大敗でも談笑する台湾プロ野球選手たち、ソフトバンクスカウトが問うプロの姿勢

中信ブラザーズの選手の姿勢に言及したソフトバンクスカウトの李杜軒。(資料写真、陳明仁撮影)
中信ブラザーズの選手の姿勢に言及したソフトバンクスカウトの李杜軒。(資料写真、陳明仁撮影)

台湾プロ野球の中信兄弟は13日、本拠地である台中インターコンチネンタル野球場で富邦ガーディアンズと対戦した。初回から相手の猛攻に遭って13点を奪われ、最終的に2対17で大敗を喫した。これは球団史上ワーストとなる1イニング最多失点記録である。先発投手の鄭浩均はわずか0.1イニングで7失点と崩れたが、問題視されたのは試合後のテレビ中継の映像だ。ベンチにいる選手たちが談笑している姿が映し出され、世論の強い批判を浴びた。福岡ソフトバンクホークスのアジア地区スカウト代表を務める李杜軒氏は、自身のSNSでこの事態に言及。「写真を見て、中信兄弟のファンが報われないと感じた」と綴り、選手は球場に足を運んでくれるファンや、グラウンドで戦い続けているチームメイトを尊重すべきだと苦言を呈した。

李氏の指摘の核心は、プロ野球選手としての「姿勢」にある。最初の投稿で同氏は、「ファンはお金を払ってチケットを買い、球場に来ている。試合の勝敗以上に、ファンが見たいのは選手の奮闘する姿勢である」と説いた。大量失点を喫する惨状にあって、なぜベンチで談笑していられるのか。当時の選手たちの心理状態に疑問を投げかけるとともに、チーム内のベテランやコーチ陣がなぜ注意を与えなかったのかと首を傾げた。自身の日本でのプレー経験を踏まえ、「日本のプロ野球であれば、このような態度を取った選手は即座に外されるだろう」と断言。その振る舞いはファンへの冒涜であるだけでなく、試合に出場しているチームメイトへの敬意を欠くものだと厳しく指摘した。さらに、「台湾球界の進歩が遅い最大の理由は、自己欺瞞に陥りやすいことだ」と嘆き、外の世界に目を向ける必要性を訴えた。前夜に球界関係者と議論を交わしたこともあり、正しい認識を広めるためにあえて声を上げたという。

李氏はその後、自らの主張を補強する日本の報道を紹介した。西日本新聞が報じた記事のスクリーンショットを添付し、「タイミング良く関連する記事が出たため、日本語が分かる人はぜひ読んでほしい」と呼びかけた。その記事は、ソフトバンクの笹川吉康選手に関するものだ。試合中、笹川選手は二塁へのゴロを打ち、相手の併殺崩れで一塁に残った。しかし、一塁ベースを駆け抜ける際に明らかに減速しており、これがチームが定めた全力疾走の規定に違反するとみなされた。さらにその後、牽制死を喫したことで、気の緩んだプレーであると判断した小久保裕紀監督は8回に同選手を交代させ、試合後に即二軍降格を命じた。李氏はこの報道を引き合いに出し、プロ選手はいかなる時も必死にプレーする姿勢を示すべきだと強調したのである。

この一連の投稿は、台湾のファンやネットユーザーの間で大きな議論を呼んだ。反響の広がりを受け、李氏は後日改めて経緯を説明した。事の発端は、ファンから送られてきた写真とともに見解を求められたことであり、そこで自身が日本で受けた野球教育の観点から論評を加えたに過ぎないという。「かつてのダイエーホークスのエースから現在の若手エースに至るまで、誰にでも打ち込まれた経験はある」と前置きしつつ、最近でも、守護神が1失点でセーブを挙げたにもかかわらず、自身の不甲斐なさに激怒して壁を殴り、指を骨折した例に触れた。骨折自体は到底褒められる行為ではなく「悪い見本」と断りながらも、そこには選手自身への極めて高い要求と、結果に対する強い執念があると指摘する。自身はあくまで日本で教え込まれたプロ意識を共有しただけであり、それを受け入れるかどうかは個人の自由だと結んでいるが、彼が投げかけた問いは、台湾野球界のあり方に一石を投じる結果となった。

編集:佐野華美

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