族の自ら努めてやまないことを導き、中華文明を絶え間なく受け継いできた」と述べた。
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また習主席は、歴史の荒波を経てもなお、台湾同胞は常に「根」が大陸にあることを忘れず、祖国を思い、中華に心を寄せてきたと指摘。台湾が占拠されていた苦難の時代においても、台湾同胞は強い民族意識と中華文化への深い愛着を持ち続け、自らが中華民族という大家族の不可分な一員であることを、血と命をもって証明してきたと語った。「中華の根、中華の魂」は血脈に由来するものであり、その歴史は人々の心に刻まれ、忘却されることも抹消されることもないと付け加えた。
現在の国際情勢については、世界が「百年に一度の変局」の中にあり、変化が加速していると言及。しかし、国際情勢や台湾海峡情勢がどのように変化しようとも、「人類の発展と進歩という大きな方向性」「中華民族の偉大な復興という大勢」、そして「中台の同胞が親睦を深め、歩み寄り、一つになるという大きな潮流」は変わることはないとし、歴史の必然としてこれらに強い自信を持っていると述べた。
さらに習氏 は、今日の情勢は決して平穏ではなく、平和は極めて貴重であると強調。中台の同胞は共に中国人であり、一つの家族であるとした上で、「平和、発展、交流、協力」こそが共通の願いであると語った。今回の会談の目的については、共通の郷土の平和と安寧を守り、中台関係の平和的発展を推進することで、子孫が素晴らしい未来を享受できるようにするためであると会談の意義を強調した。
最後に習氏 は、「92コンセンサス(九二共識)」の堅持と「台湾独立」への反対という共通の政治的基盤の上で、中国国民党を含む台湾の各政党、団体、各界の人々と交流と対話を強化していく用意があると言明。中台の平和、同胞の幸福、そして民族の復興のために尽力し、中台関係の未来を「中国人自らの手でしっかりと握り続けていくべきだ」と強く訴えた。
中国共産党の習近平総書記。2026年4月10日、北京の人民大会堂。(写真/楊騰凱撮影)
鄭麗文主席「中台の人民は異なる制度の下で生活している」 一方、 鄭麗文氏は会談で、「本日、両党 の指導者が10年という時を経て一堂に会し、交流できることについて、今この瞬間、全世界の注目と歴史が託した重責が、列席する一人一人の肩にかかっていることを深く感じている」と述べた。さらに、「我々が共に直面しているのは、極めて動揺し不安定な時代であり、同時に希望に満ちた時代でもある。第二次世界大戦以来、最も衝突が蔓延している時代だ」と現状を分析した。
鄭氏は続けて、「しかし、今は各方面が痛切に反省した上で、平和再建を決意する時代でもある。台湾海峡、ひいては中台関係がどこへ向かうべきか。それが我々に課せられた共通の課題だ」と指摘した。
また、国民党と共産党が1世紀を超える交流の中で、激しい浮き沈みや紆余曲折を経てきたことは否定できないとしつつも、「我々が共通して追い求めてきたのは、常にいかにして中華民族を衰退から復興へと導くかであった」と強調。2005年の連戦主席による「平和への旅」以来、両党は歴史的な先見性を持ち、民族と時代の高みに立って中台の和解と平和的発展の推進に尽力してきたと振り返った。
さらに、中華民族の偉大な復興について、「中台人民が共同で成し遂げる復興であり、中華文明の精神の再覚醒と発揚、そして慈悲の心を持つ『大同世界(普遍的平和と平等の世界) 』の志、さらには世界平和と人類の進歩に対する積極的な貢献である」と定義。このような振興の道こそが人心を動かし、時代をリードするものであり、それこそが中台が共有すべき価値であり共同の責任であるとの信念を示した。
習近平総書記の指導下における中国大陸の発展については、「完全な貧困脱却を実現し、全面的な小康社会(国民がいくらかゆとりのある暮らしを維持できる)社会を完成させた。その成果は非凡であり、飛躍し続けている」と高く評価。始まったばかりの「第15次5カ年計画(十五五)」についても、さらなる高みへ到達することを期待していると述べた。
最後に鄭氏は、「中台の人民は異なる制度の中で生活しているが、我々は互いに尊重し合い、歩み寄るべきだ」との考えを表明した。
鄭麗文主席「ウィンウィンと共栄を目指す『中台運命共同体』の追求」 鄭氏 は、平和こそが中台が共有する道であり価値であるとの強い確信を表明した。その上で、双方は政治的な対立を超越し、ウィンウィンと共栄を目指す「中台運命共同体」を共に構想・構築すべきだと主張。戦争を防止・回避するための制度的な解決策を模索し、台湾海峡を世界平和と紛争解決のモデルにしたいとの考えを示した。
鄭氏はまた、世界が極端化へと向かい、かつて共有されていた価値観が失われつつある現状を指摘。そのような状況下でも、人類共通の理念であるサステナビリティ(持続可能性)を堅持し、新エネルギー、感染症対策、人工知能(AI)の倫理と応用といった分野で手を取り合うべきだと述べた。テクノロジーを通じて人類の福祉に奉仕し、世界の持続可能な発展を推進していく意向だ。
さらに、国民党と共産党によるたゆまぬ努力を通じ、台湾海峡が潜在的な紛争の焦点とならず、外部勢力が介入するための「チェス盤」とされることもない未来を望むと強調。海峡を血縁、文明、そして希望を繋ぐ場所とし、中台の中国人が共に平和を守る象徴とすべきだと訴えた。「中華文明を共有する中台の人民には、困難や相違を解消する最高の知恵と、人類の平和と発展に寄与する多大な慈悲があることを世界に示したい」と語り、両党が現代の中華民族文明を共に築き、人類文明の融合と繁栄の模範を確立すべきだと呼びかけた。
今後の展望として、鄭氏は両党が中台平和の「制度化」を推進することへの期待を表明。「92コンセンサス(九二共識)」の堅持と「台湾独立」への反対という共通の政治的基盤の上に、制度的かつ持続可能な対話と協力のメカニズムを構築すべきだと主張した。これにより、中台の平和的発展を不可逆的なものとし、衝突を誘発するあらゆる要因を根本から取り除きたいとの考えだ。
最後に鄭氏は、中華文化を基礎とし、「和合共生」を核心に据えた「中華民族の復興プロジェクト」を共に始動させることを提案。紛争の解消と平和の創造に資するあらゆる制度やイニシアチブを研究・推進し、その成功体験を、世界の紛争地域が手本とできるような規範へと昇華させていきたいと締めくくった。
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