闇に咲く光の記憶 台湾人写真家・廖文瑄、京都「KG+ 2026」で母性と再生を問う個展を開催 台湾の写真家・廖文瑄が、自身の妊娠と喪失の経験を煙火の光に託した個展を京都「KG+ 2026」で開催し、母娘の和解と再生の希望を提示した。(写真/京都写真美術館提供)
台湾出身の写真家、廖文瑄(Sha / リョウ・ウェンシュアン)が、日本最大級の国際写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント「KG+ 2026」に入選した。これに伴い、京都市東山区の京都写真美術館にて、自身の妊娠と生命の循環を主題とした個展『残響記・息(Traces of Echoes・Breath)』が、2026年5月5日から17日まで開催されている。
「煙火」の衝撃に託す、喪失からの対話 本展は、作者自身が経験した三度の妊娠という極めて私的な記録を、光と音の残響として視覚化したものだ。廖は、生命を失うという深淵のような苦痛の中で、あえて耳を貫くような爆音が響く「煙火(花火)」の現場へと向かった。身体に伝わる振動と視覚に焼き付く光を通じ、自身の痛みを煙火の爆裂に重ね合わせることで、失われた記憶を再構築し、内面的な対話を試みてきた。
展示は「反響(Echoes)」「再生(Rebirth)」「回帰(Return)」の三章で構成され、会場に合わせた地景インスタレーションも併設されている。創作の過程で廖の視線は、かつての「消え去る光」から、現在を生きる娘の姿へと移り変わった。身を引き裂かれるような痛みを経てもなお、個としての 人間は輝かしい未来を育む強さを持ち合わせているという、再生と希望への軌跡が描き出されている。
世代を超えた母娘の和解、母の日に寄せて また、本展の背景には、世代を超えた女性同士の和解という側面も存在する。同様の痛みを経験した廖の母親は、当初、娘が私的な苦痛を公にすることに対し沈黙を望んでいた。しかし、娘がその苦悩を芸術へと昇華させ、力強い叙事詩として提示する姿を目の当たりにし、最終的には深い理解と支持を寄せた。
展覧会が「母の日」を含む期間に開催されることもあり、母娘が共に京都を訪れ、内なる和解を果たす象徴的な場となっている。
会場となる京都写真美術館は、地下鉄東西線「東山駅」から徒歩圏内に位置しており、入場は無料である 。国家文化芸術基金会の助成を受け、クリエイティブ・コンサルティング会社「櫻花樹(Sakura Tree)」が企画・デザインをサポートしている 。
台湾の写真家・廖文瑄が、自身の妊娠と喪失の経験を煙火の光に託した個展を京都「KG+ 2026」で開催し、母娘の和解と再生の希望を提示した。(写真/京都写真美術館提供) 【展覧会詳細】 廖文瑄 写真展 |「残響記・息」 Traces of Echoes・Breath
会場: 京都写真美術館 2F(Kyoto Museum of Photography)住所: 京都市東山区堀池町374-2 (地下鉄東西線「東山駅」1番出口より徒歩約5分、京阪本線「三条駅」より徒歩約8分)会期: 2026年5月5日(火)〜5月17日(日)時間: 11:00〜18:00(最終日は17:00まで)入場料: 無料協力: 国家文化芸術基金会(助成)、櫻花樹(Sakura Tree)(企画・デザインサポート)更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
ハンタウイルス感染のクルーズ船がテネリフェ寄港へ WHO「新型コロナの再来ではない」 2026年、世界初となる洋上でのハンタウイルス感染拡大が確認された。オランダ船籍のクルーズ船「ホンディウス(MV Hondius)号」では既に3人が死亡しており、ハンタウイルスの洋上感染としては過去最悪の事態となっている。同船は現在、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島への寄港に向けて最終段階に入っている。世界保健機関(WHO)は、原因となったハンタウイルス......
アップル、インテルと半導体生産で提携へ TSMC一極依存に転機 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5月8日、米アップル(Apple)と米インテル(Intel)が、アップルの一部製品向け半導体の受託製造(ファウンドリー)に関する基本合意に達したと報じた。両社は1年以上にわたり交渉を続け、ここ数カ月で正式な契約を結んだという。具体的な対象製品や製造プロセスは現時点で公表されていないものの、市場では、まずはローエ......
中東危機で浮かぶ中国の存在感 「予測可能な大国」と米国の失速 米国、イスラエル、イランを巡る軍事衝突の先行きが依然として不透明な中、国際社会は中東情勢の今後の展開や、ホルムズ海峡の「封鎖」がどの程度続くのかについて予測を立てようと注視している。この衝突は、ユーラシア情勢や中東のエネルギー供給、さらには米国の国際的地位にも影響を及ぼす事態となっている。こうした中、日本のシンクタンク「横須賀アジア太平洋研究評議会(YCAP......
【舞台裏】無人機からレアアースまで 台湾・林佳龍外相が冷遇部署に放った「隠密戦士」の狙い 外交攻防は昔から「銃声なき戦争」と評されてきた。非外交官出身という「異例の台湾外交部長」である林佳龍氏は、就任以来、台湾の外交官らを率いて激しい最前線を駆け抜け、まもなく就任2年を迎える。直近では、頼清徳・総統が2026年4月22日に予定していたアフリカの国交樹立国・エスワティニ訪問が、中国の干渉により一度は頓挫し、台湾の元首外交が打撃を受ける事態があった。......
台湾で肺がん検査に最長半年待ち 背景に防衛的医療と総枠規制 台湾では長年、肺がんが十大がんのトップを占めている。これを受け、衛生福利部・国民健康署は近年、高リスク群を対象に低線量コンピューター断層撮影(LDCT)の無料検診を導入した。ところが、これが予期せぬ事態を招いている。台湾全土の主要な医学センターでLDCT検査の予約が殺到し、最も深刻なケースでは数カ月待ちという事態に陥っているのだ。李伯璋・前中央健康保険署署長......
台北メトロ、59億台湾ドル投じ新型車両10編成を導入 2027年半ば運行開始へ 台北大衆捷運(台北メトロ)は、路線網の拡張および増加し続ける乗客需要に対応するため、約59億台湾元を投じ、韓国の現代ロテム(Hyundai Rotem)から高輸送力型の通勤電車10編成を追加調達した。その第1編成が3日間、約1200キロに及ぶ海上輸送を経て、このほど韓国・馬山(マサン)港から台北港に無事到着した。「人間中心の交通(人本交通)」をコンセプトに掲......
【プロ野球】オリックス、2試合連続完封負け 岸田監督45歳バースデーを白星で飾れず オリックス・バファローズは10日、京セラドーム大阪で行われた北海道日本ハムファイターズ戦に0―2で敗れ、2連敗を喫した。2試合連続の完封負けとなり、今季初めて本拠地・京セラドームでカード負け越し。それでも首位はキープし、貯金は「8」となった。オリックスは京セラドーム大阪で行われた日本ハム戦に0―2で敗れ、2連敗を喫した。(写真/丁勤紜撮影)45歳のバースデー......
米中首脳会談、台湾問題が焦点に 元安保高官が2027年有事リスク指摘 米国大統領のトランプ氏は5月14日に中国国家主席の習近平氏と会談する予定である。これに先立ち、米国務長官のルビオ氏は5日、ホワイトハウスで「米中対話において台湾問題は必ず議題になる」と明言した。ルビオ氏の発言は台湾の2300万人に強い懸念を抱かせ、今回の米中首脳会談が台湾の命運を決める「審判の日」になるのではないかとの見方が広がっている。果たしてトランプ氏は......
台湾嘉義の人気観光地「檜意森活村」、ホテル大手・煙波の運営で6月刷新へ 台湾全土で高い人気を誇る文化クリエイティブ施設「嘉義市檜意森活村(ヒノキビレッジ)」の運営権が正式に移行した。阿里山林業鉄路及文化資産管理処(以下、林鉄及文資処)は4日、選考の結果、有名ホテルブランドを展開する「煙波国際観光(以下、煙波)」が最優秀業者に選定されたと発表した。同社は6月1日から運営を開始する予定だ。煙波は日本の軽井沢にある「ハルニレテラス」を......
JR東日本と伊藤忠、不動産統合で2500億円企業へ 沿線開発と地方創生を加速 東日本旅客鉄道(JR東日本)と伊藤忠商事は2026年4月15日、両社の不動産子会社を統合する契約を正式に締結し、新会社「JR東日本伊藤忠不動産開発株式会社」を設立すると発表した。新会社への出資比率はJR東日本が60%、伊藤忠商事が40%で、JR東日本の連結子会社となる。効力発生日は同年10月1日を予定している。具体的な統合スキームとして、伊藤忠都市開発株式会......
台南市と金沢市、観光・文化交流促進で合意 八田與一の縁を継承 台湾・台南市の黄偉哲市長と石川県金沢市の村山卓市長は7日、台南市政府で「観光・文化交流促進合意書」に正式に調印した。金沢市は、台南市にとって63番目の国際姉妹都市となる。台南市と金沢市による「観光・文化交流促進合意書」の調印式。(写真/台南市政府提供)調印式には、金沢市政府の関係者、観光協会および現地メディアの関係者が出席。台南市側からは黄市長のほか、新聞国......
【単独】台湾の最危険期は2027年ではない 元米海軍情報局長が警告する「2028~32年」 台湾の行政院が提出した、期間8年、予算上限1兆2500億台湾ドルの「防衛強靭性および非対称戦力調達特別条例」(通称:国防特別予算条例)草案を巡り、立法院で7日(木)に4回目となる与野党協議が行われたが、合意には至らなかった。早ければ翌8日(金)の本会議で採決が行われる見通しだ。米国は同条例の審議状況に高い関心を寄せている。米国在台協会(AIT)台北事務所のレ......
中国軍上層部で大粛清 前国防相2人に執行猶予付き死刑 中国軍上層部で新たな大粛清の動きが明らかになった。中国国営メディア『新華社通信』の報道によると、中国の軍事法院(軍事裁判所)は7日、魏鳳和・元国防相と李尚福・前国防相に対し、収賄罪で「執行猶予2年付き死刑」の判決を言い渡した。これは中国独自の刑罰制度で、2年の猶予期間中に重大な罪を犯さなければ無期懲役に転換される仕組みである。中国政府系メディアの報道によれば......
パラグアイ大統領が2度目の訪台 台湾との絆を強調、中国は「正しい側に立つべき」と断交圧力 南米における台湾の国交樹立国、パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領が2度目の台湾訪問を果たし、このほど行った公の演説で、「両国の友好関係は自由、民主主義、そして制度への信頼に深く根ざしており、単なる外交の枠組みを超えている」と強調した。一方で中国政府はパラグアイに対し、台湾との長年にわたる関係を断ち切るよう改めて圧力をかけている。英『ロイター』の報道による......
【寄稿】イラン戦争は米国覇権衰退の転換点となるのか 2026年2月28日、米国とイスラエルはイランに対し、大規模な空爆作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」および「獅子の雄たけび」を発動した。トランプ米大統領はこれを「ちょっとした遠足」と称し、3日以内で勝利し早期決着をつけると豪語していた。しかし、開戦からすでに60日以上が経過している。米国の「戦争権限法」によれば、大統領が議会の承認なしに海外で武力行使......
台湾防衛特別予算案、8日採決へ 在野協議の行方が焦点 台湾の立法院(国会に相当)で8日、対米武器購入を含む防衛特別予算案の採決が行われる見通しとなった。野党第3党・台湾民衆党の黄国昌主席(党首)は7日午後10時すぎ、立法院の議場前に姿を見せ、翌日の議事日程確保のために徹夜で待機する同党所属の立法委員(国会議員)を激励した。その席で黄氏は、最大野党・国民党の鄭麗文主席が先日、黄氏と武器購入案について深夜に会談した......
【新新聞】台湾株に熱狂、売買代金1.7兆元超 バフェット指標は「危険水域」 台湾株式市場の加権指数が5月6日、史上初めて4万1000ポイントの大台を突破した。同日昼過ぎ、筆者の元に思わず苦笑しつつもひやりとさせられるメッセージが友人から届いた。「故郷の辺鄙な漁村、自宅向かいの古いガジュマルの木の下が最近やけに賑やかなんだ。以前なら村のお年寄りたちは、宝くじ『大家楽』の話か、天気や孫の愚痴をこぼすばかりだった。それが今や、車座になって......
【舞台裏】台湾のM1A2T調達、前陸軍司令が「最も荒唐無稽」と痛烈批判 台湾陸軍が米国から調達を進めてきた主力戦車「M1A2T」を巡り、軍事戦略や地形に適合しないとして、李翔宙・前陸軍司令(退役大将)が「過去数十年で最も荒唐無稽な兵器調達」と痛烈に批判している。台湾陸軍は「鋭捷(エイショウ)プロジェクト」として2019年から2027年にかけ、総額約405億2415万台湾ドル(約1900億円)を投じ、「地上最強の戦車」とも称される......
【舞台裏】台北ネズミ騒動で異例の共闘 蔣万安市長が頼った相手は民進党の元市長候補 台北市内の双連市場や地下鉄(MRT)駅周辺、公園の草むらなどで大量のネズミが徘徊する様子を捉えた動画が、SNS「Threads」を中心に拡散し、波紋を広げている。台北市は大規模な殺鼠剤の散布に乗り出したものの、子供やペットの誤飲リスクが指摘され、単純な環境衛生問題が市政を揺るがす事態へと発展した。2026年の市長選で再選を目指す国民党所属の蔣万安台北市長に対......
米中首脳会談前にイラン外相が訪中 中国はホルムズ危機を動かせるか イランのアッバス・アラグチ外相が中国の王毅国務委員兼外相の招きに応じ、5月6日に北京を訪問した。2026年2月28日に米国とイスラエルがイランに対して共同軍事行動を起こして以来、中東情勢は激しく揺れ動いており、ホルムズ海峡での軍事的対峙は史上最悪とも言える世界的な石油供給ショックを引き起こしている。米イラン武力衝突の勃発後、イラン外相が中国を訪問するのはこれ......