皇后陛下は12月9日の誕生日に際し、令和7年の御感想を公表された。今年は戦後80年の節目に当たり、かつての大戦において命を失った人々を悼みつつ、平和の尊さと後世に語り継ぐ重要性を改めて示された。
皇后陛下は、本年4月に硫黄島、6月には広島県と沖縄県(沖縄訪問には愛子内親王殿下も同行)、9月に長崎県、10月に東京都慰霊堂を訪れ、各地で戦没者の慰霊に臨まれた。戦災を体験した人々や語り継ぐ活動に携わる関係者から直接話を聞き、「戦争を知らない世代が学び、後世に伝えていくことの大切さ」を強調された。また、戦争を経験した上皇、上皇后両陛下から折々に伺ってきた話への深い感謝も述べられた。
御感想では、平和を永続的に守るために、「人々が互いを知り、違いを認め合い、思いやりを持って対話する社会の必要性」に言及され、戦争や紛争が続く世界の現状に心を痛める思いを明かされた。さらに、JICA海外協力隊の60周年に触れるとともに、各地で相次ぐ自然災害や、能登半島地震、阪神・淡路大震災、東日本大震災などの被災地への思いを記し、災害の記録と教訓を未来へと語り継ぐ重要性を指摘された。
公務面では、4月に開幕する2025年大阪・関西万博を陛下とともに訪問したほか、7月には国賓としてモンゴルを訪問。現地の自然や文化に触れ、両国交流の歩みに対して「深いうれしさ」を示された。国内においては、世界陸上東京2025やデフリンピックの観戦など、多様な行事に臨まれた。
愛子内親王殿下については、日本赤十字社の嘱託職員としての勤務のほか、公務の幅が広がっていること、初の公式外国訪問となったラオスで温かい歓迎を受けたことへの感謝を綴られた。また、家族として共に過ごしてきた犬「由莉」との別れ、新たに迎えた三毛猫「美海(みみ)」の存在にも触れた。
御感想の結びでは、「国民の皆様の幸せを祈りながら、できる限りの務めを果たしたい」と述べ、来年がより良い年となることへの願いを示された。
医師団、皇后陛下の体調について「快復の途上」 公務と休養の調整を継続

同日公表された医師団の見解によれば、皇后陛下はこれまでの治療方針に基づき、引き続き治療を継続されている。
本年は、硫黄島、沖縄、広島、長崎など戦後80年の節目に関わる訪問を含め、東京都内で23回、地方で13回の公務に臨まれた。7月には国賓としてモンゴルを訪問され、事前に体調を整えながら、幅広い年代の人々と交流されたという。
一方、医師団は「皇后陛下には体調に波がある」とし、大きな行事や公務が続いた際には疲労が残ることがあると説明。十分な休息や気分転換の時間を確保すること、公的な活動に加えて私的な活動の幅を徐々に広げていくことが重要だとしている。
また、愛子内親王殿下が社会人として歩みを進めつつ公務に携わる中で、皇后陛下が必要な手助けをし、温かく見守られていることにも言及した。
医師団は、今後も周囲の理解と支援を得ながら治療を継続していく必要があるとし、「引き続き温かく見守っていただきたい」と結んでいる。
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編集:梅木奈実















































