5月の米中首脳会談は台湾の試金石、元安保高官が懸念する2027年武力統一

米大統領・トランプ氏は近く訪中し、中国国家主席・習近平氏と会談する予定だ。台湾問題はこの米中首脳会談における必至のテーマであり、台湾にとって「運命の審判」が迫っているとも言える。写真は2025年10月30日、韓国・釜山で会談する習氏とトランプ氏。(写真/ホワイトハウス公式サイト提供)
米大統領・トランプ氏は近く訪中し、中国国家主席・習近平氏と会談する予定だ。台湾問題はこの米中首脳会談における必至のテーマであり、台湾にとって「運命の審判」が迫っているとも言える。写真は2025年10月30日、韓国・釜山で会談する習氏とトランプ氏。(写真/ホワイトハウス公式サイト提供)

米大統領・トランプ氏は5月14日から15日にかけて中国を訪問し、中国国家主席・習近平氏と会談する予定である。これに先立ち、米国務長官・ルビオ氏は5日、ホワイトハウスで「米中対話において台湾問題は必ず議題になる」と明言した。ルビオ氏の発言は台湾の2300万人に強い懸念を抱かせ、今回の米中首脳会談が台湾の命運を決める「審判の日」になるのではないかとの見方が広がっている。果たしてトランプ氏は、中国からの経済・貿易面での譲歩を引き出すことと引き換えに、台湾問題で譲歩する決断を下すのだろうか。

世界が注目するトランプ氏と習氏の首脳会談(以下、米中首脳会談)が目前に迫る中、台湾問題はトランプ氏にとって避けて通れない「必修課題」となっている。先日、中国外相・王毅氏がルビオ氏との電話会談で、米中間に新たな協力の余地を生み出すための鍵は台湾にあり、台湾こそが米中間の「最大のリスク要因」であるとの姿勢を明確にしたためだ。台湾の元国家安全保障担当の政府高官は『風傳媒』の取材に対し、今回の米中首脳会談は台湾の命運を握る「審判の日」になる可能性が高いと指摘している。トランプ氏の決断次第で、2027年の「武力統一シナリオ」が再び現実味を帯びるかどうかが決まるという。

強まる中国の台湾統一への決意

米中双方の高官による最近の協議を踏まえると、台湾問題が今回の首脳会談の主要議題となることは既に確定している。背景には、台湾統一を目指す中国政府の極めて強い決意があり、仮にトランプ氏が台湾問題を議題に含めることを拒めば、会談自体の実現が危ぶまれる状況であった。現在、トランプ氏は想定外に難航するイランでの軍事衝突や、年末に控える中間選挙への対応に追われている。米国がイランから撤退するためには中国政府の協力が不可欠であり、さらに農産物やボーイング製航空機の調達など、対米経済・貿易面での恩恵も期待している。中国側に支援を求める状況下において、台湾問題がトランプ氏の交渉カードとなるのは、不可避の趨勢であると言わざるを得ない。

前出の元国家安全保障担当高官は次のように分析する。これまで野党・国民党主席の鄭麗文氏が北京を訪問し、習氏と会談したことで、中台関係は幾分か緩和されるとの見方が広がっていた。中国側が平和的な大原則の下、これまでの「武力による統一圧力」という強硬路線に代わり、中台の自然な融合と発展を促すべく、台湾に一定の譲歩を示すと考えられていたからだ。しかし、与党・民進党政権が最近発したシグナルにより、中国政府が対台政策の再考を迫られる懸念が生じている。民進党政権は、中国人観光客の台湾訪問や直行便の拡大といった中国側の歩み寄りに応じなかっただけでなく、他国の専用機に乗り込んでエスワティニを強行訪問し、中国政府の包囲網を突破したかのような姿勢を誇示したのである。 (関連記事: 【単独】台湾の最危険期は2027年ではない 元米海軍情報局長が警告する「2028~32年」 関連記事をもっと読む

同高官はさらに、民進党政権が既に年末の統一地方選挙に向けた攻防戦略を展開しており、「抗中(中国への対抗)」が彼らに残された唯一のカードであることは明らかだと指摘する。中国人観光客問題への冷淡な態度や、エスワティニ訪問を中国の包囲網突破としてアピールする政治的手法は、すべて年末の選挙戦略の一環であり、中国政府がその意図を見透かさないはずがない。鄭麗文氏の訪中によってもたらされた「平和の機会の窓」は既に失われ、中国政府は独自の方法で台湾問題を解決せざるを得ない状況に追い込まれつつある。

台湾総統・頼清徳氏がエスワティニ国王の歓迎晩餐会に出席(総統府提供)中央社
元国家安全保障担当高官は、台湾総統・頼清徳氏による強行的なエスワティニ訪問は、中国政府の包囲網を突破したという印象を演出し、年末の選挙に向けた「抗中カード」の操作に等しいと分析している。(写真/総統府提供)
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