2026年「地球の日」、旭硝子財団が次世代啓発支援を本格始動 ブループラネット賞受賞のスパーリング教授が警鐘

カリフォルニア大学デービス校ダニエル・スパーリング教授。(写真/公益財団法人 旭硝子財団提供)
カリフォルニア大学デービス校ダニエル・スパーリング教授。(写真/公益財団法人 旭硝子財団提供)

旭硝子財団は4月22日の「アースデー(地球の日)」に合わせ、地球環境問題の解決に向けた最新の活動状況と、2013年ブループラネット賞受賞者であるダニエル・スパーリング教授のインタビュー内容を公開した。同財団は今年度より、若い世代が環境問題への理解を深め、行動を起こすための「啓発支援事業」を本格化させており、高校生を対象としたインターンシップや探究プログラムの募集を開始している。

次世代リーダー育成へ、探究プログラムやインターンを募集

​世界的な環境貢献を顕彰する「ブループラネット賞」を主催する旭硝子財団は、今年6月10日に2026年度の受賞者を発表する予定だ。また、9月には専門家や市民を対象とした「環境危機意識調査」の結果公表も控えている。

新たに立ち上げられた啓発支援事業では、高校・大学向けの「ブループラネット次世代探究プログラム」や、全5回のオンライン授業を通じて環境問題を考える「探究インターン」などの参加団体を募集しており、次世代のリーダー育成に力を注いでいる。

スパーリング教授が指摘する、電動化への「揺り戻し」と専門家への懐疑論

​同財団のウェブマガジン「af Magazine」で公開されたインタビューの中で、持続可能な交通研究の第一人者であるスパーリング教授は、近年的の交通技術の進化を評価しつつも、深刻な課題を指摘した。

教授は「過去10〜15年でバッテリー技術と電動化は目覚ましい進歩を遂げ、EV(電気自動車)が世界の新車販売の約25%を占めるまでになった」と述べる一方で、米国などで見られる電動化への「揺り戻し(バックラッシュ)」や、専門家に対する懐疑的な見方の広がりに強い懸念を示した。

日本の現状に対し、スパーリング教授の分析は厳しい。日本のEV普及率が約3%に留まっている点について、「主な理由は企業の戦略にある」と指摘した。日本の自動車メーカーがハイブリッド車(HV)や水素技術を重視してきたことで、政府の方針もその影響を受けてきたと分析している。

「EVが主流になることは疑いようがない。日本が今なすべきことは、充電インフラの拡充を含め、官民が協力してこの遅れを取り戻すことだ」と提言した。

スパーリング教授は、持続可能な社会の実現に向け、「気候危機の代償の正確な見積もり」「イノベーションの加速」「国際協力の強化」の3点を挙げた。特に若い世代に対し、「自ら学び、公共交通の利用やEVへの乗り換えといった身近な選択を通じて、地域社会のリーダーになってほしい」と呼びかけた。

教授自身も「私のお気に入りのゼロエミッション車は自転車だ」と語り、個人の行動が大きな社会変革につながることを強調して締めくくった。

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編集:小田菜々香

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