日本の木原稔官房長官は18日の記者会見で、高市早苗首相が国会で「台湾有事は日本の『存立危機事態』となり得る」と述べた点について、「政府の従来方針と何ら変わるものではなく、発言を撤回する考えはない」と明言した。中国側が強く反発する中でも、日本政府は一貫した立場を保ち、修正の余地はないとの姿勢を示した。
木原氏は「高市首相の答弁はこれまでの政府見解と整合的であり、撤回はしない」と述べたうえで、日本は日中対話に対して常にオープンであると説明した。しかし、22~23日に南アフリカで開かれるG20サミットで日中首脳会談を実施するかどうかについては「現時点で何ら決まっていない」とした。
中国側、反発を強め対立が高まる
高市氏の国会答弁を受け、中国外交当局は強い反応を示している。中国駐大阪総領事の薛剣氏がSNSに過激な投稿を行い、日中間の緊張がさらに高まった。日本政府は17日、薛氏の投稿に対して正式に抗議した。
さらに中国外交部は17日、「G20期間中に日中首脳会談を手配する準備はしていない」と述べ、対話の進展が見込めない姿勢をにじませた。
こうした情勢を踏まえ、日本大使館は17日夜、中国在住の日本人に向けて安全情報を発出し、「自身の安全確保を徹底するように」と注意喚起した。木原氏は「最近の報道や日中関係の情勢を踏まえた必要な措置だ」と説明した。
日中局長級会談 日本側「立場は変わらない」と直接伝達
報道によると、日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長は18日、北京で中国外交部の劉勁松アジア司司長と会談し、高市氏の国会答弁は「日本の既存の立場と矛盾しない」と重ねて説明した。
また、中国側が国民に日本旅行や日本留学を控えるよう求めた対応について、日本側は「懸念」を表明し、情勢の沈静化を求めた。
中国の反発拡大、与党内からも対抗措置の声
高市首相は7日の衆院予算委員会で、日本政府が台湾に対する武力攻撃を想定した試算の結果、「存立危機事態に当たり得る」と述べた。この発言が北京の激しい反発を招き、中国当局は国民に対して日本旅行の自粛や留学計画の再検討を呼びかけた。
日本国内でも、薛剣総領事に対して「ペルソナ・ノン・グラータ(外交官の受け入れ拒否)」手続きを検討すべきとの意見が与党内から上がっている。
日本政府「立場は不変」
木原長官は18日の会見で重ねて、「日本政府の立場は従来通りであり、高市首相の『台湾有事』に関する答弁は撤回しない」と強調した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 中国、日本への旅行・留学警告相次ぐ 解放軍報「日本を戦争へ導く恐れ」 | 関連記事をもっと読む )
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp
















































