米巨大IT企業のAppleは21日、ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのジョン・ターナス氏が今年9月1日付で最高経営責任者(CEO)に就任すると正式に発表した。現CEOのティム・クック氏は同日付で執行会長に退く。Appleの公式声明によると、「クック氏は今夏までCEOにとどまり、円滑な引き継ぎに向けてターナス氏と緊密に連携する」という。
同社におけるトップの交代は、2011年にクック氏が故スティーブ・ジョブズ共同創業者からCEOを引き継いで以来、15年ぶりとなる。ターナス氏はApple史上8代目のCEOに就く。
クック氏「ターナス氏は未来へ導く適任者」
クック氏は声明で、CEOとしてAppleのような卓越した企業を率いることができたのは生涯の栄誉であると表明。才能にあふれ、創造性豊かなチームと共に、世界最高の製品やサービスを生み出す機会に恵まれたことに深く感謝していると述べた。
後任となるターナス氏については、「エンジニアの思考、イノベーターの魂、そして誠実さと名誉を重んじるリーダーシップを兼ね備えた先見性のある幹部だ」と高く評価。「彼がAppleを未来へと導く適任者であることに疑いの余地はない」と明言した。
クック体制の15年:時価総額24倍、株価1900%超の上昇
ビジネススクール出身のクック氏は、約15年の任期を通じて、iPhoneを主力とするハードウェア企業だったAppleを、ウェアラブル端末やデジタルサービスを網羅する世界的な巨大テクノロジー帝国へと変貌させた。同氏の主導の下、Apple WatchやAirPodsが市場に投入されたほか、2024年には市場の反応が想定を下回ったものの、複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」の発売も実現した。
財務面においても、クック氏の就任時に3500億ドル未満だった同社の時価総額は、21日の終値時点で約24倍の4兆ドルへと拡大。株価の累計上昇率は1932%に達し、テクノロジー業界において金字塔を打ち立てた。
この発表を受け、月曜日の時間外取引でApple株は0.6%の小幅安となった。同日の通常取引の終値は1株あたり273.05ドル。年初来では小幅な上昇にとどまるが、過去12カ月間の累計上昇率は37%に達している。
一方で、クック体制にも課題は残る。自動運転車プロジェクトは最終的に頓挫し、Vision Proも消費者の熱狂を呼び込むには至っていない。さらに、近年世界を席巻するAIブームを巡り、AppleのAI戦略は競合他社に比べて慎重と見なされており、これらの課題は後任のターナス氏に引き継がれることになる。 (関連記事: セブン&アイ、北米で700店超を純減へ 7-Eleven再編の背景とは | 関連記事をもっと読む )

次期CEOのターナス氏とは:勤続25年のハードウェアのベテラン
ターナス氏は現在50歳で、クック氏より約15歳若い。米ペンシルベニア大学で機械工学の学位を取得し、卒業の4年後にAppleに入社。同社での勤続年数は25年に及ぶ。経営陣の中で最も若く、ハードウェア開発に長年従事してきた人物がCEOに指名されるのは同社史上初となる。













































