【台湾海峡解読】習氏による鄭麗文氏厚遇の背景、蔣万安氏牽制と28年総統選の戦略的思惑

国民党主席の鄭麗文氏が中国を訪問し、中国共産党の習近平総書記と会談。北京から異例の厚遇を受け、政治的影響力が上昇している。(AP通信)
国民党主席の鄭麗文氏が中国を訪問し、中国共産党の習近平総書記と会談。北京から異例の厚遇を受け、政治的影響力が上昇している。(AP通信)

国民党主席・鄭麗文氏は先週、代表団を率いて中国大陸を訪問し、中国共産党総書記・習近平氏との会談を果たした。この「鄭・習会談」は世界的な注目を集め、中国側の極めて異例の厚遇ぶりは耳目を集めている。なぜ習氏はこれほどまでに鄭氏を厚遇したのか。米国の情報機関でさえ予測を誤り、鄭氏がこれほどの歓迎を受けるとは予期していなかったほどだ。

今回の習氏による鄭氏の接遇は、まさに至れり尽くせりであった。会談場所には人民大会堂の「東大庁」が選ばれたが、ここは中国指導部が海外の首脳と会談する際によく使用される部屋である。過去の国共両党トップ会談で頻繁に使われた「福建庁」とは異なり、「東大庁」の手配は、台湾の民進党陣営が日頃から主張する「対等と尊厳」に合致するものと言える。さらに、習氏が鄭氏との会談で発した言葉には、「統一」という言及が極めて少なく、「一国二制度」に至っては完全に封印された。今回の習氏の発言は「史上最も軟化している」と評され、民進党陣営も批判の糸口を見出せないほどであった。会談後、中国側は直ちに「台湾優遇10項目政策」を発表し、鄭氏にとって実り多い訪問となった。

「大連艦隊」の復帰、古参・張榮恭氏がトップ会談への地ならし

関係者によると、今回のトップ会談実現の舞台裏において最大の功労者となったのは、国民党副主席・張榮恭氏だという。国共両党のトップ会談は10年間途絶えていた。空白期間があまりにも長く、台湾政治の世代交代も急速に進んだため、かつての国共間のパイプは時の流れとともに消滅したと見なす向きも多かった。しかし実際には、2005年に国民党名誉主席・連戦氏の「平和の旅」を主導した張氏は、中国側との意思疎通や意見交換を途絶えさせることなく継続していたのである。

鄭氏は国民党主席就任後、特任の形で張氏を副主席に起用した。張氏の奔走により、国共間でシンクタンクフォーラムが再開されただけでなく、両党トップの会談も円滑に決定された。その過程において、張氏は切り込み隊長として重要な役割を果たしている。まず国務院台湾事務弁公室(国台弁)主任・宋濤氏と4度にわたり単独で会談し、2005年の「連戦・胡錦濤会談」で確立された両党交流の慣例について宋氏にレクチャーを行った。その後、張氏は蕭旭岑氏ら党幹部を率いて中国側と5度目の協議に臨み、最終的に今回のトップ会談の枠組みを妥結させたのである。 (関連記事: 【台湾の謎の軍需メーカー2】台湾の防衛産業を支える中核技術、中国レーダーを欺瞞する電子戦の最前線 関連記事をもっと読む

国民党副主席の張榮恭氏は、過去に鄭麗文氏と共に連戦氏の幕僚を務めていた。「大連艦隊」の古参幹部が長年にわたり中国大陸とのパイプを維持し、今回の「鄭・習会談」を円滑に実現させた。(楊騰凱撮影)
国民党副主席の張榮恭氏は、過去に鄭麗文氏と共に連戦氏の幕僚を務めていた。「大連艦隊」の古参幹部が長年にわたり中国大陸とのパイプを維持し、今回の「鄭・習会談」を円滑に実現させた。(楊騰凱撮影)

米国の予測をも覆した鄭麗文氏と習近平氏の会談

鄭氏は就任以来、習氏との会談実現に強い自信をのぞかせていた。その背景には、中国側との交渉パイプである張氏という切り札の存在があった。今回、鄭氏が習氏との会談に成功したことについては、米国の情報機関でさえ予測を誤ったと言われている。国民党幹部が密かに明かしたところによると、党側は事前に米側の見立てを把握しており、米国は「鄭氏の訪中自体に問題はないが、習氏との会談は到底あり得ない」と分析していたという。

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