【寄稿】台湾の外国人政策は「国民優先」へ転換できるか 特別法と専門機関の必要性

2026-05-18 10:37
台湾は文明的かつ開放的であり、外国人を尊重することは可能だが、だからといって政府の最優先の責任が台湾国民の保護であることを忘れてはならない。イメージ図。(写真/顔麟宇撮影)
台湾は文明的かつ開放的であり、外国人を尊重することは可能だが、だからといって政府の最優先の責任が台湾国民の保護であることを忘れてはならない。イメージ図。(写真/顔麟宇撮影)

台湾における移住労働者政策の議論は長年行われてきたが、常に狭い枠組みに囚われている。外国人労働者、留学生、ホワイトカラーの専門人材、あるいは外国人の社会福祉といった話題が持ち上がると、公共の議論は直ちに「労働問題」や「人権問題」へと矮小化されてしまう。制度の細分化、権利義務の再編、外国人専用の管理メカニズムを提案するだけで、外国人への敬意を欠く行為であるかのように扱われ、国家の利益や市民権の優先、自国民優先を主張すれば、即座に「排外主義」のレッテルを貼られる現状がある。

問題の核心は、外国人政策を台湾労働部(日本の厚生労働省労働部門に相当)の枠組み内だけで処理しようとすれば、必然的に的を射ない結果に陥る点にある。移住労働者は単なる人的資源の問題ではなく、留学生も単なる学生募集の問題ではない。ホワイトカラーの専門人材も、単なる技術的労働力という一側面にとどまらない。外国人が台湾で就労、就学、定住し、公共資源を利用することは、本質的に内政、移民、人権、外交、警察、衛生福祉、教育、国家安全保障、そして国家全体の利益に関わる問題である。

すべての問題が最終的に労働部に押し付けられれば、同部は内政や外交、人権、衛生福祉、社会福祉の課題まで引き受けることを余儀なくされる。その結果、各省庁間での責任の押し付け合いが起き、外国人の権利が際限なく拡大する一方で、最終的なコストは本国の家庭と納税者が負担することになる。これこそが、台湾の国民が「外国人が国民以上の待遇を受けている」という剥奪感を抱く根本的な要因である。

外国人労働者政策の起点は自国民優先であるべきだ

​台湾の外国人労働者政策の本来の立法趣旨は、決して外国人と本国民を完全に同等の立場に置くことではない。外国人労働力の導入は本来「補完的」なものであり、「代替的」なものではない。国家の必要性に基づいて限定的に受け入れるものであり、外国人の権利を無制限に拡大するものではない。外国人の台湾での就労は、本国民の就業機会を妨げず、労働条件を悪化させず、国民経済の発展と社会の安定を損なわないという大前提の上に成り立っている。

台湾の「就業服務法(就業サービス法)」第42条は「国民の勤労権の保障」を出発点とし、外国人の雇用が本国民の就業機会、労働条件、国民経済の発展、および社会の安定を妨げてはならないと明確に規定している。換言すれば、外国人の就労は当初から「内外国人の完全な同一待遇」を制度の起点としているのではなく、本国民の勤労権と社会の安定を最優先に考慮しているのだ。
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差異を設けることは決して悪ではなく、区別された扱いは本来的に外国人法制の一部である。真に特別な規定が必要なのは、どの部分で平等な待遇を確保し、どの部分で人道上の理由や基本的人権の保障に基づく保護を与えるべきかという点にある。最初から「外国人と本国民の一律適用」を前提とすることこそ、台湾の外国人労働者政策の本来の設計から完全に逸脱している。台湾は外国人の基本的人権を保障すべきであるが、制度の起点が本国民の勤労権、労働条件、経済発展、社会の安定の保護にあることを忘れてはならない。これは排外主義ではなく、正常な国家が外国人政策を設計する際の最も基本的な優先順位である。

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