中国人観光客が日本に来なくなったらどうなるのか。中日間の緊張が高まるなか、百貨店や化粧品大手など中国依存度の高い日本企業の株価が相次いで下落している。台湾・財信メディアの謝金河董事長(会長)は20日朝、フェイスブックで「中国頼みの日本企業が総崩れになっている」と題して投稿し、観光規制や軍事演習、日本産水産物の不買など、中国が過去に台湾へ向けて行ってきた手法が、現在は日本にそのまま複製されていると指摘した。
発端は、中国駐大阪総領事の薛剣氏が高市早苗首相の「台湾有事」に関する発言に反発し、「斬首」という過激なコメントを発したことだ。その後、中国側は「訪日観光抑制」を含む一連の文攻武嚇(宣伝攻勢と威嚇)に踏み切り、中国観光客の需要に依存していた日本企業の株価は急落した。
日経平均1620円安でも 中国依存企業は「さらに下落」
謝金河氏は、17日の東京株式市場で日経平均株価が1620.93円下落した中、半導体関連の東京エレクトロン、富士通、Megachip、軍需関連の三菱重工や川崎重工、通信インフラの古河電工、住友電工、藤倉、横河電機などは反発上昇を見せた一方で、中国観光客の購買に依存してきた企業は「壊滅的な下落」に見舞われたと説明した。
最も大きな打撃を受けたのは三越伊勢丹ホールディングスで、株価は 11.3%下落。続いて無印良品(良品計画)が 9.39%、資生堂が 9.98% の急落となった。その他、ユニクロ(ファーストリテイリング)、コーセー(KOSE)、高島屋、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも大きく値を下げた。
コーセーと資生堂「中国需要で栄え、中国需要後退で失速」
と減少。2025年は 100億円割れの可能性もあるとされる。
さらに米国で展開するスキンケアブランド「Drunk Elephant(ドランクエレファント)」の不振が業績を圧迫し、529億円の損失予測が出ている。資生堂の株価も 9250円から2196円へ 暴落し、時価総額は花王の3分の1まで縮小した。
「中国人消費が日本を動かしてきた」その反動が一気に表面化
謝金河氏は、中国人観光客の消費が長年にわたり日本市場へ大きな影響を与えてきたと述べ、日本ウイスキーが一時的に急騰し、一部の日本酒ブランドが突然ブームになった背景にも「中国人の嗜好がある」と指摘した。
1990年代以降、日本の工作機械や自動車産業も中国市場から大きな恩恵を受けてきたが、今後は痛みを伴う調整が避けられないと分析した。
「俘虜日本」で株価急騰? 中国株市場の「珍現象」も紹介
投稿の最後で謝氏は、対照的な事例として中国・山東省でタオルや寝具を製造する企業「孚日(Furi)」の株価を紹介。同社株は 8連続ストップ高 という異例の上昇を記録した。
理由は企業の実力ではなく、「孚日」という社名が中国ネット民の間で「俘虜日本(日本を虜にする/日本を捕える)」と解釈され、縁起が良いと過剰に買われたためだという。この「こじつけ」による株価暴騰は「別の意味での伝説だ」と皮肉を込めて述べた。
編集:柄澤南 (関連記事: 低い円相場と中国の急な警告で、日本旅行は台湾人にとって絶好の機会か? 林氏璧が皮肉を語る | 関連記事をもっと読む )
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