豪海軍は、過去数十年で最大規模となる軍備拡張計画を正式に始動した。豪国防相のリチャード・マールズ氏と日本の防衛相・小泉進次郎氏が今月18日(土曜日)にメルボルンで会談し、総額100億米ドル(約1.5兆円)に上る調達契約に正式署名する見通しだ。豪軍は次世代の海上防衛力として、日本の三菱重工業に対し「もがみ型」護衛艦11隻を発注する。
豪紙『オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー』は同報道の中で、今回の取引が豪日間の防衛協力関係を変化させるだけでなく、第二次世界大戦終結後において日本にとって最も象徴的な防衛装備移転になると指摘している。インド太平洋地域における中国の継続的な軍事拡張に対応するため、豪政府は長年の評価を経た上で、現役の「アンザック級フリゲート」を代替する艦艇として同5000トン級の護衛艦を選定し、海軍のミサイル投射能力の大幅な向上を図る構えだ。
Australia will enter a new era of defence industry co-operation with Japan on Saturday with the signing of a contract to purchase 11 cutting-edge Mogami-class frigates for the navy, the first of which will be delivered in just three years.
— The Australian (@australian)April 17, 2026
Japanese shipbuilder Mitsubishi Heavy…pic.twitter.com/qZZ8dyx1X2
両国の合意に基づき、最初の3隻は日本の長崎で建造され、1番艦は2029年に豪海軍へ引き渡される予定だ。残りの8隻については、豪州が自主的な維持整備能力を確保できるよう、西オーストラリア州のヘンダーソン防衛集積地での建造に移行する。

実のところ、今回の調達案が決定されたタイミングには、地政学的な思惑が色濃く反映されている。
米大統領のドナルド・トランプ氏率いる米政権が同盟国に対して「防衛の自立」を強く求めていることを受け、豪州は軍事的な重心を従来の陸戦から海洋権益の強化へと大きく転換しつつある。一方で、日本の首相・高市早苗氏は「憲法改正」という大きな波紋を呼ぶ方針を改めて打ち出し、自衛隊の存在を正式に明記するとともに、戦後の平和憲法に設けられた多くの制約を緩和する計画を示している。今回の100億ドル規模の護衛艦受注は、日本がハードパワーを持つ大国の舞台へと復帰するための足掛かりとなることは間違いない。
豪州による次世代海軍艦艇の選定プロセスを振り返ると、最終候補として残ったのは、今回受注を勝ち取った日本のもがみ型護衛艦のほか、ドイツのティッセンクルップが開発・製造するMEKO型フリゲート(MEKO A-200)であった。同艦はドイツが輸出用に特化して開発したフリゲートであり、現在、トルコ、ギリシャ、エジプトなどの海軍で運用されている。

もがみ型護衛艦
三菱重工が開発・製造を手掛ける同艦は、米海軍の沿海域戦闘艦(LCS)をモデルとして設計された。当初は22隻の建造が予定されていたが、大幅なコスト超過により12隻に削減され、現在までに計9隻が完成している。満載排水量は5500トン、全長130メートル、最高速力は30ノットで、最大90名の乗組員が搭乗可能である。
艦尾にはSH-60K哨戒ヘリコプター1機を搭載できるほか、武装として62口径5インチ砲(127ミリ単装砲)、Mk41垂直発射システム(VLS)、対艦および対空ミサイルなどを装備する。直近で進水した最新鋭のもがみ型護衛艦「ゆうべつ」は現在も海上公試中であり、早ければ2026年に就役する予定だ。
戦力空白期の穴埋め
オーストラリア国立大学(ANU)国家安全保障カレッジの専門家、ジェニファー・パーカー氏は、現在の豪海軍が第二次世界大戦以降で「最も脆弱」な状態にあると分析している。現役で通常任務に就けるフリゲートはわずか10隻にまで減少している。もがみ型護衛艦の導入により、垂直発射システム(VLS)と少なくとも1万海里の航続距離を備える新造艦が、旧型のアンザック級退役後に生じる戦力の空白を大幅に補うことになると同氏は指摘している。

豪政府はこの護衛艦の受注に加え、今後10年間で530億米ドル(約8兆円)の国防費を上乗せすると先日発表したばかりだ。今後、日本と豪州の間でさらなる防衛装備の調達や協力プロジェクトが進められる可能性も排除できず、両国関係はかつてないほど緊密さを増している。
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編集:柄澤南 (関連記事: 【2026 WBC】台湾代表、明日オーストラリアと初戦!捕手・林家正は大会に集中、張育成はドーム初アーチで気勢 | 関連記事をもっと読む )


















































