トップ ニュース 米国防総省高官、台湾に特別防衛予算の成立促す 「GDP比10%超」持論も、台湾防衛で自衛努力の重要性を強調
米国防総省高官、台湾に特別防衛予算の成立促す 「GDP比10%超」持論も、台湾防衛で自衛努力の重要性を強調 米下院軍事委員会の公聴会に出席したジョン・ノ国防次官補(インド太平洋安全保障担当)。(中央社=ワシントン、侯姿瑩、2026年4月23日)
米国防総省(戦争省) でインド太平洋安全保障を担当するジョン・ノ国防次官補は22日、米下院軍事委員会の公聴会で、台湾の安全保障を支援するため、米政府が複数の手段を検討していると明らかにした。書面証言では、台湾の与野党に対し、防衛に必要な資金を確保するため、国防特別予算の成立に向けて協力するよう求めた。
ノ氏は昨年の人事公聴会でも、中国人民解放軍の脅威に直面する台湾は、防衛費を国内総生産(GDP)の10%以上に引き上げるべきだとの考えを示していた。
今回の公聴会には、ノ氏のほか、米インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官も出席した。ノ氏は書面での声明を通じ、米国は財政的、物理的能力を備えた同盟国やパートナー国が防衛費の増額により、抑止力の再構築および維持という重責を分担して引き受けることを期待しており、この点は台湾にとって特に重要だと強調した。
また、台湾の頼清徳総統が2030年までに中核的な防衛予算をGDP比5%へ引き上げる方針を示しており、その中には台湾の防衛上の主要な脆弱性を補うための特別予算も含まれていると説明した。米国防総省は台湾国防部と緊密に連携し、この特別予算の策定を進めているとした上で、台湾の各政党が協力して必要な防衛資金を確保することに期待を示した。
ノ氏はさらに、脅威を十分に抑止できる自衛能力を確保するには、台湾がより速いペースで追加措置を講じる必要があると指摘した。頼総統は昨年、中国に対抗するため、8年間で総額400億ドル(約6兆円) の追加国防予算案を打ち出したが、国民党を中心とする野党の反発 に直面しており、野党側はより規模を抑えた独自案を推進している。
米政府、対台湾安全保障支援の選択肢を検討 公聴会では、下院軍事委員会のマイク・ロジャース委員長(共和党)が、米国による台湾への安全保障支援について質問した。これに対しノ氏は、「米国防総省には対外有償軍事援助(FMS)、大統領在庫引き出し権限(PDA)、台湾安全保障協力イニシアチブなど、台湾を支援するための複数の手段がある」と答えた。
その上で、「我々は現在、様々な案を積極的に 検討し、上層部に報告しているところだ 」と述べた。報告先にはピート・ヘグセス国防長官やトランプ大統領も含まれるとし、台湾への安全保障支援に向けたあらゆる可能な選択肢を評価しており、「今後もこの取り組みを継続していく」と 考えを示した。
パパロ司令官、F-16の早期引き渡しを重視 22日の公聴会では、民主党のサルード・カルバハル下院議員が、台湾へのF-16戦闘機配備の意義や、引き渡し遅延の問題について質問した。これに対しパパロ司令官は、統合的な防空・ミサイル防衛体制の構築は極めて重要であり、全領域・全戦域にまたがる形で整備する必要があると述べた。
さらに、すべての対外軍事援助について、予定通りの引き渡しだけでなく、可能な限り早期に完了させることが「非常に重要」 だと強調し、米政府の関係機関がこれらの課題の克服に全力で取り組んでいると説明した。
中国の「非キネティック」手段にも警戒 また、一部の議員から、中国が台湾支配を進めるためにどのような「非キネティック(非物理的) 」手段を取り得るかと問われたのに対し、パパロ司令官は、統一戦線工作、情報戦、法律戦などが含まれると答えた。例として、新たな通関機関を設け、中国海警( 海上保安庁に相当 ) などの法執行機関がこれを支援する手法を挙げ、「これらシナリオに対し、我々はすでに詳細なシミュレーションを行っている 」と明かした。
さらに、離島の占拠、準封鎖、全面封鎖といった手段も想定されると指摘した。
その一方で、パパロ司令官は書面を通じ、 中国が台湾に対する武力行使の選択肢を放棄していないと改めて警告した。4月21日の上院公聴会では、米国が台湾防衛を重視する度合いが、台湾自身の防衛意思を上回ってはならないとも明言している。
パパロ司令官はこれについて、「鶏が先か、卵が先か」という哲学的な問いではなく、厳しい現実だとした上で、「鶏を飢え死にさせれば、鶏も卵も得られない」と述べ、台湾自身の防衛努力の重要性を強調した。
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