トップ ニュース 駐日スペイン大使、日スペイン関係の深化強調 中東情勢や移民政策でも独自姿勢
駐日スペイン大使、日スペイン関係の深化強調 中東情勢や移民政策でも独自姿勢 駐日スペイン大使は、日スペイン関係が戦略的段階に入ったことを評価し、地政学的動乱の中で国際法と独自の価値観を貫く外交・経済戦略の重要性を訴えた。(写真/日本記者クラブ提供)
駐日スペイン大使のイニゴ・デ・パラシオ・エスパーニャ氏は13日、日本記者クラブで記者会見し、地政学的な変化が進む国際情勢の中で、日本とスペインの協力関係が一段と深まっているとの認識を示した。大使は、両国は単なる友好国にとどまらず、不確実性の高まる国際社会で責任を共有する「戦略的パートナー」になっていると強調した。
会見では、近年の日スペイン関係の進展にも言及した。2025年には、スペインの産業・観光相、農業・漁業・食料相、経済・通商・企業相が相次いで訪日し、二国間関係はこれまで以上に緊密になったと振り返った。
経済面では、日本企業のスペイン市場に対する期待の高さを示した。2025年の調査では、スペインに進出する日本企業の約9割が、現在の投資を維持または拡大する意向を示しているという。累積投資額は150億ユーロ(約2兆8000億円)に達し、従来の自動車や化学分野に加え、再生可能エネルギー、情報技術、先端製造などの分野にも広がっている。
具体例として、大使はイベルドローラによる秋田県での洋上風力発電事業や、スペインの宇宙ベンチャーPLDスペースに対する三菱電機の出資を挙げた。脱炭素化や宇宙・防衛分野での協力拡大に期待を示したほか、2026年11月末には第1回日スペイン科学技術イノベーションシンポジウムがスペインで開かれる予定だと明らかにした。
国際情勢と外交政策 については、欧州・大西洋地域の安全保障とインド太平洋の安全保障は、もはや切り離して考えることはできないとの見解を示した。スペインはNATOと欧州連合(EU)の主要メンバーとして集団安全保障に関与する一方、国際法と国連憲章を重視する立場を維持していると説明した。
中東情勢に関しては、一方的な軍事行動や国際法違反に厳しい姿勢を示した。スペイン国内の基地利用についても、不法な侵略戦争に関わる場合には、主権国家として条件を付し、共同利用を認めない考えを改めて強調した。同盟国である米国との関係についても、問題があれば率直に指摘すべきだとの考えを示した。
移民政策についても、大使はスペイン独自の方針を説明した。2026年3月の政府報告によると、移民は労働市場の維持や公的財政の支え手となっており、2022年から2024年までの1人当たりGDP成長率のうち、0.4~0.7ポイント分を外国人が押し上げたと試算されているという。適切な法的ルートの整備と社会参加の支援を組み合わせることで、移民は高齢化社会における成長と社会の安定に寄与し得ると述べた。
会見の最後に大使は、日スペイン関係の土台には、互いの文化やライフスタイルに対する強い関心と親近感があると指摘した。こうした「人間的な近さ」が、両国の戦略的な連携を支える基盤になっていると締めくくった。
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