制裁対象のルビオ米国務長官が北京入りへ 表記変更とグレーのナイキ服に中国ネット反発 米国務長官のマルコ・ルビオ氏は12日、米大統領のドナルド・トランプ氏と共に大統領専用機「エアフォース・ワン」で訪中した際、グレーのナイキ(Nike)製スウェットスーツを着用した。(写真/X@StevenCheung47提供)
中国から過去2度にわたり制裁を受けたマルコ・ルビオ米国務長官が、トランプ米大統領に同行して北京入りすることをめぐり、中国のネット上で波紋が広がっている。中国側が同氏の中国語表記を従来の「盧比欧」から「魯比欧」に変更したことから、ネット上では「制裁を回避するための措置ではないか」との見方が出ている。
さらに、ルビオ氏が大統領専用機「エアフォース・ワン」に搭乗した際に着用していたグレーのナイキ製ウェアも、中国のネットユーザーの反発を招いている。ベネズエラのニコラス・マドゥロ氏が米軍に拘束された際の服装としてネット上で拡散されている画像と似ているとの指摘が出ており、偶然なのか、それとも意図的な挑発なのかをめぐって議論が広がっている。
2度の制裁対象、表記変更で訪中可能に? キューバ系米国人であるルビオ氏は、中国の人権問題を長年批判してきた米政界の代表的な対中強硬派の一人だ。現在54歳の同氏は、連邦上院議員時代から香港や新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり、中国政府を厳しく批判してきた。
ルビオ氏はまた、中国がウイグル族などイスラム系少数民族に強制労働を強いているとして、米議会で関連立法を主導し、中国側への広範な制裁を求めてきた経緯がある。
2020年7月と8月、ルビオ氏は新疆問題と香港問題を理由に、中国から相次いで制裁対象に指定された。中国国営メディアからも名指しで批判され、規定上は中国への入国が認められない立場に置かれていた。
1度目は新疆問題をめぐる制裁だった。2020年7月、当時の中国外務省報道官だった華春瑩氏は、新疆問題で「悪質な言動」を取った米国の個人に対する対抗措置を発表し、その対象にルビオ氏も含まれていた。2度目は香港問題に関する制裁で、同年8月10日、当時の中国外務省報道官だった趙立堅氏が発表した制裁リストにも、再びルビオ氏の名前が挙がった。
こうした中、14日に北京で開かれるトランプ氏と中国の習近平国家主席による米中首脳会談に、ルビオ氏は国務長官として随行する。中国側はこの状況に対応する形で、同氏の中国語表記を「盧比欧」から「魯比欧」に変更したとされる。
わずか一文字の違いではあるものの、中国のネット上では、制裁リスト上の人物と別表記にすることで、入国を可能にしたのではないかとの見方が広がっている。この対応は、中国側が法的な体面を保ちながら、米中高官協議の場を維持するための折衷案と受け止められている。
トランプ政権が電撃作戦でベネズエラのマドゥロ大統領を拘束。(画像/Xより)
グレーのナイキ服に中国ネットが反発 もう一つ波紋を呼んでいるのが、ルビオ氏の服装だ。ホワイトハウスのスティーブン・チャン広報部長はこのほど、自身のXに1枚の写真を投稿した。写真のルビオ氏は、ナイキのグレーの「Tech」ウェアを着用しており、米政府高官の外遊で一般的に見られるスーツ姿とは大きく異なる装いだった。
この写真が公開されると、中国のネット上では、ベネズエラのマドゥロ氏が米軍に拘束された際の服装として拡散されている画像と似ているとの指摘が相次いだ。いずれもグレーのナイキ製ウェアであることから、両者の装いを重ね合わせる投稿が広がり、批判的、揶揄的なコメントが目立つようになった。
米FOXニュースも、ルビオ氏がエアフォース・ワンの機内で普段のスーツではなく、ナイキのTechウェアを着用していたと報じた。高官の公務出張としては非常にカジュアルな装いであり、予想外の服装としてソーシャルメディア上で拡散している。
中国のネットユーザーの間では、これを単なる偶然ではなく、制裁への揶揄や意図的な挑発ではないかと受け止める声も出ている。
中国ネットユーザー「彼だけ降機させないことはできるのか」との声も 中国のネット上では、ルビオ氏に対する反発が相次いでいる。あるユーザーは、この写真について「中国に対し、『私は来た。どうするつもりだ』と見せつけているようなものだ」と投稿した。
また、「彼だけ機内から降ろさないことはできないのか」とする声や、「そこまでマドゥロ氏の服装に似せたいなら、中国も同じように対応すればよい」といった過激な書き込みも見られた。
中国政府寄りの立場を取るネット上の論者からは、ルビオ氏が「マドゥロ氏が米軍に拘束された際と同じ服装でエアフォース・ワンに搭乗した」として、敵意を示す行為だと主張する声も上がっている。こうした論者は、米国側が「意味の乏しい小細工」をしていると批判し、より実質的な対抗策を取る余地がないことの表れだとの見方を示している。
香港の親中派メディア「大公文匯網」の微博(ウェイボー) 公式アカウントも、この写真を転載する際に嘔吐を示す絵文字を添え、不快感をあらわにした。
ルビオ氏の訪中は、米中首脳会談に向けた外交日程の一部である一方、中国側の制裁対象だった人物がどのように北京入りするのか、またその服装をめぐる象徴的な意味をどう受け止めるかという点で、中国のネット世論を大きく刺激している。
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