いまや「結婚よりも独身がトレンド」と言われる時代に、世界はまるで「関係の大不況」に陥っている。米国の25〜34歳では、男性の半数、女性の4割が未婚で、北欧では成人の3分の1が独り暮らしだ。マッチングアプリをいくらスワイプしても孤独が募る人がいれば、「彼氏は面倒、独りのほうが気楽」と言い切る人もいる。
英誌『エコノミスト』は11月6日、この潮流は性別観や時代の大きな変化を映し出していると指摘する──女性は経済的に自立し、悪い関係を拒むようになり、一方で男性は恋愛市場で立ち回れずにいる。AIの「恋人」でさえ気持ちに寄り添い、「愛してる」と優しく応じてくれる今、本物の親密な関係はどこへ向かうのだろうか。
婚姻崩壊、独身の台頭:女性が主役の時代
人類の歴史において、「家を築くこと」は人生の必修科目であり、生存に必要なものだった。信頼できる避妊方法が現れる前は、女性は出産をコントロールできず、結婚しなければ子育てをするための資金がなかった。故に人々は、「悲劇は死で終わり、喜劇は婚姻で幕を閉じる」としばしば言っていた。
今や、婚姻と親密な関係は急速に薄まり、独身率の増加は驚異的なスピードだ。アメリカの25歳から34歳の若者の中で、男性の半数、女性の約40%がパートナーを持たない。2010年以降、30の裕福な国では26の国で一人暮らしの人口が増加している。《エコノミスト》は「交際または結婚」の割合が2017年と同様に高ければ、現在の世界の独身人口は1億人少ないだろうと試算している。
「関係の大不況」が世界を席巻しているが、人々の反応はさまざまだ。ある者はこれを社会の道徳崩壊と見なし、他方では新しい時代の自立の象徴とする者もいる。出生を推進する団体は「家庭を築かないことは文明の滅亡を招く」と警告し、ファッション雑誌《Vogue》はこれに対し、抱負のある若い女性にとっては、ボーイフレンドを持つことが不必要であり、それどころか「少し恥ずかしい」と主張する。
《エコノミスト》は、この独身ブームには利益と損失があると述べている。女性の生活様式は完全に転換し、職場での地位、貯蓄口座、自立した生活を持ち、一人でいることを選ぶことができ、もう「悲惨」や「異端」のレッテルを貼られることはない。経済的な自立は彼女たちに、不健康な関係から逃れ、悪い相手を振り、家庭内暴力に「ノー」と言う自信を与えており、これによって男性は尊重の方法を学び、成長することを余儀なくされている。現代の男性が恋愛に成功するには、「家を支える」だけでは足りない。 (関連記事: 独身を恥じず活用:日本「独身経済」は百兆円突破。 自由を愛しぼっち飯を楽しむが、歳を取った際誰が側にいるのか? | 関連記事をもっと読む )
愛の市場は崩壊?強くなった女性、追いつけない男性
独身ブームは一見解放運動のように見えるが、実際には多くの人がそこまで気楽ではない。調査によると、多くの独身女性が現状に満足しているが、67%の独身者が「もしパートナーがいたら良い」と感じている。アメリカの2019年の調査では、半数の独身者が積極的にパートナーを探してはいないが、27%しか独身生活を本当に楽しんでいないことがわかった。多くの人がパートナーを見つけようとしてもできず、その原因はどこにあるのか?《エコノミスト》はこれを「崩壊した愛の市場」と表現する。アジアの一部の国々では、過去の男児偏重が原因で男性が過剰になっているが、この状況は改善されつつあるが、未ださまざまな障害が残っている。
















































