三菱地所が自動運転トラックの施設内誘導を実証開始、国交省の支援事業に採択

三菱地所が国交省の自動運転トラック実装支援事業に採択され、東京流通センターで車両誘導やリアルタイム在空把握システムの構築に向けた実証実験を開始。(写真/三菱地所株式会社 広報部 兼 ラグビーマーケティング室提供)
三菱地所が国交省の自動運転トラック実装支援事業に採択され、東京流通センターで車両誘導やリアルタイム在空把握システムの構築に向けた実証実験を開始。(写真/三菱地所株式会社 広報部 兼 ラグビーマーケティング室提供)

三菱地所株式会社はこのほど、国土交通省の令和8年度「自動運転トラック実装支援事業」に採択され、自動運転トラックに対応した物流施設内の車両誘導・施設内状況把握システムの構築および実証を開始することを発表した。物流業界が抱える深刻な人手不足等の課題を解決し、持続可能な物流ネットワークの実現を目指す。

自動運転トラック対応へ物流施設の基盤整備を加速

近年、三菱地所は幹線輸送の効率化を担う自動運転トラック等の次世代モビリティに対応した「次世代基幹物流施設」の開発を進めており、2023年6月には自動運転技術の開発や幹線輸送サービスを手掛ける株式会社T2と資本業務提携を締結している。

2025年7月からは国内初となる自動運転トラックによる物流施設の建物内走行に関する共同実証を開始するなど、次世代モビリティの社会実装に向けた取り組みを加速させてきた。

自動運転トラックの社会実装を実現するためには、道路上や施設内での走行技術だけでなく、受け入れ側となる物流施設の基盤確立が不可欠である。

しかし、物流施設内では自動運転トラックが自己位置を推定するためのGNSS(全球測位衛星システム)の受信が困難であるほか、有人トラックや施設内作業者との干渉、バースの空き状況や荷役作業の進捗に応じた監視・誘導など、技術面および運用面において多くの課題が残されていた。

入退場認証やバース管理を東京流通センターで実証

今回採択された事業では、これらの課題解決に向けて自動運転トラックを物流施設内で安全かつ効率的に受け入れるための誘導・管制システムの実証に取り組む。

具体的には、物流施設に到着した自動運転トラックの入場認証、バースや駐車区画のリアルタイムな在空状況把握、予約情報や施設内状況に応じた行先指示・変更、退場時の認証といった一連の施設内オペレーションを検証する。実証実験は2026年7月から2027年2月までを予定しており、三菱地所グループである株式会社東京流通センターが所有する「東京流通センター 物流ビルA棟」(東京都大田区)を活用する。

本事業には、主導する三菱地所のほか、プロジェクト計画や全体システム設計を担うアビームコンサルティング株式会社、バース管理・車両誘導システムを開発するハコベル株式会社、自動運転トラックの走行および実証支援を行う株式会社T2が参画する。

さらに、入退場・在空把握システムの設計や実証支援を行う三菱地所パークス株式会社、同システムの開発やデバイス調達、環境構築を担う株式会社富士ダイナミクスの計6社が参画し、それぞれの役割のもとで検証を進める。

4つの機能を検証し物流DXの社会実装へ

実証では、主に4つの機能を軸に検証を行う。まず、予約情報と連携して一連の構内オペレーションにおける車両情報を連続的に管理する「車両認証・入退場管理」、施設内のセンシングデバイスを用いて状況を把握し車両誘導システムへ連携する「バース・駐車区画のリアルタイム在空把握」が挙げられる。

また、予約されたバースの利用可否や混雑状況に応じて自動運転トラックへバースや駐車区画、出場ゲート等の行先を指示し、状況に応じて動的な行先変更を行う「車両誘導・行先制御」も検証する。

さらに、車両側の自動運転システムやFMS(フリートマネジメントシステム)と施設側システムを連携させ、行先情報をタイムラグなく伝達して複数車両の安定的な制御が可能かを検証する「自動運転トラックとのシステム連携」についても実証を行う。

三菱地所は、2030年度以降に予定する次世代基幹物流施設や、自動運転トラックを受け入れる多様な物流拠点での技術活用を視野に本事業での実証に取り組む方針であり、日本の物流DXを牽引するとともに、持続可能な物流の実現および輸配送の効率化に貢献していくとしている。

編集:小田菜々香

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