【米イラン戦争の教訓】ミアシャイマー氏「アメリカと距離を置け」 トランプ氏の誤算に警鐘

2026年3月11日、大統領専用機「エアフォース・ワン」で米ケンタッキー州に到着した米大統領・トランプ氏。(AP通信)
2026年3月11日、大統領専用機「エアフォース・ワン」で米ケンタッキー州に到着した米大統領・トランプ氏。(AP通信)

トランプ大統領が今年2月28日、「エピック・フューリ(壮絶な怒り)作戦」の発動を命じた際、彼の頭にはベネズエラでの勝利をイランで容易に再現できるという目算があったに違いない。しかし、米軍はテヘラン政権の打倒も革命防衛隊(IRGC)の撃破も果たせず、ホルムズ海峡の封鎖解除すらままならないのが現実だ。

トランプ氏が同盟国に加勢を求めても、日本や欧州諸国までもが公然と拒絶している。4月7日、トランプ氏は2週間の停火とイランとの和平合意の可能性を宣言したが、シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、米国はすでに「勝利へのエスカレーションも、名誉ある撤退も不可能」な袋小路に陥っており、トランプ氏は中国やロシアに助けを求めざるを得ないだろうと痛烈に批判している。

開戦前、国際社会は「米中首脳会談」による緊張緩和と、米国経済の回復を期待していた。しかし、唐突な開戦によって首脳会談は延期され、40日以上続く泥沼の戦いの出口は見えない。かつての超大国・米国は、中東の泥沼に足を取られ、経済崩壊の危機に瀕している。地縁政治学の権威であるミアシャイマー氏は、YouTubeチャンネル『The Duran』のインタビューに応じ、トランプ氏の無謀な武力行使が、1バレル150ドルに迫る原油高、世界的なインフレ、食糧危機という制御不能な連鎖反応を引き起こしたと指摘。トランプ氏の任期は、予定よりも早く「政治的墓場」へと向かっていると分析した。

ベトナム戦争の悲劇が再び

​ミアシャイマー氏はインタビューで、現在の状況を次のように一喝した。「トランプが直面している現実は極めて単純だ。エスカレーションによる勝利は不可能だ。なぜなら、イランはあらゆる段階で反撃の手段を持っているからだ。同時に、政治的な敗北を認めない限り、撤退という選択肢も存在しない」。

ミアシャイマー氏が米軍に入隊した1965年6月、米軍はダナンに上陸し、北爆「ローリング・サンダー作戦」を開始した。そして彼が退役した10年後の1975年4月、米国はベトナム戦争に敗北した。

ミアシャイマー氏は、当時の米軍が1965年の時点で早くも泥沼に陥っていた状況が、現在の中東情勢と酷似していると語る。ただし、当時との決定的な違いもあるという。「ベトナム当時の米政府は、自らの状況がいかに劣悪であるか、そして南ベトナム政府がいかに無能であるかを理解した上で、あえて支援を決定した。しかしイランの場合、トランプは『勝てる』という幻想に突き動かされて穴に飛び込み、自ら大トラブルを引き起こした。状況を打開することも、抜け出す方法も分からないまま立ち往生している。これはトランプ個人にとっても、全世界にとっても、正真正銘の災厄だ」。 (関連記事: ホルムズ海峡、通航を「1日15隻」に制限 イランが石油航路を掌握、世界経済に新たな衝撃 関連記事をもっと読む

なぜ米国は情勢を見誤ったのか

​なぜ、これほどまでの誤算が生じたのか。『ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)』の報道によれば、この戦争の黒幕はイスラエル諜報特務庁(モサド)のダヴィド・バルネア長官だという。バルネア氏はトランプ大統領とネタニヤフ首相に対し、「斬首作戦」さえ実行すればイラン政権は「張り子の虎」のごとく崩壊すると説得した。しかし、前任のヨシ・コーエン氏は、その考えはあまりに狂気的であり、決して機能しないと警告していた。

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