台湾の頼清徳総統が4月22日から予定していたアフリカの国交樹立国であるエスワティニへの訪問が、急きょ中止となった。経由地となるセーシェル、モーリシャス、マダガスカルの3カ国が、中国側からの経済的威圧を理由に総統専用機の飛行許可を取り消したためだという。これに対し、中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)は、民進党による「デマ」だと主張し、全面的に否定している。
頼氏は、エスワティニのムスワティ3世国王の即位40周年と58歳の誕生日を祝う式典(4月24日~26日開催)に出席するため、22日から27日までの日程で同国を訪問する予定だった。
台湾総統府「中国の圧力により3カ国が飛行許可を取り消し」
台湾総統府の潘孟安秘書長、国家安全会議の呉釗燮秘書長らは21日夜、緊急記者会見を開いた。潘氏らは、経由地となるセーシェル、モーリシャス、マダガスカルの3カ国が、総統専用機の飛行許可を直前になって取り消したことを明らかにした。国家安全チームによる慎重な検討の結果、今回の訪問は見送られ、頼氏は代理の特使を派遣することを決定した。
潘氏は、3カ国が許可を取り消した背景について、「中国当局が経済的威圧を含む強力な圧力をかけ、第三国の主権に関わる決定を強いた」と説明。「この行為は航空安全を脅かすだけでなく、国際的な規範や慣例に違反し、他国への内政干渉および地域の現状を打破するものだ」と強く非難した。

国台弁「一つの中国原則」堅持を称賛、外交空間の制限を巡り反論
中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)は定例記者会見を開き、セーシェル、モーリシャス、マダガスカルの3カ国が頼清徳総統の専用機の飛行許可を取り消したことについて、以下の通りコメントした。
国台弁の張晗報道官は、「関係諸国が『一つの中国原則』を堅持する立場と手法をとったことを称賛する」と述べ、「『道を得る者は助け多く、道を失う者は助け少なし』という言葉通り、一つの中国原則が国際関係の基本準則であり、国際社会の普遍的な共通認識(コンセンサス)であることが改めて証明された。これは大勢の赴くところであり、人心の向かうところだ」と強調した。
「総統」の呼称を否定、台湾独立の動きを牽制
頼総統の出訪延期を受け、国民党が「圧力を減らし、中華民国の外交空間を確保すべきだ」と表明したことに対し、台湾メディアから「外交空間の制限は台湾の人々の心を遠ざけるのではないか」との質問が飛んだ。
これに対し張報道官は、「台湾は中国の一部であり、『総統』なるものは存在しない」と一蹴。その上で、「一つの中国原則は国際的に公認された基本準則であり、我々はこの原則に基づいて台湾の対外交流問題に対処している。国際社会において『二つの中国』や『一中一台』を作り出そうとするいかなる試みにも断固反対する」と述べた。

さらに頼氏に対し、「海外へ出て台湾独立の謬論をまき散らし、反中・抗中を煽り、外部勢力と結託して独立を企てる挑発行為は、中台の対立を高め、台湾海峡の平和と安定を破壊するものだ。こうした行為は島内(台湾)の民衆の利益を損なうものであり、必ず失敗に終わる」と厳しく批判した。
「経済的威圧」を否定、民進党を「デマ」と非難
また、台湾総統府の潘孟安氏が「中国当局による経済的威圧が原因だ」と述べた点について、張報道官はこれを全面的に否定した。
「民進党当局は台湾独立の立場に固執し、策略を弄して外交的突破を図ろうとしたが、それが失敗に終わると、今度は『経済的威圧』という謬論を捏造した。これは全くの作り話であり、自らを欺き、他者を貶めるデマに過ぎない。自らの苦境を隠蔽しようとしているだけだ」と反論した。
最後に張報道官は、「台湾問題の歴史的経緯と、台湾が中国の一部であるという法的事実は明白だ。民進党当局が何を言い、何をしようとも、台湾が中国の領土の不可分の一部であるという事実は変えられない」と締めくくった。
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編集:佐野華美
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