高市早苗首相が「台湾有事」に言及したことを受けて中国政府が強く反発し、国民に日本旅行を控えるよう呼びかけたことで、中国人観光客の海外旅行先が大きく動き始めている。こうした状況のなか、中国国営メディア『新華網』は、カンボジア政府が12月2日、2026年6月15日から10月15日までの期間、中国人に対するビザ免除措置を試験導入し、最大14日間の滞在を認めると発表したと報じた。
観光促進策として打ち出されたものだが、中国のSNSでは、詐欺拠点(KK園区)に関する不安から、「逆にお金をもらっても行かない」といった否定的な声が相次いだ。
中国の旅行市場は大きく再編 日本・韓国・欧州の人気が低迷、タイが再び首位に
日中関係の緊張を受け、中国人の海外旅行トレンドが大きく変化している。
日本の人気が急落: 旅行プラットフォームのデータでは、日本行きの検索・予約が目に見えて低下している。
新しい人気スポット: 韓国、東南アジア、欧州が日本に代わる主要な選択肢になりつつある。
タイが1位に返り咲き: 中国人が最も訪れる国として再びトップに立った。
カンボジアが4カ月のビザ免除を導入 申請不要・無料で複数回入国も可能
カンボジアの新たな措置は、今年1月から10月に約100万人の中国人観光客を受け入れた実績を受けた動きでもある。
実施期間:2026年6月15日から10月15日までの4か月間。
内容:ビザ申請・手数料は不要。電子入国カードの記入だけで入国でき、複数回の入国も認められる。
SNSでは拒否反応 「免ビザ」でも誰も喜ばない
安全面への不安が根強いカンボジアでは、詐欺組織による誘拐や、いわゆる「KK園区」に関わる事件がたびたび報じられてきた。こうした背景もあり、中国のネット上ではこのビザ免除政策に対して非常に否定的な声が広がっている。
・主なコメントには、「ありがとう、でも結構です」「カンボジアに行くのにビザいらないって言われても…」「お金をくれても行かない」といった反応が並ぶ。
・ある有名ブロガーは、「ビザ免除の国には、行くとワクワクする国と、むしろ身の危険を感じる国がある。休暇に行くのか、渡劫(わざわざ危険や苦難を受けに行く、という意味の中国のネットスラング)なのか、その差はかなり大きい」と投稿した。
この一件は、地政学的な緊張が旅行先の選択に影響を与える一方で、最終的に人々の意思決定を左右するのは、治安や安全への信頼度だという現実をあらためて浮き彫りにしている。
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