中国はなぜ台湾に武力行使しないのか 米有識者が読む習近平の「待つ戦略」

2026年鄭・習会談、国民党主席・鄭麗文氏と中国国家主席・習近平氏が握手。(写真/中央社)
2026年鄭・習会談、国民党主席・鄭麗文氏と中国国家主席・習近平氏が握手。(写真/中央社)

注目を集める米中首脳会談が14日、北京で開催される。会談のテーブルにおいて、トランプ氏と習近平氏が駆け引きの材料とする重要なカードの一つは台湾だとされている。米シンクタンクのジャーマン・マーシャル財団(GMF)のインド太平洋プログラム責任者であるボニー・グレーザー氏と、米調査会社ユーラシア・グループの中国担当ディレクター、アマンダ・シャオ氏は、米中首脳会談を目前に控えた8日、両岸関係に関する重要な論考「中国はなぜ待つのか(Why China Waits)」を発表した。

米シンクタンクの中国専門家である両氏は、北京が台湾問題に対し「長期戦略(ロングゲーム)」と「忍耐戦略」を採用していると分析する。中国は急いで武力で台湾を獲得し巨大な代償を払うことは望んでおらず、むしろ「戦わずして勝つ」さまざまな仕掛けを通じて、最低限のコストで台湾を取り込もうとしているという。

「武力統一は不可避」という見方は誤解

両氏は8日、米外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』に共同で寄稿し、現在の台湾海峡情勢と両岸関係について論じた。米国の「中国通」である両氏は、中国軍による台湾統一は不可避かつ差し迫った事態として描かれることが多いと指摘する。多くの観察者にとって、トランプ米大統領による米国の台湾防衛コミットメントの曖昧さや、台湾の運命に対する明らかな無関心は、北京当局による武力統一の動機となりうる。早ければ2026年末までにそうした事態が起こる可能性も指摘されてきた。さらに米国とイランの戦争、そして米軍の防衛態勢がインド太平洋から中東へとシフトする再配置も、米国の対応を懸念せず中国が台湾に侵攻するのではないかという懸念を一段と強めている。

しかし、グレーザー氏とシャオ氏は、こうした憶測は北京の対台湾戦略を誤解していると指摘する。中国が望んでいるのは、最低限のコストで台湾と統一することだ。そして北京は、時間の経過とともに統一のコストはより低く、より容易になると確信している。中国の軍事力と経済力が、米国による台湾防衛のための介入を抑止できる水準に達したとき、北京は全面的な侵攻を発動せずとも、台湾を降伏に追い込むこと、少なくとも台湾の正式な独立を阻止することが可能だと考えている可能性が高い。

両氏は、中国が武力行使の可能性を排除しているわけではないことを認める。台湾が独立を宣言する、ワシントンが台湾を正式に外交承認する、あるいは北京が武力行使なしには統一の余地がないと確信するといった一定の状況下では、中国は依然として台湾への侵攻や封鎖に踏み切る可能性がある。しかし、グレーザー氏とシャオ氏の判断によれば、短期的に台湾海峡で軍事行動が発生するリスクは極めて低い。 (関連記事: 米中首脳会談、台湾問題が焦点に 元安保高官が2027年有事リスク指摘 関連記事をもっと読む

なぜなら、北京は台湾を版図に取り込むための長期戦略が奏功していると、ますます確信を深めているからだ。例えば、台湾の若年層における独立支持率の低下が世論調査で示されていることや、国民党主席の鄭麗文氏が4月、北京で中国指導者の習近平氏と会見し、国民党が独立に反対し「92年コンセンサス」を支持すると改めて表明したことなどが挙げられる。この政治的合意の核心は、台湾海峡両岸が共に「一つの中国」に属するという理念である。

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