トランプ氏の「台湾独立望まず」発言を中国学者が分析 頼清徳政権の誤読リスクに警鐘 米大統領・トランプ氏が台湾独立を望まないと表明した後、台湾総統・頼清徳氏は現状を維持し、台湾独立の問題は存在しないと強調した。中国の学者・李振広氏も、現状は決して台湾独立を意味するものではないと指摘している。中台関係には、ある種の接点が存在しているように見受けられる。(写真/柯承恵撮影)
米中首脳会談後、トランプ大統領は台湾が「独立」に向かうことを望まず、遠方まで赴いて戦争することも避けたいとの考えを示した。トランプ氏が習近平国家主席の台湾問題に対する立場を受け入れたのかどうかに関心が高まる中、北京連合大学台湾研究院院長の李振広氏が台湾メディア『風傳媒』の単独インタビューに応じた。李氏は、トランプ氏の発言は明確な「台湾独立反対」の意思表示であり、現時点における最大の危険因子は民進党であると指摘。頼清徳総統が米国のシグナルを誤読してはならないと強調した。
トランプ大統領、「台湾独立を望まず」と表明 米中首脳会談後、トランプ氏は米FOXニュースの単独インタビューに応じた。同氏は「誰かが独立へと向かい、そのために我々が9500マイルも離れた場所へ赴いて戦争することは望んでいない。そのような事態は避けたい。彼らには冷静になってほしいし、中国にも冷静になってほしい」と述べた。さらに「現状を維持すれば、中国もそれを受け入れるだろう。『米国が支持しているから独立しよう』などと誰かが言い出すことは望んでいない」と語った。
問:トランプ氏がFOXニュースのインタビューで述べた発言は、習氏が代表する中国側の立場、 すなわち「台湾独立と台湾海峡の平和は相容れない」という主張を、トランプ氏が既に受け入れたことを意味するのか。
李氏:トランプ氏が機内で行ったFOXニュースへの発言は、台湾独立に反対する姿勢を極めて明確に示したものだと考えている。習氏はトランプ氏との会談において、台湾問題を米中関係における最重要課題として言及し、その扱いを誤れば両国間の衝突に発展し得ると指摘した。習総書記はこの問題を、とりわけ台湾独立問題に触れつつ、極めて明確に伝達した。
個人的な見解としては、会談の場でトランプ氏が直接態度を表明しなかったとしても、帰国途中の機内での発言から、同氏が中国側の立場を確実に受け止め、習氏の台湾問題に関する論述を重く見ていることがうかがえる。トランプ氏の発言は習氏の論述に対する積極的な呼応であり、「台湾独立反対」の立場を明確に表明したものだと言える。
先日訪中し、中国国家主席・習近平氏と首脳会談を行った米大統領のトランプ氏。会談後、同氏は台湾独立を望まない姿勢を表明した。(写真/AP通信提供)
中国学者の分析、トランプ大統領は台湾独立反対を明確化 問:トランプ氏の姿勢表明後も、米国の台湾政策は本当に変わらないのか。
トランプ氏の本心と態度は、米国が打ち出す他のいかなる文書よりも重要であり、誰もがその点を感じ取っているはずだ。つまり、米国務省や国家安全保障会議(NSC)がどのような政策文書を提示しようとも、その内容がトランプ氏の本心と一致しなければ、さほど重要視されない可能性がある。トランプ氏自身の内なる考えは、いわゆる政策文書などをはるかに上回るものだと確信している。
台湾の民進党当局は依然として「米国の対台湾政策に変化はない」と主張するかもしれないが、それは表面上のことに過ぎない。民進党当局の心の深層では、トランプ氏が明確に台湾独立に反対していることを感じ取っているはずだ。この影響力は非常に大きく、台湾独立を抑止する上で十分な効果を発揮するとみている。
民進党当局は口先では従来の主張を繰り返すかもしれないが、実際の行動や今後の独立志向の言説は必然的にトーンダウンせざるを得ないだろう。さもなければトランプ氏の顔に泥を塗ることになる。「民進党にそこまでの度胸はないと確信している」。
北京連合大学台湾研究院院長・李振広氏は、トランプ氏が台湾独立反対を明確に表明したと指摘し、頼清徳氏に対し米国のシグナルを誤読しないよう注意を促した。(写真/中評社提供)
台湾海峡の現状は「台湾独立」を意味しない 問:米中首脳会談後、民進党政権は「現状維持」を主張している。現状維持といわゆる台湾独立に違いはあるのか。それとも一部の見方では、この現状も一種の台湾独立とみなされるのか。
李氏:「現状」に対する解釈について、少なくとも我々の立場からすれば、台湾の現行の関連規定に基づき、台湾と中国大陸は依然として一つの中国に属しており、この「現状」は変化していないと認識している。
我々がなぜ台湾独立に反対するのか。少なくとも現在、台湾は独立しておらず、台湾独立は民進党当局が追求する目標に過ぎず、未だ達成・実現されていないからだ。我々は、彼らがその目標を実現しようとする事態に対し、断固として反対し阻止しなければならない。したがって少なくとも現時点では、台湾は独立しておらず、両岸は共に一つの中国に属しているという事実に疑いの余地はない。
無論、民進党当局は台湾が独立した主権国家であると主張し、独自の理屈 を展開するだろう。しかしそうした言説の真の意図については、民進党自身が最もよく理解しているはずだ。
問:つまり、台湾独立に関するレッドラインは、中国側の「基本的な法律規定」が両岸関係をどう解釈するか、あるいは明文化された内容に基づくということか。
李氏:基本的な規定がそこに存在している以上、民進党当局がどのような言い訳や論法を持ち出そうとも、それが規定に合致しないことは明らかである。
頼清徳氏は17日、国家安全保障チームからの報告を受けた後、中華民国の現状を守り抜く姿勢を示し、「台湾独立」の問題は存在しないと述べた。李振広氏も同様に、台湾海峡の現状は台湾独立ではないとの見解を示している。(写真/劉偉宏撮影)
中国の軍事的圧力は台湾側の出方次第 問:仮にトランプ氏が言行一致を貫き、今後台湾海峡問題への干渉を避けるとした場合、中国大陸は台湾に対しどのような政策をとるのか。このところ軍事的活動の頻度がかなり高まっていたが、今後は軍事的緊張を緩和させ、代わりに交流を促進させる 方向にシフトするのか。
両岸の交流と融合については、我々が常に積極的に推進してきた事項だ。仮に民進党当局が真に台湾独立を放棄し、「九二共識(92年コンセンサス)」を基礎として中国大陸との交流・協力に応じる意思を示すのであれば、我々は間違いなく両岸交流を積極的に推し進めるだろう。
問:これまで台湾の民衆は「台湾が第二のウクライナになるのではないか」との懸念を抱いていた。つまり、米国が台湾を利用して中国大陸を挑発し、意図的に台湾海峡紛争を誘発するのではないかという懸念だ。しかし、今回のトランプ氏の姿勢表明により、台湾の民衆が抱くそうした不安は幾分和らぐと見てよいか。
李氏:これは実のところ、頼政権の動向にかかっている。頼氏が今後も強硬に台湾独立路線を突き進み、対抗姿勢をとるかどうかが問われている。トランプ氏本人は両岸の戦争を望まず、台湾独立によって台湾海峡の平和が破壊されることを望んでいないとはいえ、米国内には台湾を利用して中国を牽制しようと目論む勢力が依然として多数存在することも事実である。彼らは台湾にそうした厄介な役割を担わせようとしており、この可能性は依然として排除できない。
これまで中国軍は台湾に対し度重なる軍事演習を実施してきた。トランプ氏の発言を受け、台湾がウクライナと同じ運命を辿ることを回避できるかどうかに世間の関心が集まっている。(写真/中国軍号提供)
頼清徳総統は米国のシグナルを誤読すべきではない したがって、仮に頼氏が米国のシグナルを誤読した場合、たとえトランプ氏が台湾独立による台湾海峡の平和破壊を望んでいなくとも、頼氏が強硬に米国の国益のために先頭に立って突き進もうとすれば、その危険性を排除することはできない。
台湾の民衆はしっかりと目を見開き、頼氏によって両岸関係が戦火と危機の災難の淵へと追いやられるのを防ぐ必要がある。主導権を握っているのは台湾の民衆自身だ。米国のみに依存するものではない。仮に台湾の民衆が、頼氏の台湾独立に向けた策動やあらゆる独立志向の言動に対して無関心であれば、頼氏はますます図に乗り、台湾を災難の淵へと導いていくだろう。
台湾独立へと突き進む頼氏の動きを止められるのは台湾の民衆だけである。我々は外部から抑止することしかできない。
トランプ氏の姿勢が広く認識された今、最大の危険因子は民進党だ。台湾の民衆はしっかりと情勢を見極め、民進党や頼氏を牽制しなければならない。そうして初めて、台湾の民衆が切望する平和が訪れるのである。
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