トップ ニュース 第1回「台湾海洋テクノロジー・無人機展」11月開催へ 軍の掃海ニーズへの貢献に期待も、法整備が課題か
第1回「台湾海洋テクノロジー・無人機展」11月開催へ 軍の掃海ニーズへの貢献に期待も、法整備が課題か 知洋科技が手掛ける水中無人機「台和1号」。(写真/張曜麟撮影)
第1回「台湾海洋テクノロジー・無人機展(MATURE Taiwan)」が、2026年11月3日から5日まで大台南会展センター(ICC Tainan)で開催されることが決定した。本展示会では、知洋科技(Chih-Yang Technology)の掃海ニーズに応える水中無人機や、スウォーム(群制御)技術を備えた炭基科技(Carbon Based Technology)の無人艇などが公開される予定だ。一方で、専門家からは「現行法規が産業の発展に追いついていない」との指摘も出ている。
本展は水中騒音協会が主催し、海洋委員会や経済部国際貿易署など政府機関の支援を受けている。少なくとも125社が出展し、300以上のブースが設けられる予定で、展示面積は6,000平方メートルを超える規模となる。また、海外からも10以上の国と地域からの参加が見込まれている。
海洋国家の生存戦略、水中ドローンが次世代の核心に 島国である台湾にとって、水上および水中の無人機に対する需要は極めて高い。国防工業発展基金会評鑑センターの評鑑委員である周宇平(Chou Yu-ping)氏は、「水中無人機の開発は台湾にとって不可欠だ。自国での防衛・調査ニーズのみならず、将来的な国際市場への参入を考えても、避けては通れない市場である」と強調する。
周氏は、現在ドローン(無人航空機)の開発に注目が集まりすぎている一方で、無人艇や水中無人機への関心が不足している現状を危惧している。台湾は周囲を海に囲まれ、多くの離島を抱えている。東側の太平洋の深海域から台湾海峡の浅瀬に至るまで、軍事・商業・生態系調査など、あらゆる面でこれら無人機による探査が必要となるためだ。
法整備の遅れが産業の足かせに 台湾はコスト面での優位性を持っているものの、産業規格や法整備の遅れが課題となっている。周氏によると、現行の法規では無人艇の運用は港内に限定されており、出港する際には常に「有人」による監視や同行が義務付けられている。そうでなければ違法となるのが現状だ。
「いかに法規制の壁を突破し、企業が自由に開発・実証できる環境を整えるか。公的部門は迅速な法改正に着手すべきだ」と周氏は指摘。無人キャリアの産業発展を促すためには、技術開発と並行してルールの最適化が急務となっている。
第1回「台湾海洋テクノロジー・無人機展(MATURE Taiwan)」は、2026年11月3日~5日に大台南会展センターにて開催される。(写真/張曜麟撮影 )
知洋科技、掃海ニーズに特化した国産UUV「台和1号」を提案 同機は機能別に「偵察型」「反制型(対抗型)」「旗艦型」の3タイプが展開されている。偵察型が目標を標定し、反制型が爆薬を運搬して爆破処理を行うという作戦モデルを想定。旗艦型にはサイドスキャンソナーが搭載されており、近年のトレンドであるスマート機雷や底質に沈んだ水雷に対しても、広範囲の捜索が可能となっている。
湛氏は、海外メーカーと同等の水中測位性能を持ちつつ、制御システムを自社開発している点が最大の強みであると強調。「海軍の作戦ニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能であり、訓練やスペアパーツ、メンテナンスの面でも海外製品に比べて負担が少ない」と、国産化のメリットを語った。
炭基科技、空海統合運用による次世代USVを開発 一方、カーボン・ベース・テクノロジー(碳基科技/Carbon Based Technology)の游沛文(You Peiwen)執行長は、今年、軍民両用(デュアルユース)の無人水上艇(USV)製品ラインを構築し、3クラス以上のプラットフォーム開発を完了したと発表した。
特に6メートル級USVはシステム統合テストを完了。その航行精度は巡視艇レベルに達し、4G/5G通信の安定性も実証済みだ。最高速度は35ノット(時速約65km)を突破し、国際的な主力戦術無人艇に匹敵する機動力を備えている。
碳基科技(カーボン・ベース・テクノロジー)の游沛文(ユー・ペイウェン)執行長(右)。(写真/張曜麟撮影 )
同社は2026年第2四半期に、AI遠隔制御システムおよび複数艇による群制御(スウォーム)の統合テストを完了させる予定だ。現在、同社は「空海統合運用(Air-Sea Integrated Operations)」を核心に据え、無人航空機(UAV)とUSVを統合したクロスドメイン・ソリューションを推進。ISR(情報・監視・偵察)や沿岸警備を支援するとともに、商用輸送や水域検査といった「平時・戦時の切り替え」への応用も視野に入れている。
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