中国の国営通信社、新華社によると、中国共産党の前政治局委員で、前新疆ウイグル自治区党委書記の馬興瑞(ば・こうずい)氏に、党籍剥奪および公職追放のいわゆる「双開」処分が下された。
報道によれば、馬氏は「廉潔規律」に違反して贈答品や金銭を受け取ったほか、権力や金銭を介した不適切な性的関係を持ち、一族ぐるみの汚職に関与したと報じた。規定や法律に違反して得た不当な利益はすべて没収された。
馬興瑞氏、2025年に新疆トップを解任
馬氏はかつて新疆ウイグル自治区党委書記を務める地方のトップだった。
2025年7月、党中央は同氏を中央に召還し、同自治区における職務を解くと発表した。以降、馬氏の新たな役職は公表されず、主要な公の場にも姿を見せなかったため、各界でその政治的処遇を巡る憶測が広がっていた。
その後、今年4月に新華社が、馬氏に重大な規律違反および違法行為の疑いがあり、規律審査と監察調査を受けていると報じた。
新華社の7月14日付報道によると、中央紀律検査委員会および国家監察委員会が党中央の承認を経て、馬氏の重大な規律違反と違法行為について立件し、審査および調査を行った。
また、6月30日には党中央政治局会議において、中央紀律検査委員会による「馬興瑞氏の問題に関する審査結果および処理意見の報告」が審議、承認された。

権力・金銭を介した性的関係、一族ぐるみの汚職も
新華社が明らかにした内容によると、馬氏は幹部の選抜や登用で他者に便宜を図ったり、本人や親族・友人が規定に違反して他者の就職を斡旋したとされる。
さらに、廉潔規律に違反して贈答品や祝儀を受け取ったり、親族の低価格での住宅購入への加担、権力や金銭を介した不適切な性的関係を持ったほか、親族がその職務上の影響力を利用して巨額の利益を得ることを黙認、放置するなど、一族ぐるみの汚職に関与した。
公権力を私的利益をむさぼるための道具へと歪め、職務上の立場を利用して企業経営、工事の受注、昇進などの面で一部の者に利益をもたらし、本人や親族、また特定の関係者と共謀して不法に巨額の資産を手に入れたという。
報道によれば、中央紀律検査委員会常務委員会議での検討および中央政治局会議での審議を経て、馬氏に対する党籍剥奪処分が決定された。
また、国家監察委員会が公職追放処分を下し、党の第20回全国代表大会(第20党大会)の代表資格を取り消すとともに、規律や法律に違反して得た不当な利益を没収した。
犯罪の疑いがある問題については、法に基づく審査および起訴に向けて送検される。なお、党籍剥奪処分については、次期中央委員会全体会議の開催時に追認される予定だ。
一時代を築いた「宇宙開発の若き将帥」、失脚の結末
山東省出身の馬氏は、これまでにハルビン工業大学の宇宙開発工学・力学系主任、宇宙開発学院副院長、副学長などを歴任。同大学を離れた後は、中国航天科技集団公司(CASC)の総経理、工業情報化省の副部長、国家航天局局長、国家原子能機構主任、国家国防科学技術工業局局長など、科学技術分野における重要な役職を次々と務めた。
宇宙開発分野の要職を長期にわたり担ってきた実績から、馬氏は「航天少帥(宇宙開発の若き将軍)」の異名を取っていた。
習近平指導部による中国共産党高層部の粛清か
2022年に就任した党政治局委員のうち、馬氏以外に、中国共産党中央軍事委員会副主席の張又侠(ちょう・ゆうきょう)氏と何衛東(か・えいとう)氏もこれまでに調査の対象となっている。この3人は軍事や宇宙開発という極めて機密性の高い分野でキャリアを積んできた人物だ。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
編集:平松靖史 (関連記事: 【独占】2027年の台湾海峡危機は遠のいたのか 習近平氏の軍粛清と揺らぐ中共後継体制を専門家が分析 | 関連記事をもっと読む )


















































