トランプ氏、頼清徳総統との直接通話に意欲 47年続く米台外交慣例に波紋

2026年5月14日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は、北京の天壇をともに訪れた。(写真/ホワイトハウス公式サイト提供)
2026年5月14日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は、北京の天壇をともに訪れた。(写真/ホワイトハウス公式サイト提供)

トランプ米大統領は20日、台湾の頼清徳総統と電話で話す意向を自ら明らかにした。ロイター通信は、この発言が1979年以来の米政府の外交上の一線に踏み込むものであり、米中台関係を大きく揺るがす可能性があると指摘している。

米国は47年前に中華民国と断交し、中華人民共和国と国交を樹立して以来、現職の米大統領が台湾の指導者と直接電話で話した例はない。トランプ氏は2016年、蔡英文総統と電話会談を行ったことがあるが、当時は大統領就任前の次期大統領としての対話だった。

​ロイター通信によると、トランプ氏はメリーランド州のアンドルーズ統合基地で、大統領専用機「エアフォース・ワン」に搭乗しようとした際、記者団から「台湾の頼総統と電話で話すのか」と問われ、「彼とは話す。私は誰とでも話す。我々は台湾問題に対処する」と答えた。​

同通信は、トランプ氏がこの1週間で頼氏との電話対話に意欲を示したのは、これで2度目だと伝えている。トランプ氏は先週、中国の習近平国家主席と会談した後、「台湾を統治している人物」と話す可能性に初めて言及した。当初は、トランプ氏によくある言い間違いや即興の発言ではないかとの見方もあったが、20日にアンドルーズ基地で記者団に改めて確認したことで、トランプ氏本人、あるいは政権側による意図的な外交上の探りだった可能性が浮上している。

事情に詳しい関係者はロイター通信に対し、現時点で両首脳の電話会談は正式には設定されていないと明らかにした。ホワイトハウスは、会談の時期や具体的な内容について、記者団の質問に直ちには回答しなかった。ワシントンの中国大使館も、第一報の段階ではコメントを出していない。

ロイター通信は、トランプ政権の当局者がこれまで、トランプ氏の任期中に承認した台湾への武器売却の規模は、歴代のどの米大統領よりも大きいと繰り返し強調してきたと指摘している。一方で、トランプ氏自身は米中首脳会談後のFOXニュースのインタビューで、台湾への武器売却について「非常に優れた交渉カード」だと表現している。

ロイター通信はまた、中国政府が台湾を「不可分の領土」と見なしているため、米台間の直接対話は通常、北京の強い反発を招くと指摘している。一方で、トランプ氏の言葉遣いは台北にも複雑なシグナルを送っている。頼氏はトランプ氏と対話する機会を歓迎する姿勢を示しているが、トランプ氏が用いた「台湾問題」という表現は、中国側が用いる表現とも重なるためだ。

2016年の「トランプ・蔡英文電話会談」を振り返る

​トランプ氏は2016年、次期大統領として蔡英文総統と電話で話した。この「トランプ・蔡英文電話会談」は、米台関係において異例の出来事だった。
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ただ、米紙ワシントン・ポストの外交・安全保障担当コラムニスト、ジョシュ・ロギン氏は著書『Chaos Under Heaven』の中で、この電話会談は実際には「偶発的な出来事」だったと指摘している。

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