【寄稿】台湾の外国人政策は「国民優先」へ転換できるか 特別法と専門機関の必要性
台湾は文明的かつ開放的であり、外国人を尊重することは可能だが、だからといって政府の最優先の責任が台湾国民の保護であることを忘れてはならない。イメージ図。(写真/顔麟宇撮影)
台湾における移住労働者政策の議論は長年行われてきたが、常に狭い枠組みに囚われている。外国人労働者、留学生、ホワイトカラーの専門人材、あるいは外国人の社会福祉といった話題が持ち上がると、公共の議論は直ちに「労働問題」や「人権問題」へと矮小化されてしまう。制度の細分化、権利義務の再編、外国人専用の管理メカニズムを提案するだけで、外国人への敬意を欠く行為であるかのように扱われ、国家の利益や市民権の優先、自国民優先を主張すれば、即座に「排外主義」のレッテルを貼られる現状がある。
問題の核心は、外国人政策を台湾労働部(日本の厚生労働省労働部門に相当)の枠組み内だけで処理しようとすれば、必然的に的を射ない結果に陥る点にある。移住労働者は単なる人的資源の問題ではなく、留学生も単なる学生募集の問題ではない。ホワイトカラーの専門人材も、単なる技術的労働力という一側面にとどまらない。外国人が台湾で就労、就学、定住し、公共資源を利用することは、本質的に内政、移民、人権、外交、警察、衛生福祉、教育、国家安全保障、そして国家全体の利益に関わる問題である。
すべての問題が最終的に労働部に押し付けられれば、同部は内政や外交、人権、衛生福祉、社会福祉の課題まで引き受けることを余儀なくされる。その結果、各省庁間での責任の押し付け合いが起き、外国人の権利が際限なく拡大する一方で、最終的なコストは本国の家庭と納税者が負担することになる。これこそが、台湾の国民が「外国人が国民以上の待遇を受けている」という剥奪感を抱く根本的な要因である。
外国人労働者政策の起点は自国民優先であるべきだ
台湾の外国人労働者政策の本来の立法趣旨は、決して外国人と本国民を完全に同等の立場に置くことではない。外国人労働力の導入は本来「補完的」なものであり、「代替的」なものではない。国家の必要性に基づいて限定的に受け入れるものであり、外国人の権利を無制限に拡大するものではない。外国人の台湾での就労は、本国民の就業機会を妨げず、労働条件を悪化させず、国民経済の発展と社会の安定を損なわないという大前提の上に成り立っている。
差異を設けることは決して悪ではなく、区別された扱いは本来的に外国人法制の一部である。真に特別な規定が必要なのは、どの部分で平等な待遇を確保し、どの部分で人道上の理由や基本的人権の保障に基づく保護を与えるべきかという点にある。最初から「外国人と本国民の一律適用」を前提とすることこそ、台湾の外国人労働者政策の本来の設計から完全に逸脱している。台湾は外国人の基本的人権を保障すべきであるが、制度の起点が本国民の勤労権、労働条件、経済発展、社会の安定の保護にあることを忘れてはならない。これは排外主義ではなく、正常な国家が外国人政策を設計する際の最も基本的な優先順位である。
国際的人権は「無制限な福祉」へと拡大解釈されてはならない
近年、台湾の移住労働者政策を巡る議論では、国際条約や国際的イニシアチブ、国際人権に関する言説が頻繁に引用される。あたかも国際的な文書を持ち出しさえすれば、国内の法制度、財政、本国民の権益、国家利益を無条件に凌駕できるかのような風潮があるが、こうした論説は再検証されるべきである。
台湾は「両公約施行法(国際人権規約国内法化のための法律)」を通じて、自由権規約および社会権規約という二つの国際人権規約の国内実施を定めているが、これはあらゆる国際的な人権の言説が無制限に拡大解釈されることを意味するものではない。台湾の憲政秩序、法制設計、財政能力、本国民の権益を飛び越えてよいことを意味するものでもない。両規約による基本的人権の保障は、台湾が自国の労働市場、移民制度、健康保険・労働保険、社会福祉、公共資源に対する政策の自主権を放棄すべきだと曲解されてはならない。
さらに言えば、国際環境自体も既に変化している。欧米の民主主義国家は、境界のない「普遍的人権主義」で外国人政策を処理しているわけではない。米国の移民制度には長年「公的負担」の原則が存在しており、政府の福祉に主に依存する可能性があると認定された外国人は、入国や移民資格に影響を及ぼす可能性がある。英国には「公的資金へのアクセス制限」の制度があり、この条件が付された外国人は国が支給する大半の福祉、税額控除、住宅支援を受給できない。高福利国家であるデンマークも、一部の外国人滞在者に対し、自身および家族の生活を支える能力があることの証明を求めており、自立、語学力、社会統合、滞在条件を制度設計に厳密に組み込んでいる。
これらの国々が人権を論じていないわけでも、外国人を尊重していないわけでもない。むしろ、社会福祉、公共資源、国境の秩序、国家安全保障のすべてにコストが伴うことを熟知しているからこそ、市民、永住者、一時的移民、労働者、学生、難民の間で異なる権利と義務をより明確に区別しているのである。
包括的な外国人政策の欠如、特別法と専門省庁が解決の鍵に
台湾が移住労働者の受け入れを始めて30余年が経過し、近年はベトナム、インドネシア、タイ、フィリピンなどの「新南向政策」対象国から多数の留学生を受け入れ、就労や卒業後の台湾滞在をインセンティブとして活用している。台湾で働き、生活し、学ぶ外国人が増加する中、問題は単なる「人数の増加」にとどまらず、制度のアップデートが追いついていない点にある。
移住労働者、中間技能労働者、留学生、ホワイトカラーの専門人材、外国人技術労働者、その他の長短期滞在の外国人が、台湾の労働市場、教育機関、社会福祉、医療、行政システムに順次参入する状況下で、台湾はこれ以上、外国人政策を各省庁に分割して管轄させるべきではない。
現在、労働部、衛生福利部(厚生労働省の衛生・福祉部門に相当)、内政部(内務省に相当)、教育部(文部科学省に相当)、外交部(外務省に相当)がそれぞれ外国人事務の一部を管理し、さらに内政部移民署、衛生福利部中央健康保険署、労働部労働保険局も独自の業務を処理している。最終的に各機関は「適法な行政」を主張するものの、国家全体の利益の観点から、外国人口の流入が労働市場、社会保険、健康保険財政、公共資源、行政コスト、および本国民の権益に与える全体的な影響を算定する者は誰もいないのが実情だ。
外国人労働者の就労を例にとっても、表面的には労働力の導入に過ぎないが、実際には入国、在留、資格変更、所在不明、妊娠、出産、一時保護、医療、子供の処遇、犯罪、社会福祉、外交調整、送出国側の責任、多国間仲介業者、国境管理、そして国家安全保障上のリスクが複雑に絡み合っている。これらの問題の中に、労働部単独で担えるものは一つとしてない。
根本的な原因は、台湾の移住労働者制度が長年にわたり、これらすべてを「労働」の枠組み内で処理してきたことにある。その結果、外交部が処理すべき送出国の責任は明確にされず、内政部が担当すべき在留・移民秩序は包括的に処理されず、警察当局が対応すべき不法滞在や所在不明問題は効果的に解決されていない。また、衛生福利部が担うべき一時保護、医療、社会福祉の境界も分別処理されておらず、健康保険・労働保険が抱える財務リスクの透明性も確保されていない。最終的にすべてのコストが「人権」や「労働者の権利」としてパッケージ化され、本国の雇用主、家庭、納税者に押し付けられているのである。
各省庁の分散管理からの脱却を
したがって、台湾は速やかに外国人を対象とした特別法を制定し、専門省庁を設立すべきである。この制度の対象はブルーカラーの移住労働者に限定するのではなく、すべての移住労働者、留学生、外国人専門人材、技術労働力、およびその他の長短期滞在の外国人を網羅すべきだ。台湾には、外国人の就労、在留、保険、福祉、紛争、一時保護、資格変更、出国、および社会的コストを統括できる専門機関が必要不可欠だ。これ以上、各省庁に分散管理させ、その最終的なコストを本国の家庭、雇用主、納税者に負担させるべきではない。
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この専門省庁は、単なる労働部傘下の一部署にとどまるべきではなく、省庁横断的な統合能力を備えるべきである。外国人の就労、在留、保険、福祉、紛争、一時保護、資格変更、出国、送出国の責任、社会的コスト、そして安全保障上のリスクを一元的に処理する役割が求められる。また、内政、外交、労働、衛生福祉、教育、警察、健康保険、労働保険、安全保障などのデータを統合し、外国人口が台湾の公共資源、社会保険、行政コストに与える影響評価を定期的に公表するとともに、外国人専用の保険、基金、苦情申し立ておよび紛争解決メカニズムを確立すべきである。
外国人が台湾で働く以上、基本的な保障や医療・労災からの保護を受け、明確な苦情申し立ての手段を与えられるべきだ。しかし、本国民と完全に同一の社会福祉・社会保険の枠組みに混在させるべきではない。そのような対応は、財務責任の曖昧化やリスクの外部化を招き、本国民の権益を希薄化させる結果となる。
台湾は文明的で開かれた社会であり、外国人を尊重することができる。しかし、そのために政府の最優先の責任が「台湾国民の保護」であるという事実を忘れてはならない。これは移住労働者や外国人への反対を意味するものではなく、国家に対し本国民を政策の中心に据え直すよう求めているに過ぎない。台湾は外国人を必要としているが、それによって制度の境界を放棄すべきではない。外国人を尊重することは、本国民の利益が後回しにされることを意味しない。基本的人権を保障することは、すべての社会福祉、社会保険、公共資源が身分や責任、財源の違いを問わず共有されるべきであることを意味しない。
国家利益の優先、市民権益の優先、本国民の優先——これこそが、台湾の外国人政策が立ち戻るべき原点である。誤った移住労働者政策の是正は、決して不可能なミッションではない。欧米の民主主義国家が国境、福祉、移民、国家利益の関係を既に見直している中、台湾はこの国際的な潮流を的確に捉え、「台湾優先」を起点として外国人政策のあり方を根本から問い直すべきである。
義守大学助理教授(准教授に相当)、台湾障害者家族・介護雇用者国際協会理事長。
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