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オーストラリアのジャスティン・ヘイハースト駐日大使、離任前に会見 日豪関係「3年で日本との協力はかつてなく深まった」と強調 ジャスティン・ヘイハースト駐日オーストラリア大使は8日、日本記者クラブ10階ホールで離任前の会見を行い、日豪の防衛・経済協力がこの3年間で大きく進展したと振り返り、地域の平和と安定に向けた協力の重要性を強調した。(写真/日本記者クラブ提供)
ジャスティン・ヘイハースト駐日オーストラリア大使が2025年12月8日、日本記者クラブ10階ホールで離任前の会見に臨んだ。大使は2023年1月に着任し、来年1月に日本を離れる予定で、その後はキャンベラの首相官邸で国際安全保障担当のデピューティー・セクレタリーに就くことが紹介された。
大使は、特別戦略的パートナーシップの下で3年間に進展した日豪協力を振り返り、防衛、安全保障、経済など幅広い分野で関係が強化されたと述べた。悪化する安全保障環境に対応する中で、両国政府は防衛パートナーシップの構築や総合運用性の向上、産業・貿易協力、インテリジェンス分野の情報交流強化などを進めてきたと説明した。もがみ型防衛艦の選定、空軍演習の実施、タリスマン・セイバーでの日本側の記録的参加規模、RAAの下で行われた軍艦保守修理など、具体的な取り組みに言及し、演習の規模とテンポが拡大していると語った。
また、両国の防衛大臣が新たな戦略的防衛調整枠組を発表したことや、サイバー、宇宙、重要鉱物のサプライチェーン強靱化での協力、地域・国際問題をめぐる立場調整、閣僚レベルを含む緊密なコミュニケーションについて触れた。9月の2プラス2では、米国を含む主要パートナーとの協力を通じ、国際システムを維持し紛争を防ぎ、インド太平洋の平和と安定を守るというコミットメントが確認されたと述べた。
経済分野では、日豪の貿易・投資関係が記録的水準にあると説明した。日本のLNGの約4割、石炭の約65%がオーストラリアから供給されていること、鉄鉱石が日本の都市基盤を支える鉄鋼に用いられていることを挙げ、オーストラリアのエネルギーが日本経済を支えていると述べた。再生可能エネルギーと日本の技術を組み合わせた新たな市場形成の可能性にも触れた。日本の消費カロリーの約12%がオーストラリア産食品に由来することを示し、金融、データセンター、都市インフラ、量子コンピューター、保険医療、情報セキュリティなど様々な分野で相乗効果が生まれていると説明した。
直接投資については、2024年の日本からオーストラリアへの外国直接投資が141億ドルを超え、累積で日本が第3位の投資国であることを紹介した。アルティウムの買収やユニ・ロッジへの投資などの例を挙げ、日本企業がオーストラリア市場の成長性と法制度の安定性に機会を見出していると述べた。10月にはライナスから重機動鉱物の初回出荷を受けたことに触れ、信頼関係に基づく経済安全保障の成果だと語った。
観光・人的交流では、日本からの渡航者増加や、オーストラリアが修学旅行先で第一位になっていることを紹介した。大阪・関西万博のオーストラリアパビリオンには300万人が来場し、その9割が日本人であったと述べた。来年は日豪協力条約締結50周年を迎えるとし、相互依存と信頼に支えられた関係史を振り返った。
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質疑応答では台湾情勢に関する質問が出た。大使は、オーストラリア政府の立場について「昨日もオーストラリアの副首相が明確に表明していた」と述べ、国際ルールに基づき日本と協力を進める方針が示されていると説明した。一方で、将来の具体的シナリオには言及せず、「その時々の状況に応じて各国が判断するものだ」と述べた。日本と近い関係を持つ国への攻撃が存立危機事態に当たるかという問いには、日本政府が判断すべきことだとした。
中国による経済的威圧については、国際貿易ルールの重要性を強調した。CPTPPについては、日本とオーストラリアの外交の成果であり、基準を満たす国をコンセンサスで迎え入れる枠組みに進展が見られたと説明した。日中関係の緊張については、事務方の懸念表明を引用し、軍の接触が増える中で安全でプロフェッショナルな対応が必要だと述べた。
外交上の最大の課題については、両国の関与の規模やペースが大きくなっていることを挙げ、その関係を維持することが重要だとした。経済、教育研究、地方交流、防衛・安全保障、サイバー、宇宙など様々な分野で関与が拡大しており、今後も継続すると語った。
米国のインド太平洋政策については、新しい国家安全保障戦略でコミットメントが示されていると述べ、5日米の協力が勢いを増しているとした。防衛支出については、オーストラリアが国家防衛戦略に沿って増強を進めていると説明した。
ワーキングホリデー制度に関する質問には、プログラムは日本を含む多くの国で成功してきたと述べ、問題があれば対処していく姿勢を示した。すべてのビザ制度の整備を維持する責任があるとしたうえで、若者が相互に住み働く経験を積んできた例を挙げた。
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