人工知能(AI)が今後10年間で急速に進化し、産業革命を上回る規模の経済変革を、はるかに短い期間でもたらす可能性があるとして、世界の経済学者やAI研究者ら200人以上が13日、共同声明「We Must Act Now(私たちは今すぐ行動しなければならない)」を発表した。
声明は、大規模な失業などのリスクに備える一方、AIによる生産性向上や生活水準の改善という可能性を生かすため、政策担当者やテクノロジー業界のリーダーに早急な対応を求めている。AIを人間の仕事や能力を補完し、社会全体に利益をもたらす方向へ導くため、必要なインセンティブや安全策、制度を整備すべきだと訴えた。
声明を共同で呼びかけたのは、スタンフォード大学デジタル経済研究所のエリック・ブリニョルフソン所長、トロント大学ロットマン経営大学院のアジェイ・アグラワル教授、AI開発企業Anthropicに出向しているバージニア大学のアントン・コリネク教授、AI評価機関METRのトム・カニンガム研究員の4人。
公式発表によると、署名者にはノーベル経済学賞受賞者16人が含まれる。このほか、Anthropic共同創業者のジャック・クラーク氏、Google元最高経営責任者(CEO)のエリック・シュミット氏、ベンチャー投資家のビノッド・コースラ氏らも名を連ねた。
「今後10年でAIはさらに強力になる」
共同声明は、主に次の3点を掲げている。
1. 今後10年間で、AIはさらに強力になる可能性がある。
2. AIは、産業革命を上回る規模の経済変革を、より短い期間で引き起こす可能性がある。大規模な失業などのリスクがある一方、生活水準を大幅に向上させる機会にもなり得る。
3. 経済学者、政策担当者、テクノロジー業界のリーダーは、社会を大きく変えるAIの経済的影響について理解を深め、必要なインセンティブ、安全策、制度を構築するため、直ちに行動しなければならない。AIを人間の能力や労働を補完し、社会に利益をもたらす方向へ導く必要がある。
AIに慎重だった経済学者も署名
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、今回の共同声明について、AIに対する経済学界の姿勢が変化していることを示すものだと報じた。
これまでテクノロジー業界では、AIが人間の仕事を急速に代替し、大規模な失業を引き起こすとの警告が繰り返されてきた。一方、主流の経済学者の間では、新しい技術が実際の社会や産業に浸透するには時間がかかるとして、こうした見方を業界による過度な宣伝だと捉える声も少なくなかった。
しかし、今回の声明には、これまでAIによる急速な経済変革に慎重な見方を示してきた、2024年のノーベル経済学賞受賞者であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授とサイモン・ジョンソン教授も署名した。
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AIが過去の技術よりも速く、幅広い分野に浸透する可能性について、経済学界でも懸念が強まり始めていることを示している。













































