ドナルド・トランプ米大統領と習近平・中国国家主席による米中首脳会談が来週に予定される中、マルコ・ルビオ米国務長官は5日、ホワイトハウスでの記者会見で「台湾問題は間違いなく会話の議題になる」とコメントした。これを受けて台湾の情報機関、国家安全局の蔡明彦局長は7日、米中双方が台湾問題を含む複数の懸案に関心を持っているとした上で、今回の会談の主眼は問題の根本的解決ではなく、対立の拡大を防ぐための「管理」にあるとの見方を示した。
ルビオ氏は記者会見で、米中双方はいずれも、台湾海峡やインド太平洋地域で不安定化を招く事態が起きれば、双方にとって利益にならないことを認識していると指摘した。その上で、「われわれは台湾、あるいはインド太平洋のいかなる場所においても、地域の安定を損なう事態が起きることを望んでいない」と強調した。
蔡氏は、台湾問題をめぐる米中間の対立は非常に複雑であり、両国が首脳間の対話を通じて対立の拡大を抑え、比較的安定した関係の維持につなげたい考えが双方にあると分析した。一方で、多くの課題は短期間での解決が難しく、現在の米中関係は「脆弱な安定」の局面にあるとの認識を示した。
また蔡氏は、争点の中でも米側が特に重視しているのは貿易不均衡の是正だと説明した。会談では中国に対し、米国産農産物の購入拡大を求める可能性があるほか、フェンタニル問題やレアアース規制も主要な論点になるとの見方を示した。さらに、香港の人権問題や米国人拘束問題に触れる可能性もあるとした。
これに対し、中国側は関税をめぐる対立の休戦状態を維持することに加え、ハイテク分野における米国の輸出規制の緩和を求めるとみられるという。
蔡氏はさらに、こうした問題に対する米中の立場には依然として隔たりがあり、特に地政学や地域安全保障をめぐる問題では、双方とも強い関心を持っていると指摘した。そのため、今回の首脳会談は問題を一挙に解決する場ではなく、対立を管理するための会談になるとの見通しを示した。
台湾問題については、中国側が会談で取り上げる可能性が高いとしながらも、米国は公的、非公的なルートを通じて、対台政策に変更はないとの立場を繰り返し示していると強調した。ルビオ氏が台湾海峡やインド太平洋の安全を損なうべきではないと発言したことについても、米側の基本的立場を改めて示したものだと受け止めているという。蔡氏は、台湾の情報・安全保障当局としても、引き続き関連動向の情報収集と分析を進めていく考えを示した。
一方、首脳会談後に中国が台湾海峡で軍事的な動きを強める可能性について問われた蔡氏は、中国による台湾への圧力はあらゆる面に及んでいると述べた。その上で、今後の情勢を見極める上では二つの側面が重要になると指摘した。
一つは、圧力の手法である。具体的には、政治的な圧力や軍事的威嚇、認知戦、グレーゾーンでの威圧行動、外交的圧力、越境弾圧などが想定されるとした。
もう一つは、今後の主な節目となる時期だ。蔡氏は、米中首脳会談のほか、台湾総統就任2周年、下半期の中国による定例軍事演習、さらに11月に中国が議長国を務めるアジア太平洋経済協力会議(APEC)などを挙げた。台湾の安全保障当局は、こうした手法と時期の両面から情勢を分析し、政府の判断に必要な情報を提供していくとしている。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【北京観察】トランプ氏訪中控え、デインズ上院議員が訪中へ 米中首脳会談の地ならしか | 関連記事をもっと読む )


















































